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[1645] 投稿者:AMCJ前田 - ベアドッグとマラミュート、それにオオカミ犬


桔梗さん、こんにちは。
そうですね、オオカミに魅力を感じている人とマラミュートが好きだという人は重なっているところが多いように思えますね。
オオカミは素晴らしい、憧れる、でも狭い一般家庭に拘束し、窮屈な暮らしを強いてお互いが幸福になれる動物ではない、だから現実としては完全なる犬であるマラミュートと共に生活を楽しむ・・・こんな動機は少なからずのマラミュート愛好家に当てはまるかもしれませんよね。

>例えばマラミュートを訓練してベアドッグにできたりはしますか?

かつて極北地方でマラミュート(らしき犬。実役時代には純血か否か、はたまた何という犬種かは問題でなく、いかに人のために効率よく働く犬か、という点だけで選択交配が行われていました)が、重い荷を運搬したり海岸で船を曳航していた時代には、アザラシなどの狩りにも使っていたという話は良く出て来ます。
しかしながらその当時の、その地方での「狩り」は昔ながらの日本の山野でのイノシシやシカ猟、ヨーロッパでのノウサギやキツネなどの猟とは形が異なりました。即ち、人と犬の集団、或いは単独の犬&人が、組織的に作戦立てて人の指令に従って動物を追い込んでいく典型的な狩猟とは似て非なるものだったと思います。
なぜなら、このような典型的な狩猟に使われる犬種とマラミュートとは歴史が違いますし、歴史が違うということは犬種の成り立ちが違い、成り立ちが違うと言うことは性質が異なるからです。
人も動物も生き抜くことが厳しい極地で人のために働く犬たちには、他の地方の犬種とは違う能力が求められてきました。
自主性、自己判断して次の行動を選択する能力です。
それは「必ずしも人の命令に従わずとも、犬が自分で判断して危険を回避する」=他の大勢の命に直結する選択です。例えば、マッシャーがそのまま前進しろと命令しても、犬がその先にクレバスがあることを察知すれば命令を聞かずに直進はしないということ。橇犬はこういう能力が本能的にあると思います。
ハスキーがブームになった過去の一時期「バカ犬」などと不名誉な仇名が日本でつけられたことがあるのは、「単純に命令に従わない」という特徴がそのように間違った理解をされたのでしょうね。
また、マラミュートは海外では良くLazy dogなどと呼ばれます。怠け者。無駄なことをしたがらない。サバイバルの極地で生きるのですから、活動そのものが省エネ志向です。得るものがある物に対しては積極的ですけれど、「それをしたからって何になるの?」と思うことは無視するでしょう。追い詰めて仕留めればご褒美がもらえるアザラシなら、教えれば喜んで狩猟を手伝うかもしれませんが、ホッキョクグマやオオカミなど、深追いしても自分の身に危険が及ぶだけの相手ならば本来ならあまり関わりたくはありません。
更にマラミュートは元来、人間には誰彼問わず友好的で警戒的ではありませんが、動物に対しては鋭敏な感覚を持っていて、しばしば攻撃的になることがあります。ネコに慣れていないマラミュートが近所のネコを咬み殺してしまったという話や、我が家の経験では昔、かなり離れた地域の鶏小屋を記憶していて、ある時家を抜け出し一直線にそこに出向いて小屋を破壊し、殺した鶏をくわえて意気揚々と帰宅(途中の目撃者あり!)、自分のハウスで眼をキラキラさせながら解体を楽しんでいた(目撃者は私)、なんてことがありました。基本的に、幼少時から特別な馴致教育をしないと、動物にはめざとく、興奮しやすく、攻撃的な面もあります。
そのようなマラミュート特質色々を考え合わせた時、この犬を「クマを追い払うため」もしくは「元来のスタイルでの狩猟」目的に日本の山野に放したらどうなるでしょうか?
私の想像ですが、山野に放されたマラミュートは偶然嗅ぎ付けた匂いの動物を自分の意思で勝手に追い始め、一対一なら勝ち目のないクマなんて途中で放り出して、もっと捕まえやすい、刺激的で手の届く動物を自ら選んで興奮を高めていくだろうと思います。
以前、東日本に住む知人が「マラミュートを猟犬として使ってみたい。シカかイノシシを追う訓練をするつもりだ」と言いだし、私は反対意見を述べたのですが実際にやってみたそうです。結果、「すごいスタミナで追い続けるのはいいが夢中になりすぎて命令しても戻って来ない。獲物の足をとめてハンターが来るまで留まらせたりハンターのいる方向へ獲物を出してくるということができず勝手に襲ってしまうようだ。だからこの犬は使えないとわかった」とおっしゃってました。また関西に住む現役の猟師の元に我が家のマラミュートが愛玩用として行ったのですが、彼はパートナーに紀州犬を使ってましたが、彼が言うには「在来の日本の猟犬とマラミュートは体の作りが違うね。紀州犬や在来の日本犬は急峻な紀州の山岳を動物を追って走り抜ける体型にできているけど、マラミュートはこういう地形を走らせるには厳しい。後ろ足が立っている(飛節の角度が浅い)ほうが傾斜地には合っているし、マラミュートは重量がありすぎて小回りもきかず、藪をくぐって崖あり谷ありの山岳を俊敏に走り回る日本の獲物を追うことは無理」ときっぱり言い切っていました。

