昨日の出来事です。散歩コースの公園で柴犬が蛇口に繋がれていました。近くに飼主さんはいません。他犬を見ると興奮気味に遊びに誘うのがいつものサブですが、このときはじっと見つめ、そのまま無視して通り過ぎました。「ほほう、今日は良い子にできたね」。実は柴犬が歯を剥いて吠えかかっていたのです。通り過ぎてすぐにサブが目で訴えてきました・・「あのね、なにか怒ってたよ」「そうね、敵視されたときは無視が一番だよ」「うん、わかった」。
ということで、今日の話題は「犬は飼主と目でコミュニケーションをとる」です。
犬同士のコミュニケーションは匂いというのが相場ですが、必要に迫られ目によるコミュニケーションをとることもあるようです。日本の研究グループがイヌ科動物の目の特徴と虹彩(網膜に入る光量を調節する膜)の色、顔の斑点や模様を比較して、どれぐらい目で意思の疎通を図っているかを検証しました。結論は「オオカミは、獲物捕獲のため仲間と目で意思疎通を図り、犬は飼主に目でコミュニケーションを取っている」です。
イヌ科動物を以下の3つのグループに分け、仲間同士でどのようにかかわり合いをもつかが観察されました。
【Aグループ】 種類:灰色オオカミ、コヨーテ、キンイロジャッカル 特徴:瞳孔よりも虹彩の色が明るい(瞳孔:黒目の真ん中、虹彩:瞳孔の周囲)。毛皮の斑点や模様、色により目の位置がかなり分かりやすい。狩りも生活も群れを成して行動する。
【Bグループ】 種類:タテガミオオカミ、ディンゴ、キットフォックス 特徴:毛皮の模様で目の位置は分かるが、瞳孔が見えない。単独もしくはつがいで行動する。
【Cグループ】 種類:ヤブイヌ、タヌキ、リカオン 特徴:目が際立つ毛模様や色がない。群れで行動するが、狩りは単独で行う。
3グループのどの種も仲間と目を合わす回数はほぼ同じでした。しかし、視線を交わす時間はAグループが他グループより著しく長いことがわかりました。Aグループは目による仲間とのコンタクトがより多いことを示しています。集団生活が基本のAグループでは獲物を狩る時に仲間と目でコミュニケーションを取る必要があるからのようです。生息環境が異なる3種類のオオカミの虹彩色を比較したところ、色にほとんど違いは見られず、オオカミの虹彩色が明るいのは仲間と目でコミュニケーションを取っているため発達したのではないかと考えられました。
同じ環境で育った場合、オオカミよりも犬の方が人間とアイコンタクトを取る傾向が強いそうです。言葉で会話はできませんが、視線で意思を伝えることができそうです。良い行動には愛情あふれる暖かい視線を、迷惑な行動には厳しい視線を送ってみましょう。「サブ、お父さんの目を見ろ!」・・なんだかいつも厳しい視線になりそうです。
2015年02月12日 (木) 09時54分
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