健康診断・ワクチン接種・フィラリア薬処方で動物病院へ行きました。かなり混んでいて1時間半ほど外で待ちました。その間、サブは“大人の対応”で他犬とコンタクトでき、「奴もずいぶん成長したな」と思っていました。診察室に入り、一連の診察を大人しく受けていました。ところが、最後の採血になって大暴れです。後肢を急に引っ張られたことが気に入らなかったようで、助手のお嬢さんを脅しつけ、オナゴ先生を蹴散らして、あわや出禁になるくらいのご乱心ぶりでした。1か月後に狂犬病予防注射で再訪します。そのときは“大人の対応”をお願いね。
さて、今日は「犬の認識能力に加齢が及ぼす影響」です。
「加齢とともに学習能力は低下するが、多くの経験から論理的な思考ができるようになる。ただ、知識や経験が邪魔をして、柔軟に考えることが不得手になる」・・老化が進む自分自身のことを言われているように感じますが、同様の傾向が犬にもあるそうです。犬の認知研究を行っているウィーン獣医大学 からの報告です。
5か月〜13歳のボーダー・コリー95頭が対象です。犬種差や加齢スピードの違いによる影響を除くため、犬種は1種類に限定されました。犬を5つの年齢層のグループに分け(5〜12か月齢、1〜2歳、2〜3歳、3〜6歳、6歳以上)、それぞれの学習・論理的推論・記憶能力が調べられました。タッチスクリーンにポジティブな絵(おやつ付き)とネガティブな絵(おやつなし)が並べて映し出されます。ポジティブにタッチすればおやつがもらえます。絵はそれぞれ4枚が用意され、様々な組み合わせで試験が実施されました。
年齢の高いグループでは、すべての犬が正解できるようになるまでに若いグループより多くの回数をこなさなければなりませんでした。研究者らは、「犬も人と同じように年を重ねていくことで、それまでの習慣や学んできたことを変えるのが難しくなっていく、つまり柔軟な考え方ができなくなって学習しにくくなっていることを示すもの」としています。
次に最初のテストで使用した4枚のネガティブな絵と、新しく用意した4枚のポジティブな絵をそれぞれ1枚ずつタッチスクリーン上に並べて映し出しました。おやつをもらうためには、ネガティブな絵を覚えていて、かつ新しい4枚の絵が「ポジティブなものだろうな」と推測する必要があります。「え〜と、この絵はタッチしても何ももらえなかったよな。こちらは見たことのない絵だけどおやつをもらうならこちらにタッチだよな」てな具合です。このテストでは若いグループよりも年齢の高いグループのほうが優れた成績となりました。研究者らは「年齢の高い犬のほうが論理的に推論することができる。しかし、以前に学んだものについて頑なに主張しがちであること、柔軟性にやや欠けることを示すことでもある」としています。
記憶能力をテストするために、6か月後に同じテストが行われました。その結果、ほとんどすべての犬がポジティブな絵を覚えており、年齢による差は見られませんでした。
上記の報告はいかがですか? ちょっと頑固にはなっていますが、経験に裏打ちされた年寄り犬のしたたかさも捨てたものではないようです。人間もこうありたいのですが・・う〜ん、頑固さだけが突出し、論理的思考ができないご老体が多いような気も・・(もちろん私も含まれます)。
2016年05月15日 (日) 09時02分
|