今回のベアドッグの話に戻りますが、私は北海道のベアドッグというのが、ヒグマに対して何をすることまでを求められるのか良く知りません。
ただ近くで吠えたり昔の警備犬のように決まった守備範囲を往来してクマの接近や侵入を防ぐ、というならその場所に時間を不規則に配置しておけばいいことですし、野山に犬を放してヒグマを追わせる(そしてその先どうするのでしょう?ある程度追ったところで呼び戻すのか?)ならば、何かマラミュートでも守れるルールを作って厳守させないと飛んでもないことに=追い払う側が逆に被害を与える側にすり替わる=なってしまいそうで恐怖を覚えます。
クマに対してどこまですることをマラミュートに期待するのか、によって、それが出来るか否かは違ってくると思います。が、基本的に「マラミュートを山野に放してヒグマを追い払わせる」という活動は、マラミュートの特質を考慮すると適していないと思います。

マラミュートはれっきとした犬である、と前回書きましたが、犬の中では、人工的に手を加えすぎた改良の進んだ犬種に比してマラミュートは原始に近いものがあり、本能的な部分がいまだ鋭敏で野生の感覚が残っていたりします。マラミュートをいくつかの群れ、犬の集団(家族)として一緒に暮らしていると様々なシーンでオオカミの家族形態に近いものが色濃く残っていることを感じさせます。そうでないマラミュートも多いのでしょうが、我が家は数多くのマラミュートたちの集団が存在するので、それぞれの間柄を観察するとオオカミのそれを彷彿とさせて非常に面白いです。他の犬種とは全然違うでしょうね。
今回、遠軽町の羆塾関係者の飼い主さん(訓練と指導手も兼ねている)が、オオカミの%が非常に高いオオカミ犬をわざわざ選び、遠方より取り寄せて訓練されていたのでしょうが、正直なところベアドッグに何故あえてオオカミのハイブリッドなのだか理解ができません。

>ベアドックにオオカミに近い物をと求めるのは身体能力などでやはり犬では役不足だからですか?

