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メルブラ短編置き場

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タイトル:Funny & Sunny Day 恋愛

――春休み最後の日、とある事情で有間の家に戻ることになった志貴。都古ちゃんと過ごす楽しく和やかな一日を願っていたが、そんな平穏が彼の元に訪れるはずがない!? 久方ぶりの月夜メルブラ短編作品は、ロリチャイナこと都古ちゃんメインのほのぼのストーリー。でも、チャイナ服は出ませんのであしからず。

月夜 2010年07月04日 (日) 01時38分(204)
 
題名:Funny & Sunny Day(第一章)

「それじゃ、行ってくるよ」
「行ってらっしゃいませ」
「留守の間は、私たちにお任せ下さいな♪」
相変わらず無表情の翡翠と、これまた相変わらず笑顔の琥珀さんに手を振って、俺は軽めの荷物を肩に、屋敷を後にした。
仰々しい扉をくぐった俺に、眩いばかりの澄みきった青空から、さんさんと陽光が降り注ぐ。
そんな空の大海を流れ行く真っ白な雲は、さながら風と共に去り行く旅人のようだ。
すぐ傍を吹き抜けるそよ風は涼しげで、そこかしこでさえずる鳥たちの歌声や、新緑色の青葉を繁らせる木々と併せて、徐々に近づきつつある春の訪れを感じずにはいられない。
貧血持ちの俺にとっては、ありがたいことこの上なかった。
「だんだん、暖かくなってきたなぁ……」
感慨深く呟き、一度だけ大きく伸びをする。
痺れるような刺激が、目覚めて間もない全身の筋肉に心地良い。
今日は、春休み最後の日。
明日の始業式の後は、またいつもの退屈な学生生活が幕を上げるわけだ。
……そう考えると、なんだか急に憂鬱になってきたな。
あぁ、止め止め!
こんな下らないことを考えるのは、明日からで十分だ。
今日一日は、最後の休日を思い切り楽しまないと損だよな。
そう思い直し、俺は頭を左右に振って先ほどのマイナス思考を払拭して、立ち止まったままだって足を前に進めた。
今日、俺は久しぶりに、有間の家に戻ることになっていた。
なんでも先日、おばさんが商店街の福引きで温泉旅行ペア宿泊券を当てたらしい。
本当なら、都古ちゃんを連れて行きたいところだったのだけれど、彼女も明日から学校が始まる以上、連れて行くわけにもいかず。
結局友人と行くことにしたそうなのだが、都合の悪いことにその日、つまり今日、おじさんが仕事の関係で、突然家に帰れなくなってしまった。
ということで、都古ちゃんのお守り役として、今回俺に白羽の矢が立てられたというわけだ。
まぁ、遠野の屋敷に越して以来、有間の家とは疎遠になりがちだったから、俺としてもこれはありがたい提案だった。
都古ちゃんに会うのも、随分久しぶりだな。
昨日、電話口で話した限りだと、あっちも結構楽しみにしていてくれたようだったけど……。
「あっ! お兄ちゃ〜ん!」
などと物思いに耽っていると、急に遠くから懐かしい呼び声が聞こえてきた。
知らず知らずの内に天を仰いでいた視線を水平に戻し、歩む道の先へと目を向ける。
そこに見えたのは、大きく手を振りながら、こちらへと走り寄ってくる都古ちゃんの姿だった。
あれ?
おかしいな。
家で待ってるって話だったのに……。
「都古ちゃん、どうしてこんなとこに?」
息急き切らして駆け寄る彼女を待ってから、俺は訝しげにそう口にした。
「はぁ……っはぁ……えへへ。待ちきれなくなって、こっちから迎えに来ちゃった♪」
そんな俺に対して、都古ちゃんは満面の笑顔でそう答えてくれた。
その笑顔はとても純粋で無邪気で、昼空に浮かぶ太陽よりも眩しい光玉のよう。。
この心からの笑顔が、確かに自分に向けられていると思うだけで、なんだか暖かい気持ちになれた。
「……? どうしたの、お兄ちゃん? あたしの顔、なんか付いてる?」
「あ、ううん。何でもないよ。それより、一体どこから走ってきたの? すごい汗だけど」
俺は気恥ずかしさを隠すため、逆にそう問い返した。
「もちろん、家を出てから直ぐに全力疾走だよ。なんてったって、お兄ちゃんと感動の対面の日なんだもん。家でじっと待ってなんていられないよ」
「あはは、それは嬉しいな。でも、こんなに汗かくほど慌てなくても良かったんじゃない?」
どちらから言うともなく、肩を並べて歩き始める。
俺はポケットからハンカチを取り出すと、手のひらで汗を拭おうとしている都古ちゃんに差し出した。
「あ、ありがとう。……だって、少しでも早くお兄ちゃんに会いたかったから……。お兄ちゃんは、私に会いたくなかった?」
「そんなことないよ。もちろん、俺だって都古ちゃんにはすっごく会いたかったさ」
「でしょでしょ! ほら、見て! この服、今日のためにお母さんに見立ててもらったんだよ〜。どう? 似合ってる?」
そう問いかけながら、都古ちゃんは一歩俺の前へと飛び出し、その場でクルッと一回転してみせた。
淡い水色を基調としたレースのワンピースが、その動きに合わせてヒラヒラと涼しげに揺れ動く。
その上に着こんだ薄地のトップスは、胸の部分にデフォルメされた猫の、可愛らしい刺繍が施されている。
いつも彼女が髪に着けている、トレードマークと言ってもいい赤いリボンだけをそのままに、今日はかなりめかし込んできているようだった。
自分と会う為だけに、ここまで気合いを入れてオシャレしてきてくれてるんだと考えると、素直な嬉しさが込み上がってきた。
「うん。すごく似合ってるよ」
俺は笑顔で頷いた。
昔一緒に暮らしていた時も、基本ボーイッシュな服装ばかりだったので、こういった女の子らしい格好の彼女は何だか新鮮で、余計に可愛らしく見えた。
「ホント!? やった〜♪」
手放しで喜びながら、彼女は俺の左手側に回り込むと、嬉々とした様子で空いている方の腕に抱きついてきた。
これがアルクェイドとかだったなら、慌てて引きはがし、急いで周囲の目を確認するところなのだが、相手が都古ちゃんならそういう心配はない。
むしろ、長いこと会ってすらいなかったにもかかわらず、まだ兄として慕われていることが認識出来て嬉しかった。
「こうやって、お兄ちゃんと腕組んで一緒に歩くのも、久しぶりだね」
「そうだね。こうしてると、何だか一緒に暮らしてた時に戻ったような気がするよ」
「うん。遠野のお屋敷に行って、お兄ちゃん、変わっちゃってないか心配だったけど……昔のままで良かった♪」
「都古ちゃんも昔のままで、俺も嬉しいよ」
「そんなことないよ〜。私、こう見えても背ぇ伸びたんだよ? ……3cmくらいだけど」
「俺もそれくらい伸びたから、お互い昔と変わらないように見えるんだろうな」
「お兄ちゃんは、これ以上背高くなっちゃダメー! いつまで経っても、お兄ちゃんに追い付けないじゃない!」
「あははは」
拗ねたように頬を膨らませ、都古ちゃんが俺の体をポカポカと叩く。
あぁ、こんなにも穏やかで和やかな日は、一体どれくらいぶりだろう。
これでこそ、春休み最後の日に相応しいというものだ。
願わくは、今日一日ずっと、こんな風に終始平和な時を過ごせますように……。

