6月だというのに昼間も涼しくて、こちら小淵沢の森は半袖ではまだとても過ごせません。農家のかたには申し訳ないけれど、犬たちのことを思うと夏がこの調子で過ぎて行ってくれればいいなぁ、なんて思うこの頃です。
度々のブラックリボンで恐縮ですが、我が家のジンゴーが亡くなったことをお知らせします。 2002年にザベリワンが八ヶ岳に移住して、最初の繁殖で生まれた犬でした。ドッグショーに、山歩きに、そしてあの犬と、この犬と、度々ジンゴーが一緒の思い出がたくさんです。 ジンゴーには生まれた時からおかしなエピソードが幾多もあります。お母さん「テン」が妊娠中の時には超音波診断で「残念ながら今回は妊娠していません」と病院で言われ、私の頭からはすっかり交配したことも消えてしまっていました。やがてだんだん丸くなって来たテンを見ながら「なにやら最近太って来たなー、こりゃダイエットさせねば」とせっせと運動させ、低カロリーの食餌を作って与えていたところ、まさかの野外ハプニング出産となったのでした。慌てて玄関に入れ、タイルの靴の上に生まれ落ちたジンゴー。 この森に住み始めて間もない頃には、まだ幼いジンゴーと最初の夫となるアラディンが2頭連れ立って勝手に遠出したことがありましたっけ。いつか書きましたよね、このエピソード! あの時は必死で捜したなぁ〜。1時間余りで2頭揃ってルンルンで家に戻って来たのですが、その間どこに行っていたのだろう?と度々話題になりました。ヒントはアラディンが大事そうにくわえて帰って来たおみやげのレモン石鹸。こんなものを一体どこから?近所の別荘にでも侵入したんだろうか?キャンプ場?それとも… 答えがわかったのは、3か月近く経ってからでした。なんと3km近くも離れた子どもが通う学校へ訪問していたのです。そして校庭のプールに置いてあったレモン石鹸を見つけ、喜んでいそいそと持ち帰って来たのでした。校舎の3階の教室の窓から授業中にぼんやり外を見ていた我が家の子どもが、プールの周りを2頭で歩いている犬たちを眺めて「うちの犬みたいな野良犬もいるんだなぁ」なんてノドカに思ったそうです。(なんですぐに言わないんかい!!) 水が嫌いで、一緒に育ったスナジーが水が大好きで川や池にすぐに飛び込むのに比べると、雨が降っても出るのを嫌がり水たまりは上手に避けて歩いていたジンゴー。 日本で最大のドッグショー、アジアインターでは2005年ベストオブブリードもいただきました。(ドッグショー出陳は一体何年ご無沙汰していることでしょう。出せる犬は今も多数いるにも関わらずマラミュートが殆どいない日本のショーに出したい気持ちが湧いて来ません…)
そうそう、肥満細胞腫(悪性です)にも乳癌にも罹って手術しましたっけ。肥満細胞腫の時は「長くてあと半年かも」なんて言われたのに、あの手この手でガンをやっつけてあれから10年ケロリと生きました。 手術と言えば、ブロート(急性胃拡張胃捻転症))の予防手術も元気な内に受けさせました。
年老いても毎日朝晩いそいそと森を歩き、食欲も衰えず、どこまで長生きできるかなと思っていましたが、弱り始めて一週間の安らかな大往生でした。 亡くなりはしたものの、今回はあまり悲しくありません。むしろ長い時を一緒に生きてきた人生の伴侶に、しみじみした情のような想いが湧いてきます。
ジンゴーを知っている皆さんや、全国のジンゴーの子孫と暮らす皆さんと、この気持ちを共有できれば嬉しいです。
2017年06月16日 (金) 03時33分
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