いよいよ最終回です。これでJC講座を閉講とさせていただきます。独断と偏見をちりばめ、勝手気まま、そして自己満足的な講座の連続でした。そんな講座を長い間ご購読いただいた方々に心より感謝申し上げます。
さて、不良&日和見の定年後生活ですが、一定のリズムができて全てを楽しんでいます。掃除・洗濯はちょちょいのちょいですし、料理なんてそろそろ “上級料理人”の称号を家人から与えられそうな勢いです。さらに特級料理人を目標に精進します。
家事と老犬介護の合間はロードバイク・映画鑑賞などの非生産的な趣味の日々です。それでも“濡れ落ち葉”“粗大ゴミ”と揶揄されることのないアクティブな生活態度と自負しています。ただ、老犬介護のため外出を最長2時間程度に制限しており、不良定年の極致、「いつ電話しても家にいないっ!」と非難されるという夢が叶っていません。なかなか思い通りにはいかないものです。
7 運動器系
7-6 頭位傾斜 正常な位置に保てず、頭部がどちらかに傾いているのが“頭位傾斜”です。特殊な例を除けば内耳障害が原因で起こります。内耳障害は小脳・脊髄・眼などにも影響が及ぶことがあります。
片耳の内耳障害では障害のある方に頭部が傾き、その方向への旋回などが見られます。両耳の内耳障害では頭部の傾きはそれほどでもないのですが、より重度な病変側へ頭部が傾きます。いずれの場合でも眼球振盪も観察されます。
内耳障害の原因を末梢性と中枢性に分けて記載します。末梢性とは内耳に限局する原因で、中枢性は中枢神経系障害に伴って見られる内耳の異常です。
■ 末梢性:先天性奇形、代謝障害(甲状腺ホルモン低下など)、腫瘍、内耳・中耳の炎症と感染症、免疫疾患(多発性神経障害など)、外傷、中毒(鉛中毒など)
■ 中枢性:中枢神経の変性、腫瘍、栄養欠乏(チアミン=ビタミンB1欠乏)、炎症・感染症、外傷、中毒
重症では入院が必要なときもあります。原因・病状にもよりますが、病院では輸液・抗生物質投与・ステロイド剤投与・ホルモン剤投与などが施されます。外傷があればその治療が行われます。
「階段・滑りやすい床は避ける」という運動制限が必要です。食事は通常で良いのですが、ビタミンB1欠乏には食事療法が必要です。いずれにしても治癒がなかなか困難な病気であることを受け入れ、動物病院と相談しながら対処することになります。
【完】
2012年09月12日 (水) 10時01分
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