月夜 2010年07月04日 (日) 01時40分(205)
題名:Funny & Sunny Day(第二章)

――って思ってたのに……。

「どうしてこうなるんだ〜っ!?」
「うわっ!? し、志貴、いきなりどうしたの?」
「遠野君、突然どうしたんですか?」
俺の唐突な叫び声に、直ぐ側に居た二人が訝しげな声を上げる。
この二人が誰であるかなんて、説明する必要すらあるまい。
事の発端はついさっき、俺と都古ちゃんが、この有間の家に着いて直ぐに遡る。


「たっだいま〜♪」
玄関の扉を開き、都古ちゃんはご機嫌な声で帰宅を告げる。
だが、今この家には誰もいないので、もちろん応答は返ってこない。
そんな都古ちゃんの後に続いて、俺も敷居を跨ぎ、久方ぶりの有間の家へと足を踏み入れた。
「あ〜、お兄ちゃん、ダメだよ」
と、その瞬間、都古ちゃんが膨れっ面でこちらを振り返った。
「え? ダメって……何が?」
「家に帰ったら、ちゃんとただいまって言わなきゃ」
……あぁ、そういうことか。
俺は、都古ちゃんの言わんとしていることを理解した。
「そうだね、忘れてたよ。それじゃ、ただいま」
だから、俺はただいまと言った。
だが、誰もいない家の中へではなく、直ぐ傍らに居る都古ちゃんへ向かって、だ。
「うん! お帰りなさい、お兄ちゃん♪」
そんな俺を見上げながら、都古ちゃんが満面の笑みを浮かべる。
そんな彼女の笑顔に、俺は改めて悟った。
皆の待つ遠野の屋敷はもちろんのこと、都古ちゃんが待ってくれているこの有間の家もまた、俺の帰るべき場所なんだな、と。
「都古ちゃんも、お帰り」
「うん! ただいま、お兄ちゃん♪ ……二人で一緒に帰ってきたのに、何か変な感じだね」
「でも、こういうのも悪くないよ。帰ってきたんだなって実感できるからさ」
照れた様に笑う都古ちゃんに向かって、俺も微笑みを返す。
こうやって互いに笑い合っていると、ちょっと気恥ずかしいものもあったが、それ以上に、優しい気持ちになれる部分の方が大きかった。
「それじゃ……」

――ガシャーン!

『っ!?』
俺の言葉を遮るようにして、突如鳴り響いた甲高い破砕音。
聞こえてきた方向は、紛れもなく家の中……多分、居間の方からだ。
「……都古ちゃんは、ここでじっとしてて」
「お、お兄ちゃん……で、でも……」
俺の服の裾を掴み、こちらを見上げる不安げな眼差し。
その瞳の奥に宿るのは、先ほどまでの楽しそうな明るい輝きではなく、明確なまでの恐怖と怯えの色。
「大丈夫。心配しないで」
そんな彼女を安心させるべく、俺は優しく笑いかけた。
「……うん、分かった……」
うつ向きがちに目を伏せながら、都古ちゃんが俺の腕からゆっくりと手を離す。
一度だけ、軽くその頭を撫でてから、俺は静かに家の中へと歩みを進めた。
さりげなく腕をポケットに差し込み、その中でいつも携帯している守り刀の柄を掴む。
居間の陰に身を潜め、中の様子を伺う。
予想通り、割れた窓ガラスの破片が、そこかしこに散らばっていた。
しかし、肝心の犯人の姿が見当たらない。
誰かが居る気配は確かにするのに……ここからでは見えない、死角にいるのか?
まぁ、そんなことは関係ない。
誰だか知らないが、都古ちゃんに危害を加えさせるわけにはいかないんだ。
ついさっき、こちらを見つめていた、悲しげに揺れる幼い瞳が脳裏をよぎる。
あんな目は、都古ちゃんには似合わない。
彼女が真に浮かべるべきは、朗らかな心からの笑顔。
それを奪おうとする輩は、例え誰であろうと許しはしない。
何としても、この場で取り押さえてやる……!
息を深く吸い込み、ゆっくりと吐く。
心を落ち着かせ、今この場を満たす静を切り裂き、激しく荒々しい動へと切り替えるその瞬間に備える。
色鮮やかに蘇る、非日常の世界を生き抜いてきた頃の血生臭い記憶。
久しく刃を握ってはいなかったが、直ぐに体は今この時に順応してくれた。
全身の細胞が臨戦体勢を整える。
軽く膝を曲げ、腰を落とし、そして――

「……っ!」

――無言の気合いと共に、一気に部屋の中へと飛び込んだ。
先ほど見えなかった部屋の死角。
犯人は、まず間違いなくそこにいる!
そう確信していた俺は、短刀を片手にそちらへと視界を向けた。
果たしてそこには、予想に違わず人影があった。
足に力を込め、一気に其方へと跳躍しようとした。
「……え?」
……ちょうどその所で、俺は異変に気付いた。
刃を向ける先に佇む人物。
その容姿に、見覚えがあったことに。
今まさに飛び掛からんとしていたすんでの所で、俺はなんとか踏みとどまった。
そして、招かれざるその来客に声をかけてみることにした。
「……アルクェイド?」
そんな俺の呼び声に、短い金髪を振り乱しながら、こちらを振り返るその人物。
それは、間違いなくアルクェイドだった。
「あっ! 志貴〜っ!」
俺を見つけるなり、声を荒げるアルクェイド。
次の瞬間、

――ドスン!

