残念なお知らせです。 多くの皆さんに親しんでいただいたスナジーが亡くなりました。 ここ暫く悪性腫瘍との闘いが続いていたのですが、歳が歳なので手術は行わず、癌細胞に作用する特効薬だけで維持してきました。が、1年半ほど経過しついに力尽きたという感じです。 最期が痛みに苦しむことなく眠るように安らかだったことが救いのように思います。
我が家が九州から山梨県の小淵沢へ移住した2002年に、スナジーは生まれました。 ちょうど1ヶ月違いでジンゴーが生まれ、この2頭の子犬が姉妹のように連れ添った愛らしい写真はザベリワンのホームページのあちこちに登場しています。 姉御肌で非常に聡明、細やかな感情にもあふれたスナジーは、誰の産んだ子犬にも寛容で甲斐甲斐しく世話を焼き、後輩犬や子犬たちの良き教育係として尽くしてくれました。 彼女自身は生涯で一度しか出産経験はありませんが、その後、ある役目を仰せつかり、それを果たすために関西のご家庭に住むことになったのです。 その役目は、心身の不調に苦しみ満たされない思いでいた人に、24時間寄り添い、気持ちを支え、癒やしてあげるというお仕事でした。 関西のご家族はスナジーの健気な心を思いやり、頻繁に山梨の故郷へスナジーを連れて遊びに来てくれました。 我が家の森の匂いを嗅ぎつけると途端に冷静さを失い、車の中で興奮するそうです。 かって知ったるザベリワン、柵を開けてあげると自分が元々暮らしていた犬舎を何年経っても覚えていて、そこに別の犬が入っているのを認めるとイヤァな顔をして肩の毛を逆立てていましたっけ。 しかしお利口なスナジーは、関西のご家族が「さぁ帰るよ」と車のドアを開けると、まるで全てわかっているかのように自ら車に乗り込み、気持ちを切り替えたかの如く真っ直ぐに私たちを黙って見つめながら帰ってゆくのでした。 先日、数日の休みが出来たので、思い立ってスナジーに最後に会いに行こうとメールを書いている最中に行き違いで今亡くなったと訃報が入りました。 残念です。関西のご家族のかた、長い間お疲れさまでした。 しかしスナジーとは距離がどうあれ心は永遠に繋がっている気がしてます。それに彼女の兄弟はまだまだ元気で京都の山を歩き、同期のジンゴーもピンピンしてお客様の接待係を現役でこなしています。 大役を果たしたスナジーを心に置いて、今まだ生きている犬たちに満ち足りた余生を送らせるために精一杯尽くしていきたいなと思っています。
2016年03月09日 (水) 05時42分
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