とのことですが、これはその飼い主さんの考えた理由をむしろ私も知りたいくらいです。
ウルフピー(オオカミの尿)が最近、シカなどの動物除けに効果があるとして日本でも知名度が上がり、近所のホームセンターでも輸入物のウルフピーが小さなボトルに入って農業資材の棚に並んでいるのを見かけるようになりました。少量なのに結構なお値段です。(うちのマラミュートの大量のオシッコ、似てる犬なんだからシカ除けに売れないかなぁ?え、でもオシッコ、どうやって集めるんだ?…そして尿瓶を手にした私が庭中を走り回ってマラミュートたちが今まさにピーしようとする瞬間に陰部に尿瓶を差し出す場面を想像したり…)もしかしたらこんなところから「オオカミならヒグマを追い払うのにも適しているかも?」との発想に至ったのでしょうか…。う〜ん、わかりません。
海外でも、先進国で理論的に、オオカミやウルフハイブリッドを訓練して動物を追い払う、という活動を行なっているという話を聞くことがありません。前回も書きましたがオオカミの遺伝子が入ると性質的に訓練には向かなくなり、画一的で安定した成果を合理的に得られないからです。たまたま偶然一頭のオオカミ犬が「犬のように躾ができてどんな条件下でもおとなしい!」だったとしても、たまたまその一頭だけでは意味がありません。
オオカミからイエイヌに改良するには、人と暮らすのに難しい部分をたくさん削り落とし、良いところだけ残して固定してきた長い歴史があります。何世紀にも、何万年にもわたって、先人たちが苦労を重ね、人に都合の良い「人工的な動物」に作り変えて来た歴史があります。
それを軽んじてはいけないと思います。たった2〜30年で、たった3〜4世代で、そう簡単に「見かけはかっこいいオオカミ、だけど中身はいつでもどこでも穏やかで絶対服従なイヌ」なんていう動物を作るのは無理があるのです。
野生で生きるオオカミ、人の庇護の下で人間社会の中でしか生きられないイヌ。いまだ共通点もたくさんあれど、人の伴侶として考えるならば両者は似て非なる動物だと解釈しておいたほうが間違いがなさそうですね。

クマ追い払い活動に使う犬として、北海道のヒグマであれば地元の北海道犬はどうして使われなかったのでしょう。勇猛果敢な紀州犬は?甲斐犬や四国犬も良さそうですが。
海外ではカレリアンとかタールタン・ベア・ドッグなどという北欧のクマ追い犬がいますよね。小柄ですがピリリとして勇敢さに期待できそうです。昔はワイマラナーなどもクマを相手にさせた歴史がありますね。
真夜中に思うまま書いていたらまた長くなったので(笑)、読み返さず投稿します。重複した表現、おかしな文章があったらごめんなさい、読み飛ばして下さい。

2015年08月03日 (月) 03時40分

[1647] 投稿者:桔梗 - ありがとうございます


すごく丁寧に回答していただきありがとうございます。
私が説明を聞いて受けた印象ですが、まずさせる仕事の適正が大事。
そして能力以前に人間のために働いてもらうのだから、期待通り動いてくれるかが重要な気がしました。

まったくの想像ですが、ベアドッグにオオカミの混血、オオカミに近いものが選択されたのは後者を軽視して単純により能力(野生的な生きる能力みたいなもの)の高いものをと思われたのかなって思うんですが・・
すみません>_<
そういう私も今説明を聞くまでマラミュートなら犬の中でも体格、その他でオオカミに近いほうだからいけるのではと思ってしまってました。

ウルフピー
そういえば前に親戚に山のゆりや果樹に鹿やいのししが来てあらされるからアースのオシッコちょうだいっていうかアースつれてきて!っていわれたことがあります。笑
結局実現してませんが。

2015年08月08日 (土) 20時28分

[1649] 投稿者:AMCJ前田 - でも考えてみれば、


我が家の周辺の森は、シカもキツネもごく普通に出没してるんですよね…。
毎日2回、家の周りの森で犬たちを運動させるのが日課となっているので、走りながら森の木々にオシッコしているのでウルフピーならぬマラミュートピーでも効果がありそうなものですけれど。
ただ、犬が一番頻繁に走る30m四方程度の場所にはさすがにシカは踏み込まないように思います。その境界辺りには群れで頻繁に通っています。
でもそれは、その30m四方の場所から犬舎がすぐ傍に見えるし犬たちの気配が濃厚なため、というのもあるでしょうね。
あ、そうだ、その30m四方にはイノシシは平気で入って来てましたね。雨上がりでぬかるんでいた時にはイノシシが泥浴びした痕までありましたっけ。
キツネはいつも平気で通っています。犬を時々置いている玄関まで、特に警戒もせずに夜な夜なやってきてはモノを持って行ったりしてます。
神経質な草食獣であるシカには、多少効果がある、ということでしょうか。