「うわっ!?」
俺は彼女に押し倒された。
「い、いきなり何するんだよ!?」
完全に倒れ込んでしまわぬよう、床に手を突き体をなんとか支え、目の前にあるアルクェイドの顔を見つめ返す。
ここまでは、今までに何度となく体験してきたことだったが、何だか今日は些か様子が違うように見えた。
いつもなら、こういう時のアルクェイドは子どもみたく無邪気に笑っているものだが、今日は欠片たりとて表情に笑顔がない。
……というか、むしろ怒っているような、それでいて悲しんでもいるような……とても複雑そうな表情に見えた。
「志貴っ! 貴方……貴方って人は……!」
今にも泣き出しそうな声で、俺を見つめるアルクェイド。
その瞳の端に溜まった涙の粒が、その感情の昂りが決してただの演技ではないことを証明していた。
な、なんだなんだ?
いきなりこの展開は、一体どういうことなんだ?
空き巣か泥棒の類いが侵入してきたと思ったら、実はアルクェイドで。
で、声を掛けたら突然押し倒されて。
しかも、なんかいつもと違って凄く真剣な雰囲気で。
ダメだ、意味が分からない。
いくら頭を回転させてみても、自分がこのような目を彼女に向けられる原因が、皆目検討もつかなかった。
そんな戸惑いを露わにする俺に対して、半分涙声になりながら、アルクェイドはこう叫んだ。
「私というものがありながら……ロリコンに走るなんてどういうことよっ!!」
「……はい?」
その言葉の意味するところをまるで理解できないまま、俺はそんな間の抜けた声を返していた。
「ねぇ! どうしてよ!? あんなガキンチョの、一体何が良いっていうの!? あんな発展途上の、どこに魅力を感じるってのよ!!」
俺の胸ぐらを掴み、力任せにぶんぶんと揺らしながら声を荒げるアルクェイド。
その目はいつしか涙で溢れ返り、頬を伝って幾筋もの透明な跡を残していた。
「ちょ、ちょっと待て……ア、アルクェイド……」
反論しようとはするものの、前後に激しく揺らされているせいで、まともに言葉を紡げない。
「遠野君!」
そんなことをしている内に、割れた窓から更にもう一つの人影が、室内へと飛び込んできた。
「貴方は、一体なんてことをしてるんですか!?」
アルクェイドと同じく怒声を撒き散らしながら、その人物―シエル先輩が、俺の方へと駆け寄る。
「私、貴方が本当に誰かを好きになって、心からその人を愛してしまったなら……その時は、静かに身を引こうと思ってました」
しおらしさを漂わせながらも悲しさを孕んだ、彼女らしからぬ弱々しい声。
だが、そんな儚げな声色も、数瞬の後には既に激変していた。
「でも、好きにもなっていい人といけない人がいるんです! あのようなまだまだ幼いほんの子どもに手を出そうなどと、言語道断! それは犯罪にあたるのですよ! 遠野君!」
こちらを睨み据える本気の眼差しに、その怒りの程がありありと示されていた。
あぁ……この二人はまた、何やら独自のとんでも論理を展開してるみたいだな……。
ぼんやりとする頭で、そんなことを考える。
だが、それが限界。
さっきからずっと、半泣き半狂乱のアルクェイドに締め上げられているせいで、いつの間にやら意識も虚ろ。
視界も霞がかり、ノイズの混じる思考回路が考えるという行為を阻害する。
「……くらな……でしょっ!? ……の方が……的な……!!」
「……そう……りですっ!! ……私……けない……!!」
なんだろう……何か言ってるのは聞こえるけど、何を言ってるんだろう……。

――お兄ちゃん♪

脳裏で鮮やかに再生される、都古ちゃんの俺を呼ぶ楽しげな声。
ごめんよ、都古ちゃん……カッコつけて飛び出しといて、俺はここまでらしい……。
俺が居なくなっても……ずっと……笑顔、で……。
「お、お兄ちゃんっ!?」
完全に意識を失う間際、都古ちゃんの俺を呼ぶ声が、確かに聞こえた気がした。

月夜 2010年07月04日 (日) 01時44分(206)
題名:Funny & Sunny Day(第三章)

……とまぁ、そんなことがあって、俺はしばらくオチていたらしい。
その間に、都古ちゃんが二人にちゃんと説明してくれていたようで、俺が次に目を覚ました時、二人のこちらを見る目に叱責の色はなかった。
事の発端は、アルクェイドが俺に会おうと屋敷へ向かっていた途中、仲睦まじく歩く俺と都古ちゃんを見かけた時。
別にイチャイチャなんてしていたつもりは毛頭ないんだが、アルクェイドの目にはそう映ったらしい。
で、気になって後を尾けていると、そこに偶然先輩も通りがかり、あろうことか彼女までもが、俺と都古ちゃんの様子を見て、あらぬ想像に捕らわれてしまったとのことだ。
その後は……言うまでもないだろう。
怒り故か悲しみ故か、我を見失ったアルクェイドが、家の窓ガラスを割ってダイナミックに不法侵入。
いつもならストッパー役の先輩だが、今回ばかりは彼女も冷静さを欠いていたようだ。
アルクェイドの行為を止めるどころか、その後に続くというありさま。
そこからは、俺も知っての通りだ。
「……にしても、何で揃いも揃って俺にロリコン疑惑を抱くかなぁ……」
まだちょっと痛む首筋を擦りながら、俺は不満の色を全面にそう呟いた。
「だって、志貴に妹が二人もいるとか、私聞いてなかったもん」
「私も、遠野君に秋葉さん以外の兄妹がいたとは、初耳です」
しかし、二人揃って反応は同じ。
別に、これといって悪びれる様子もなく、ただ意外そうにそう呟くだけだった。
アルクェイドが超が付くくらいの世間知らずなことは前から知っていたが、先輩も大概常識外れ甚だしいようだ。
いや、自覚症状が無い分、下手をすると先輩の方が質が悪いかもしれない。
これは、少々先輩を見る目を改めた方が良さそうだな。
内心密かに呟きながら、言葉を繋げる。
「いや、だったとしても、小さな女の子と肩を並べて歩いてただけで、いきなりロリコン呼ばわりは、いくらなんでもあんまりですよ」
「ですが、人気の無い一軒家に、あんな小さな女の子を連れ込んでるところを見れば、誰だって少なからずそういう想像はするものでしょう」
「そうそう。もし間違いが起きた後だったら手遅れだもの。何か起きる前に、未然に防ぐのが一番効果的な犯罪の抑止法なのよ」
……何気に言うことが酷い。
これじゃあ、俺は完全にただの性犯罪者扱いじゃないか。
「とは言え、いきなり窓ガラスぶち割って他人様の家に不法侵入した上、遠野君の意見完全無視で無理やり絞め落とすだなんて、野蛮横暴この上ない行為であることは確かですけどね」
「何言ってんのよ。あんただって、そのぶち割れた窓ガラスの跡から、おんなじように上がり込んだくせに」
「そ、それは……って、そんなことは関係ないでしょう! 私が言いたいのは、貴女が相変わらず無茶苦茶なことを……」
「何よ! あんたこそ、“遠野君を犯罪者にするわけにはいきません……!”とか言って、黒鍵握ってたじゃない!」
「それは、いざとなったらいつでも直ぐに乗り込めるようにという心構えです! 私は貴女のような……」
「ほ〜ら、あんただって私と似たようなもんじゃないの! 自分のこと棚に上げて、私に責任押し付けようとか姑息なマネしてんじゃないわよ!」
「私にも喋らせなさい! 大体貴方という人はですね……」
「……はぁ」
もう、俺は何も言わなかった。
何を言ったところで、この二人には通ずるまい。
ましてや、この状況だ。
通じる通じない以前に、耳にすら届かないに違いない。
「お兄ちゃ〜ん! ちょっと来て〜!」
「ん?」
溜め池混じりに肩を落としていると、どこからか都古ちゃんの俺を呼ぶ声が聞こえてきた。
声を荒げて激論を繰り広げるアルクェイドと先輩をよそに、俺は床に手を突いて立ち上がると、その声のした方へと赴いた。
居間を出て、周囲を見渡す。
すると、ガラクタまみれの狭い部屋の中に、上体だけを乗り入れている体勢の彼女の後ろ姿が見えた。
「都古ちゃん、どうしたの?」
そちらへと歩み寄りながら、その後ろ姿に声をかける。
「あ、お兄ちゃん」
一旦作業を止め、体勢を元に戻してこちらを振り返る都古ちゃん。
「こんなところで、何をしてるの?」
俺は首を傾げて問いかけた。
確か、ここは物置代わりに使っていた部屋だった気がする。
まぁ、この狭さでは部屋というより、ちょっとした空間と表現した方が良いかもしれない。
「ちょっと出したいのがあるんだ。でも、その上にごちゃごちゃ色んなモノが重なってて、あたし一人じゃ出せそうにないの」
「なるほど。だから俺を呼んだってわけか」
「そういうこと〜♪ お兄ちゃん、お願いしてもいい?」
都古ちゃんがこちらを見上げながら、片目を瞑って手を合わせる。
「……!」
その仕草の可愛さに、思わずドキッとする。
誰がやっても可愛いのだろうが、都古ちゃんがやると尚更愛しく感じられるようだった。

