1週間ほどヨーロッパへ出張しました。5日連続の会議と三夜連続のパーティーで疲れ果てました。それでもほんの少しの自由時間に美術館巡りをしたり、日曜マーケットを冷やかしたり、グルメ三昧をやったりと、それなりに楽しんできました。
そうそう、スリ被害に会いそうにもなりました。若い娘二人組に道を尋ねられ、地図で教えている間に鞄のホックを開けられていました。幸い危機一髪で被害を回避できましたが、外国では油断してはならないことを肝に銘じました。
さて、本日は前回の続きで慢性下痢を紹介します。「お腹が弱いな、体質だから仕方がないか」では済まないこともあります。飼主さんがほんのちょっと注意すべきことがあるかもしれません。
4 消化器系 4-9 慢性下痢 3週間以上に渡って、便の回数、硬さ、量に異常が認められる場合は慢性の腸疾患が疑われます。小腸と大腸に分けて症状を解説します。
小腸に異常がある場合は、便の量と回数が増えます。1日に2〜4回の排便が見られます。体重減少、多食、排便障害、嘔吐なども見られます。吸収不良で体調不良ですし、脱水症状も見られます。
大腸に異常がある場合は、1回の便の量は減りますが、排便回数は1日に4回以上にもなります。排便障害が顕著です。しかし、体調は比較的良好ですし、脱水症状もそれほど見られません。体重減少も嘔吐もまれです。
原因も小腸と大腸に分けて記載します。
小腸の異常 腸炎、リンパ管拡張症、腫瘍、寄生虫、腸内細菌の異常増殖などが原因です。食べ物が関与するアレルギー・中毒・薬物もあります。フードの変更、消化の悪いフード、脂肪分の多いフードも原因となります。大型犬種で若い個体に多いとされています。
大腸の異常 大腸炎、腫瘍、寄生虫などが原因です。フードの変更、繊維質の多いフードも原因となります。さらにストレスや心的要因も原因となることがあります。
慢性下痢では、消化不良、代謝病、寄生虫、フード、感染症などを疑いつつ検査されます。診断が確定したらそれぞれに合った治療法が選択されます。便の量・頻度・体重などをモニターしながらの治療になります。診断が的確なら、治療を始めると徐々に回復に向かいます。
2010年07月17日 (土) 18時19分
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