「カオス」というのは「混沌」。
ぐちゃぐちゃしてる、
入り混じる、
なんていう風に言える。
簡単に説明するとね。
多重人格なんて
本当は存在しないのかもとか、時々思うよ。
自分も欠片のひとつのクセにさ。
だって、認められるっていうのは
そこにあって目の当たりに出来て、
否定しようのない現実のことなんだから。
そこにあっても目の当たりに出来なくて
人によってその信憑性の大きく違う存在なんか、
現実から程遠すぎるんだろうな。
だから俺は自分のこと認められないし、
どこかで拒絶してるんだと思うし、
ちょっと飄々としすぎてるし?
俺は真面目になんかなれないよ。
あんた達みたいに真剣にもなれないな。
この存在があまりにも嘘染みていて滑稽だから。
―以下誰かの手記
あなたは誰ですか。
どこから生まれたんですか。
戸籍はどこにありますか。
血液型や正確な身長は?
体温はちゃんとありますか。
流した涙は伝わりますか。
苦い表情は見つけてもらえますか。
受けた傷から血は流れますか。
あなたの名前は?
あなたの名字は?
あなたの両親は?
あなたの家族は?
あなたの年齢は?
あなたの誕生日は?
あなたの生い立ちは?
小学校はどこに通いましたか。
中学校はどこに通いましたか。
修学旅行はどこに行きましたか。
クラスメイトをちゃんと覚えていますか。
白い視線はありましたか。
拒絶はありましたか。
何がありましたか。
誰がいましたか。
何もありませんでした?
あなたはどこにいました?