――同じ妹でも、秋葉とはえらい違いだな。

などと、もし本人に聞かれでもしたら、なんと言われるか分からないことを考えてみる。
そのついでに、秋葉が同じことをしたらどうなるか、ちょっと想像してみる。
いつもきついあの秋葉が、俺を上目遣いに見上げながら、両の手のひらを合わせて、可愛らしい声で、

“兄さん、お願い”

「……」
……何だか、ものすごく良い感じじゃないか……?
ちょっと待て、秋葉よ!
そのギャップは反則だろう!?
唐突にそんなことされたら、さすがの兄さんも理性を保てる自信がないぞ!?

“……お願い”

だぁーっ!
待て!
とりあえず待つんだ秋葉!
お願いってなんだよ!?
お前は、そんな火照った目で俺に何を望んでるんだ!?

“……兄さん……”

「お、落ち着け……落ち着くんだ秋葉……」
「……お兄ちゃん?」
「俺とお前は兄妹……こ、こんなこと……」
「おーにーいーちゃーんー!?」
「うぉっ!?」
突然、直ぐ近くから上がった声に鼓膜を貫かれ、はっと我に帰る。
「さっきから一人でウンウン唸って、どうしたの?」
「い、いや、何でもないよ。うん、お兄ちゃんは平気だ。問題ない」
「? 変なお兄ちゃん」
まるで己に言い聞かすように、しきりに頷きながらそう呟く俺を、都古ちゃんが不思議そうな目で見上げる。
い、いかんいかん……危うく、危ない妄想に捕らわるところだった。
例え妄想の中とは言え、兄妹の一線を越えてしまうようなことをしでかすわけにはいかない。
自制心で心を満たせ、俺!
「ねぇ〜、お兄ちゃ〜ん。手伝ってくれないの〜?」
そんな感じで、悶々と己が欲望と戦っていると、不意にそんな声が聞こえてきた。
知らず知らずの内に伏せていた視線を持ち上げ、その音源へと目を向ける。
するとそこには、ムスッと頬を膨らませてこちらを見つめる、都古ちゃんの不機嫌そうな表情があった。
「あぁ、ごめんごめん」
慌てて彼女の元へ駆け寄る。
「で、何をしたら良いのかな?」
「えっとね、ここを持ち上げながら、ここが崩れないよう支えてて」
「ん……なかなか難しいな。ちょっと待ってて……っしょっと」
両腕を大きく広げ、指示された場所に力を加える。
下部を少し持ち上げただけで、すぐに上部のバランスが崩れそうになるので、なかなか力の配分が難しい。
それに何より、体勢が悪いせいで上手く力を込められず、結構苦しかった。
「み、都古ちゃん……まだかい?」
「もうちょっと〜……よしっ、取れたっ!」
そう言って、乗り出していた上体を戻す都古ちゃんの姿が、視界の隅僅かに映る。
それを確認してから、俺は積み重なったガラクタが崩れないよう、そっと手を離した。
「お兄ちゃん、ありがとう!」
こちらへと向けられる満面の笑顔。
やはり、何度見ても心が暖かくなる。
「どういたしまして。ところで、何を探してたんだい?」
「えへへ〜……これ♪」
「……人生ゲーム?」
笑顔の都古ちゃんが、嬉しそうに両手で抱き抱えるのは、埃を被って色褪せたボードゲームだった。
確か昔、都古ちゃんがもう少し小さかった頃、何度かおじさんおばさんを交えて遊んだ記憶がある。
「せっかくお兄ちゃんが帰ってきて、お兄ちゃんのお友達も来てくれてるんだし、何かして遊びたいな〜って思ったの」
「あ〜……それは……」
そんな都古ちゃんの言葉に、俺は苦笑いを浮かべながら頬を掻いた。
壁越しに、未だ言い合っているであろう二人の方へと目をやる。
あの二人が、仲良くゲームなんてしてくれるはず……

「何言ってんのよ! 人気なら私のが高いに決まってんでしょ! 正ヒロイン舐めてんじゃないわよこの尻だけ女!」
「貴女こそ、その正ヒロインという肩書きだけで人気を集めてるハリボテヒロインのくせに! あんまり頭に乗るんじゃありませんこのアーパー吸血鬼!」

……ないよなぁ、やっぱ。
でも、都古ちゃんのこの楽しみな顔を見ちゃあ、止めといた方が良いとは言えないし……。
「どうしたの? お兄ちゃん」
「え、あ、いや、あはは……」
あ〜、どうしよう……。
何とかして、あの二人に静かにゲームを楽しませる方法はないだろうか。
俺が頼み込んだところで、そんな効果があるとは思えないし……。
「それじゃ、早く戻ろっ♪」
「う、うん……」
嬉々として俺の腕を引く都古ちゃんに連れられながら、俺はいかにしてあの二人を大人しくさせるか、必死に模索するのだった。

月夜 2010年07月04日 (日) 01時45分(207)
題名:Funny & Sunny Day(第四章)

「むむぅ……」
「ぬぬぅ……」
お互いに同じ一点を睨み据えながら、真剣な表情で唸り声を上げるアルクェイドと先輩。
その鋭利な眼差しはさながら研ぎ澄まされた白刃の如く。
油断や隙といった類の緩みは、微塵と感じられなかった。
そんな目で二人が見つめる先は、1〜10の数字が書かれた丸い円上のルーレット。
その回転部には、今は先輩の指先が添えられている。
周囲を満たす、一種独特の張り詰めつつもそこはかとなく間抜けな無言の空間。
それを切り裂いたのは、先輩の気迫に満ちた声だった。
「……ここです!」
そう叫び、ルーレットを勢い良く回転させる。

――カチカチカチカチッ!

