犬の尻尾には色んな役割があります。感情の表現、体のバランスの調整、体温の保持などです。「感情の表現」については後述します。犬が走り回るとき尻尾を振りまわしていることがあります。これはバランスを取っているのです。「平衡感覚を強めてバランスを調節」です。寒いときに尻尾を体に巻きつけたり、鼻を覆ったりしていることがあります。冷気から身を守る、つまり保温の意味があります。
さて、「感情の表現」です。尻尾の動きで様々な感情を読み取ることができます。尻尾の位置と動きがポイントです。
【「尻尾の位置」による感情表現】 ■ 尻尾の位置が高く、毛が逆立っている:興奮気味で攻撃性・支配欲が強くなっているとき ■ 尻尾の位置が高い:自信があるときや自分の強さをアピールしたいとき ■ 尻尾の位置が水平:何か興味のあるもの、面白いものに近づこうとしているとき ■ 尻尾の位置が低い:不安な気持ちでいるとき、疲れたとき ■ 尻尾を後肢の間に巻き込む:不安を通り越して恐怖を感じているとき
マラミュートの雄同士の急接近、あるいはライバルと目す犬と急接近した場合、尻尾を高くして背中と尻尾の毛が逆立つことがあります。次の瞬間に取っ組み合いが始まることも予想しなければなりません。まずはリードをしっかり握って、引き離すことが肝要です。さらりとかわして、「君子は危うきに近寄らず」です。
レオは疲れ以外で尻尾を下げることは少なかったように思います。一方、交通事故の影響でくうやはトラックが苦手でした。トラックが横を通ると尻尾を下げ、大きな体を小さくしていました。尻尾が下がっていた場合、犬は不安・恐怖を感じていると認識しなければなりません。不安・恐怖の対象がわかれば、対象を遠ざけ、あるいは対象から遠のき、何事もなかったかのようにふるまうのが良いように思います。声をかけたり撫でたりしてあげる飼主さんも多いようですが、不安・恐怖からの行動を強化することもあります。つまり「恐がると声をかけて撫でてくれる」と誤解させてしまうのです。声かけと愛撫は少し落ち着いてからを勧めします。
【「尻尾の動き」による感情表現】 ■ 大きく尻尾を振る:うれしい・楽しいという感情表現のとき(尻尾が高い位置で毛が逆立っている場合は、相手への攻撃のサインなので要注意) ■ 低く小さく振る:相手への服従の気持ちが強くなっているとき(相手を安心させつつ接触したいときも) ■ 後肢の間に巻き込んで小さく振る:おびえているとき(飼主さんに叱られご機嫌をうかがうときも)
尻尾を持たないコーギーなどでは、目や耳の動き、体毛の状態、行動などで類推します。幸い、我が家の三代目コーギー「きい」は痕跡程度に尻尾がありますので、尻尾の振り方もなんとか観察できます。で、彼女の尻尾の振り方から好感度を推測しますと、娘>カミさん>私の順になっています。お世話の度合いとは反比例しているのはなんでかな〜??
2013年07月12日 (金) 09時27分
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