2015年08月13日 (木) 00時57分

[1658] 投稿者:ラフィのパパ -


すっごいお久しぶりに書き込みさせていただきます。
いつもご無沙汰ばかりで申し訳ありません。前田さんとも長いお付き合いですね。
この記事を拝見して以前、オオカミ犬の記事を和訳させていただいたのを思い出しました。
しかし下記の記事を拝見して思いましたが、ずっと長く一つの事を追求研究してその世界に溶け込んでおられると言うのは本当に素晴らしい事です。
色んな意見があり、色々と大変な事もあるでしょうが小淵沢の大自然に囲まれて大好きな犬たちと共に暮らす人生って中々、質の高い素晴らしいものだと思います。
(実際にやってみろ、と言われても中々出来ないでしょうが)
一つの事をここまで追求できると言うのは、すごく幸せ
で良質な人生だと思いますよ。
ちょっと誉めすぎたかな?(笑)
我々夫婦も年取って(もう既に年取ってますが)そう言う場所でゆっくり出来ればと願いますが、自分も仕事人間なので死ぬまでバタバタやってるかも知れません。

これからも興味深い、奥の深い記事をご提供ください。

2015年10月06日 (火) 11時57分

[1659] 投稿者:AMCJ前田 - 会報のオオカミ犬特集


お久しぶりでーす!
ラフィーのパパさん。いやいやルーポのパパ、といったほうがピンと来られるかたが多いでしょうね。
久しぶりとはいえ、毎年カレンダー輸入のお手伝いしていただいてるから年一度のお付き合い、というか(笑)。
(皆さん、ルーポというのは我が家のテンの兄弟です。テンというのはジンゴーやドードーたちのお母さんでテムジンの祖母、ピリカの曾祖母、ポッケの曾曾祖母・高祖母というのかな?)
そうですね、20年近いお付き合いになりますよね。
お互い子どもが子どもだったのに、すっかり状況が変わってしまいましたよねー。

はい、以前に会報で「特集・オオカミ犬」というの、しましたっけ。
あの時はアメリカの記事を和訳するのを手伝っていただきましたね。特集で色々書いたら90ページ位になってずいぶん分厚い会報になりました。あれは確か13号で1999年発行の本です。
そして14号では誌上フォーラムで「オオカミ犬 どう考える?」というテーマでしたが、ラフィーのパパさんもご意見寄せて下さってました。
最近は会報発行の間がやたらとあいてしまって恐縮しきりです。

お誉めいただきありがとうございます。
質の高い、素晴らしい、幸福な人生・・・う〜ん、すごい誉め言葉の連発だぁ。
でもこんな、皆さんが年一回のバカンスで訪れるような高原に永住できて、特に困ることも無く犬たちと広い場所で好きなように暮らしているんですから、そりゃあ考えてみれば幸福なことだと思います(笑)
あ、子育ても一応無事にこの地でしたんだった。
うまくいったヒントは、一貫した信念を持って人目を気にせず多くを望まない、ってことかな。人からヘンジンと言われてもね。ビンボー万歳!ですよ〜ん。

ボスである私が楽天家で、時には大胆に時には繊細に犬たちをまとめていれば、犬たちも自然に陽気な楽天家になり、人を信じ、誰に対しても優しい心を持ってくれるみたいです。
そう考えると、自分はスタッフに恵まれているんだなぁ(笑)、これからももっともっと犬たちの信頼を裏切らないよう犬たちに尽くしていきたい気持ちがムラムラと湧き上がってきちゃうんですよね。

2015年10月13日 (火) 01時50分



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