目まぐるしい速度で回転するルーレット。

――カチカチカチ……。

それは徐々に勢いを失い、そして、

――……カチ。

止まる。
「くっ……」
その示される先の数字を見て、思わず苦悶の声を上げる先輩。
「ふふん。残念だったわね、シエル」
そんな先輩の姿を見下すかのように、口元に嫌味な笑みを浮かべるアルクェイド。
「……はぁ」
そんな二人を見つめ、溜め息と共に落ちる肩は、失望混じりではあるものの、それより諦観の念を色濃く孕んでいた。
ゲームを始めた時から、二人共ずっとこんな調子だ。
始める前に、都古ちゃんが楽しみにしてるから、仲良くやってくれとは頼んだのだが……やはりと言うべきか、無理だったようだ。
まぁ、ある意味予想通りなんだけど。
しかし、それにしても予想外だったのは……
「あははっ! ついてないね〜」
そんな二人の険しいやり取りを見ながら、都古ちゃんはとても楽しそうに大笑いしていた。
そう。
こんな騒がしい中でも、都古ちゃんは心からゲームを楽しんでいるようだった。
これほどまでに、互いに敵視し合っている二人がいるというのに、だ。
「あはは……つ、次はこうはいきませんからね?」
「ふっふっふ……いいわ、好きなだけかかってきなさい。さて、次は私の番ね。それっ!」
「わ〜! アルクすご〜い! もっとお金持ちになっちゃった!」
「これが私の実力よ。どう? そろそろ降参かしら?」
「ぬうぅ……」
「なんの、まだまだだよ。まだゴールまでは長いんだから、勝負は分からないよ!」
「そ、そうです! 都古ちゃんの言う通り、勝負はまだまだこれからです! せいぜい首を洗って待ってなさい!」
……いや、もうそうでもないか。
確かに、最初はピリピリした空気で始まったゲームだったが、いつの間にか場は和やかな雰囲気に満たされていた。
それもこれも、きっと都古ちゃんのおかげだろう。
都古ちゃんの朗らかで無邪気な笑顔の前で、怒りや憎しみを抱いていられるはずがない。
そう思えるほど、その笑顔はどこまでも純粋無垢だった。
このまま……最後まで平和なまま、ゲームを終えれますように……。
「次はお兄ちゃんの番だよ〜♪」
「あ、うん。よ〜し、いくぞ〜!」
そう切に祈りながら、俺は思い切りルーレットを回した。


そんな俺の願いが珍しく届いたのか、些細な言い合い程度の衝突以上に二人の対立が発展することはなく、穏やかな空気を保ったまま、ゲームは終盤に差し掛かる。
当初こそ、楽しむことは疎か、二人の一挙一動に戦々恐々と神経を張り詰めていたものの、いつしかそんなことは忘れ、俺自身も純粋にゲームを楽しんでいた。
良かった。
何事もなく終われそうだな。
……そう、思っていた。
「よ〜し、これで……ゴール!」
皆から遅れること数巡。
俺はようやくゴールまでコマを進めることができた。
「志貴遅〜い」
「仕方ないだろ。普通に行ったら負け確定なんだから、少しでも遠回りしてかないと」
「でも、結局意味なかったね、お兄ちゃん」
「う……」
思わず口ごもる。
例え一着でゴール出来たとしても、確実に負けてしまう程圧倒的なまでに不利な状況に立たされた俺は、遠回りして巻き返しを図るギャンブルに出たのだ。
だが、その結果は……まぁ、都古ちゃんの言う通りだ。
ギャンブルに出たというのに、まるで何事も起きず。
ただ平凡なまま進み、ちょっと金が増えただけで、何もいいところなく4着でフィニッシュ。
遅れた数巡を無為に過ごすのみという、何ともつまらない結果に終わってしまった。
「でも、どっかの誰かさんよりは全然マシなんじゃない? ね〜、シエル♪」
「……」
嫌味全開のアルクェイドのわざとらしい問いかけに対し、先輩はうつ向いたまま無言。
いや、こちらからでは前髪で隠れて良く見えないから、本当のところはどうか分からなかった。
もしかしたら、視殺せんばかりの吊り上がった眼差しで、アルクェイドを睨みつけているのかもしれない。
「せ、先輩……げ、元気出して下さいよ〜。あ、あはは……」
「そ、そうだよ! たまたま、今回が散々だっただけだよ!」
乾いた笑いを浮かべる俺と、なんとか元気付けようと明るく話しかける都古ちゃん。
「……えぇ」
そんな俺たちに対しても、無言ではなかったものの、心ここに在らずといった感じの暗く沈みきった声による、そっけない返事しかなかった。
うわ〜……こりゃ重症だなぁ。
内心密かに呟く。
シエル先輩もまた、かなり不運続きのまま終盤戦に突入し、このまま普通に行ったのでは逆転は厳しいと判断したのか、俺と同じように遠回りのルートを選択したのだ。
だが、これが本日最大級の不幸の始まりだったわけで……。
夫に離婚を強要されたのを引き金とし、裁判に負けて大量の慰謝料を請求されるわ、オーナーだった会社が経営不振で倒産するわ、雇っていたメイドには金を持って夜逃げされるわ、精神的に弱った所を結婚詐欺で騙されるわで、挙げ句、借金のカタに家までも抵当に押さえられ、まさに無一文のホームレス状態。
……いくらゲームの中とはいえ、これは酷い。
波乱も刺激も全てが著しくマイナス方向。
もしこれが現実世界での出来事だったなら、自殺一歩手前だ。
「でも、裏目もここまでいくと神憑り的よね。まぁ、貴女にはお似合いの末路だと思うけど」
「……なんですって?」
刹那、死んだ魚のようだったその目に、怒りの光が宿る。
「あら、違う? 離婚されたり、あっさり結婚詐欺で騙されたりなんて、他人事に思えないんじゃない? 私なんて、最速結婚の子沢山な円満家庭で且つ大富豪だし〜♪」
「……」
おいおい……なんだこの不穏過ぎる空気は。
ついさっきまでの和やかな雰囲気が、まるで嘘のよう。
口の端を歪めて挑発するかのような勝ち誇った笑みを浮かべるアルクェイドを、冷たい眼差しで睨み返す先輩。
「ゲームの中とは言え、シエルには相応しい行く末だったわ。ま、ゲームの中で良かったわね?」
「……人が黙ってれば、好き放題言ってくれますね」
そう言って、揺らめくロウソクの炎のように、ゆらりと立ち上がる先輩。
「あら、やる気? 私は別にどっちでも構わないけど」
そんな先輩に呼応して、アルクェイドもその場にすくっと立ち上がった。
「ちょ、ちょっと二人共……」
「志貴は黙ってて!」
「遠野君は黙ってて下さい!」
「あ、えと、その……」
二人分の険しい剣幕を一身に受け、俺は縮こまることしかできなかった。
あぁ、なんてこった……。
今日こそは、平穏無事に終わってくれると思ってたのに……。
最後の最後で、こんな展開ありかよ。
「さ、シエル。ちょっと表出なさい」
「上等です」
そんな俺の嘆きをよそに、互いに睨みを利かせたまま、玄関の方へと歩みを進める。
あぁ、もうダメだ。
また、いつもと同じパターン。
こうなってしまったら、もう俺に出来ることなんて、せいぜいこの家に被害が出ないよう祈るくらいのものだ。
がっくりと項垂れ、テーブルに突っ伏す。
「……ん?」
と、そんな折、不意に耳に届いたアルクェイドの訝しげな声。
その時、俺はあることに気付いた。
あれ?
都古ちゃんは、どこ行ったんだろう?
そう思い、突っ伏した顔を持ち上げ、後ろを振り返る。
そこに見えた光景に俺は目を疑った。
「ケンカはダメだよ!」
そう言って二人の前に、両手を広げて立ち塞がるのは、真剣な表情をした都古ちゃんだった。
「ゲームはゲームなんだから、楽しくやらないと!」
思わぬ出来事に、目を丸くする二人。
それは、俺とて同じことだった。
「あ〜、え、えっと……」
「……」
バツが悪そうに、頬を掻きながらあらぬ方角へと目線を逸らすアルクェイドと、都古ちゃんの視線を真っ直ぐに見つめ返す先輩。
しばらくの沈黙の後、先輩はゆっくりとその場に屈み込むと、
「……そうですね」
と言って、都古ちゃんの頭にそっと手を乗せた。
「都古ちゃんの言う通りです。楽しんでやるべきゲームで、ケンカをしてしまうだなんて、言語道断。あってはならないことですよね。ごめんね、都古ちゃん」
そう語りながら、優しく都古ちゃんの頭を撫でる先輩の口元は、いつしか柔和な微笑みでやわらんでいた。
「……」
横目で、先輩がちらっとアルクェイドを流し見る。
「う……わ、私も、ごめん」
その意図するところを理解し、アルクェイドも渋々ながら謝罪の言葉を口にする。
「うん! いいよ!」
そんな二人の反省した態度に、都古ちゃんの引き締まっていた表情も緩み、それは直ぐに彼女らしいにこやかな笑顔を形作った。
「それじゃ、今から二回戦、始めるよ〜!」
「見てなさい! 今度こそ、貴女に苦汁を飲ませてあげます!」
「望むところよ! かかってきなさい!」
騒がしく言い合いながら、再び席に着く間、口にする言葉も、浮かべる表情も全てが三者三様。
だが、その根源にある感情は、皆同じように見えた。
そんな光景を見ながら、俺はただ呆気に取られていた。
まさか、あの状況になった二人を、ああも容易く懐柔してしまうとは……都古ちゃん、あんたすげぇよ……。
「それじゃ、第2回戦、行ってみよ〜!」
満面の笑顔で、握り拳を天へと突き上げる都古ちゃんに向かって、俺は心の中で感嘆の呟きを漏らしていた。

月夜 2010年07月04日 (日) 01時46分(208)
題名:Funny & Sunny Day(第五章)

「ふぅ……」
ホッと一息付きながら、俺は床の上に寝転がった。
あの後、もう二回ほど再戦したのだが、結局先輩がアルクェイドより上位に立つことはなかった。
しかし、都古ちゃんの身を呈した言葉が効いたのか、二人の間に険悪な空気が流れることはなく。
今度こそ、終始和やかな雰囲気を保ったまま、楽しい時間を過ごすことができた。
しばらくして夕飯時になると、

“さすがに夕飯まで厄介になるわけにはいきません”

と言って、尚も空気を読まず居座り続けようとするアルクェイドの首根っこをひっ掴み、半ば引きずるようにして先輩はこの場を後にした。
なので、今この家に居るのは、当初の予定通り俺と都古ちゃんの二人だけだ。
ちなみに都古ちゃんは今、台所で夕飯の後片付けをしてくれている。
手伝おうかとも言ったのだが、

“お兄ちゃんはあっちでゆっくりしてて。あたしだって、これくらい一人で出来るんだから♪”

と、どこか嬉しそうな笑顔を浮かべながら背を押されたので、その言葉に甘えることにし、今俺は居間で寝そべっているというわけだ。

――ピーッ、ピーッ。

と、不意に台所の方から、洗い物をする水音に混じって、何やら聞き覚えのある電子音が耳に届いてきた。
「あ、お兄ちゃん。お風呂、先入ってていいよ」
都古ちゃんのその言葉で、俺はさっきの音が、風呂が沸いたことを示すものだったことを思い出した。
「ん、分かった」
台所から顔だけを覗かせる都古ちゃんに笑顔で返事をし、軽く反動をつけて立ち上がると、荷物の中から替えの下着を取り出し、風呂場兼洗面所へと向かった。
中へ入ってみると、足下にはバスマット、洗面台側にはバスタオルに、着替えを入れる用のカゴと、入浴準備は既に完了されていた。
何となく昔のイメージで幼いと思ってたけど……少し会わなかった間に、随分と大人っぽくなったんだなぁ。
何だか、嬉しいような、それでいて寂しいような、複雑な気持ちだ。
脱ぎ捨てた衣類を洗濯カゴに放り投げ、俺は風呂場へ続く扉を開いた。
遠野の屋敷とは違って、こういう狭い風呂場は随分と久しぶりで、何だか懐かしかった。
浴槽の蓋を取り外し、湯の中へと身を沈める。
瞬間、全身に染み込む湯の暖かい感触。
「ふぅ〜……やっぱり風呂は落ち着くなぁ」
そんな染々とした呟きが、自然と溢れ、反響率の高い室内で良く響く。
あの二人の乱入のおかげで、当初予定していたものより一段と騒がしい一日になってしまったが、都古ちゃんは楽しんでいたようだし、今となっては逆に良かったかなとも思えた。
それにしても、あの歳でしっかり家事をこなしている辺り、都古ちゃんは立派だ。
芯も強くて素直だし、将来は良いお嫁さんになるだろうな。
そんなことを考えていた時だった。
「お兄ちゃ〜ん」
風呂場の外から、都古ちゃんの声がくぐもって聞こえてきた。
「お湯加減どう〜?」
「うん。ちょうど良いよ〜」
「良かった〜。それじゃあ……」
と、そこで一旦言葉を切ると、都古ちゃんの小さな影が、いそいそと動き始めた。
何をしているんだろう?
大分ぼやけていて、漠然と動いていることしか分からなかった。

――バン!

……だから、それが何の音で、一体何が起きたのか、一瞬理解できなかった。
「お兄ちゃ〜ん! 一緒に入ろ〜♪」
しかし、次いで聞こえてきた、今度は鮮明な都古ちゃんの声に、俺はようやく状況を把握した。
「う、うわああああああっ!?」
反射的に目元を覆い、視界を奪い尽くす。
「? どうしたの、お兄ちゃん?」
「ど、どうしたのじゃないよ! な、ななな、何してるんだ!?」
我ながら、動揺し過ぎだろとツッコミを入れたくなるくらいの狼狽えっぷりだ。
「何って……お兄ちゃんと一緒にお風呂入ろっかな〜って……」
「だーっ!! ダ、ダメダメ! そんなの絶対ダメだって!!」
「どうして?」
暗転した視界のまま、慌てて否定する俺とは対照的に、きょとんとして恥じらいの素振りも見せない都古ちゃん。
……いや、実は視界は暗転していない。
指と指の隙間から、しっかりと視界は確保できていたりする。
そして、そんな目線の先にあるのは、湯気で少し朧気な一糸纏わぬ都古ちゃんのあられもない姿。
見ただけでも分かるくらいにスベスベな肌は、色白でとてもキレイだった。
が、さすがにまだ、胸はあまり発育してないようだ。
秋葉と良い勝負……いや、もしかしたら僅かに都古ちゃんの方が上か?
……って、何を考えてるんだ俺はあああああああああああっ!!!
妹相手に、何邪な目を向けてるんだ!?
人の道を踏み外す気か、俺!?
落ち着け!
理性を保て!
自主規制だ、遠野志貴!!
「ねぇ、どうして一緒にお風呂入っちゃダメなの?」
「……はっ!」
直ぐ近くで上がった都古ちゃんの声に、意識が現を取り戻す。
「どうしてって……え、えっと……そ、そう! 男の人と女の人は、一緒にお風呂入っちゃダメなんだよ!」
「でも、お母さんは昔、お父さんと一緒に入ったことあるって言ってたよ?」
……おばさん、貴女、娘に何を話してるんですか?
あらぬ方へと視線を向け、この場にいないおばさんへとツッコミを入れる。
「え、えぇっとぉ……あ、そうそう! 結婚してないと、一緒に入っちゃダメなんだ!」
「そうなの? だけど、マンガとかだと普通に結婚してない男の人と女の人が入ってたりするよ?」
……都古ちゃん、貴女が普段どんなマンガを読んでいるのか、お兄ちゃんはとても気になります。
「と、とにかくダメなものはダメなの!!」
「ふ〜ん。でも、それなら結婚したら一緒に入っても良いってことだよね?」
「え……あ、えぇ、っとぉ……そ、そうなる、かな……」
「そっか。それじゃあ、残念だけどそれまでは我慢だね」
「……はい?」
それまでは我慢?
都古ちゃん、貴女が何を言わんとしているのか、お兄ちゃんにはさっぱりです。
……って言うか、さっぱりということにさせて下さい。
「あ、お兄ちゃん、邪魔してごめんね。ゆっくり暖まってて」
「え、あ、み、都古ちゃん! ちょっと待っ……」

――バタン。

俺の引き止めも虚しく、都古ちゃんの姿はもう閉ざされた扉の向こう側。
何だか、酷く不吉な解釈をされた気がしてならないが、もはやどうしようもなかった。
まさか、こちらから扉を開けて、自らの裸体を晒すような変態的行為などできようはずもない。
「……はぁ」
結局、俺にできることなど、今日何度目か分からない重い溜め息を付きながら、より一層浴槽内に身を沈めることしかなかったのだった。

月夜 2010年07月04日 (日) 01時47分(209)
題名:Funny & Sunny Day(第六章)

風呂から上がった俺は、妙な気恥ずかしさから、家中に響く大声でそのことだけを告げ、都古ちゃんと顔を合わせることなく寝室へと向かった。
布団の上に身を放り投げ、どこか懐かしい天井を見上げる。
それは懐かしいと言える程の時間ではなかったが、それでもやはり懐郷の念が胸の奥から込み上げてくる。
そういえば、遠野の屋敷に越して以来、寝るときはいつもベッドだったから、こういった布団の上に寝そべるのも随分と久しぶりだな。
ベッドと比べて、やはり背に若干固い感触があるけど、特に苦にはならない。
むしろ、この方が日本人って感じがして、何だか妙に落ち着く。
こうやって寝転がってると、それだけで気持ちが良い。
「……ふあぁ……」
自然と欠伸が漏れる。
……眠たい。
けど、まだ都古ちゃんにおやすみも言ってないし、このまま寝るわけにはいかない。
でも、このまま寝転がっていたら、いずれ眠ってしまう。
……起きなきゃ。
まだ……眠っちゃ……。

――――、
――――、――――――――

――ギシッ。

不意に、薄らんでいた意識の水面が、微かな音に波紋を起こす。
「ん……」
どうやら、いつの間にか寝入ってしまっていたようだ。
目頭を擦りながら、俺はゆっくりと上体を起こした。
だが、その先に見える景色は暗く、うっすらとしか視界を確保できない。
あれ?
おかしいな……俺、電気消したっけ?
「あ、お兄ちゃん、起こしちゃった?」
「都古ちゃん?」
声のした方に目を向けてみると、知らず知らずの内に慣れた夜目に、寝間着姿の都ちゃんが映った。
その瞬間、合点がいった。
電気を点けたまま寝てしまった俺の代わりに、都古ちゃんが消しにきてくれたようだ。
まったく……これじゃあどっちが歳上か、わかったもんじゃないな。
「お兄ちゃん、電気点けっ放しで寝てたから、消しに来てあげたんだよ」
やっぱりか。
洗い物といい、お風呂の準備といい、今回の件といい……今日は都古ちゃんのお世話になりっ放しだな。
「ありがとう。これじゃ、俺がお兄ちゃんじゃなくて、都古ちゃんがお姉ちゃんみたいだな」
「そんなことないよ。あたしのお兄ちゃんは、お兄ちゃんだけだもん」
「でもなぁ……今日は俺、何一つお兄ちゃんらしいこと、してあげられなかったし……」
「気にしてるの?」
「ん……そりゃ、ちょっとはね」
「それじゃあね〜。お兄ちゃんに、名誉挽回のチャンスを上げる♪」
「え? それってどういう……」
と、俺の言葉を遮るようにして、都古ちゃんはその場にしゃがむと、そのまま俺の布団の中に潜り込んできた。
「み、都古ちゃん!? な、何を……」
「……これも、ダメ?」
「あ……」
慌てて止めようとする俺を見上げる、悲しげに揺れる無垢な瞳。
その目を見て、俺は理解した。
都古ちゃんが、本当は寂しがっていることを。
電話口とかで話す時は、いつも気丈さを装っていたが、その実内心ではずっと寂しかったんだろう。
都古ちゃんにしてみれば、俺は小さい頃から当然のように居た身近な存在。
それが、つい最近になって急に居なくなってしまった。
口では何と言おうと、本心までは騙せない。
だからこそ、都古ちゃんは今日という日をこんなにも楽しみにしてくれていたのだろう。
そんな彼女の純粋な目を前に、無下な対応などできようはずがなかった。
「ねぇ……ダメ?」
「……良いよ。久しぶりに一緒に寝ようか」
「えへへ……ありがと、お兄ちゃん」
そう言うと、都古ちゃんはまるで抱き枕にするように、俺の体に抱きついてきた。
そんな彼女の為すがままに抱きつかれながら、俺は優しくその頭を撫でる。
「おやすみなさい……お兄ちゃん……」
「おやすみ、都古ちゃん……」
そのまま、彼女が寝付くその時まで、俺はずっと、愛しむようにその頭を撫で続けた。

月夜 2010年07月04日 (日) 01時48分(210)
題名:Funny & Sunny Day(第七章)

――トントントン……

「……ん」
遠くから聞こえてくる、まな板を叩く小気味の良い音で、目が覚めた。
寝惚け眼で枕元の時計に目をやる。
そこに示される時刻は、朝の7時。
うん、良い時間だな。
そう思い、俺はのそのそと起き上がると、眼鏡をかけながら荷物の元へと歩み寄った。
中から折り畳まれた制服を取り出すと、半分目を閉じたまま、慣れた手つきで着替えを済ませる。
よし。
これで準備は完了っと。
脱いだ服を適当に鞄の中に詰め込み、それを肩にかけると、俺は居間の方へと歩みを進めた。
「あ、おはよう! お兄ちゃん!」
襖を開き、居間へと足を踏み入れた俺を、台所からの都古ちゃんの元気な声が迎えてくれた。
「おはよう。都古ちゃんは早起きだね」
「だって、今日はお母さんいないんだもん。私が寝坊しちゃったら、朝ごはんなくなっちゃうよ?」
「あ〜、それは困るな。朝はちゃんと食べなきゃ、力出ないもんなぁ」
「でしょ? もうちょっとで出来るから、待っててね」
「あ、なんか手伝うよ」
「いいよ。お兄ちゃんは、居間でのんびりしてて」
「そうはいかないよ。昨日は洗い物から何から全部都古ちゃんに任せっきりだったからね。少しは俺にも手伝わせてくれよ」
「そう? じゃあ、お箸の用意して、ご飯よそっといてくれる?」
「よしきた」
俺は肩に提げていた鞄を放り捨て、台所へと向かった。
引き出しから箸を二組取り出し、それを片手に茶碗を2つ手に取る。
炊飯器を開けると、既にかき混ぜられた白いご飯が、ホクホクと白い湯気を上げていた。
「都古ちゃん、どれくらいいる?」
「ん〜、普通〜」
「一番困る量だな、それ」
「それじゃあ、お兄ちゃんにお任せ〜」
「はいはい」
都古ちゃんがいつも使っている赤い柄の茶碗に、適当な量のご飯をよそっていく。
「これくらいで良い?」
「えっと……うん、それくらい〜」
「よし。それじゃ、俺も……」
自分の茶碗にも適度によそうと、俺は茶碗と箸を両手に、一足先に居間へと戻った。
「もう手伝うことはない?」
「うん、もう大丈夫……あ、お兄ちゃん、お味噌汁持っていくの、手伝ってくれる?」
「いいよ」
おかずを運ぶ都古ちゃんとすれ違って再び台所へ戻ると、味噌汁の入った器を持って居間に運ぶ。
そして俺が席に着く頃には、朝食の準備は完了していた。
「それじゃ、いただきます」
「はい、召し上がれ〜♪」
テーブルの上に並べられた料理たち。
じゃこと大根おろしの和え物に、レタスときゅうりにプチトマトをトッピングしたサラダ、そしてネギたっぷりの味噌汁にご飯と、決して豪華ではなかったが、とても充実した朝食だった。
「これ、全部都古ちゃんが一人で作ったの?」
「そうだよ〜。どう? 美味しい?」
「うん。すごく美味しいよ」
「やった〜! ありがと、お兄ちゃん!」
そう言って、本当に嬉しそうに笑う都古ちゃん。
その笑顔を見ているだけで、こちらまで心が洗われるようだった。
……これからも、たまには帰ってこようかな。
そう思った。
朝食を食べている間中、都古ちゃんはずっと話していた。
学校のこと。
両親のこと。
友達のこと。
俺が居なくなってから、話したかったことの、余すことなく全てを。
しかし、楽しい時間というものは、総じて早く終わってしまうものだ。
朝食をキレイに平らげ終わる頃には、もう少しで家を出なければならないという時間になっていた。
「ふぅ……ごちそうさまでした」
「お粗末さまでした♪ それじゃ、後片付けしちゃうね」
「今日は俺がやるよ。昨日は都古ちゃんに何もかもやらせちゃったからな」
「え、でも……」
「いいからいいから。都古ちゃんは、今のうちに学校へ行く準備をしといで」
「……分かった。ありがとう、お兄ちゃん!」
空になった食器を台所まで運ぶと、都古ちゃんはドタドタと自分の部屋へ駆けて行った。
「さて、それじゃ、ちゃちゃっと片付けるか」
台所に立ち、俺は腕捲りをしてから、スポンジ片手に洗い物を始めた。
こうやって洗い物をするのも、有間の家を出て以来だから、かなり久しぶりな感じだ。
些細な事一つ一つに対し、無性に懐かしさを覚える。
しかし、もう直またこの家を後にしなければならない。
そう思うと、急に名残惜しさが胸を締め付けた。
だからと言って、逆にまたこちらで暮らすようになれば、きっと今度は遠野の屋敷が恋しくなったりもするんだろう。
秋葉たちが待ってくれている遠野の屋敷。
そして、都古ちゃんが待ってくれているこの家。
俺にとっては、そのどちらもが自分の帰るべき場所なんだ。
この家に着いてすぐにも思ったことだったが、何だかそのことを今、改めて理解したような気がした。
帰るべき場所が二つもあるだなんて、贅沢者だな、俺。
「お兄ちゃ〜ん! 洗い物終わった〜?」
玄関の方から聞こえてくる、都古ちゃんの声。
改めて時計に目を向けてみれば、そろそろ危ない時間だった。
「終わったよ〜! 今行く〜!」
スポンジを流し台の隅に置き、備え付けのタオルで手を拭いてから、俺は放り捨てていた鞄を肩に提げ、駆け足で玄関へと急いだ。
そこには、もう靴を履いて準備万端の都古ちゃんが立っていた。
ランドセル姿を見るのは、これまた随分と久しぶりだ。
「お待たせ。それじゃ、行こうか」
「う、うん……」
俺は急いで靴を履くと、つま先で地面を叩いて軽く履き心地を整え、玄関の扉を開いた。
空は、昨日と同じく快いまでの晴れ。
暖かい日射しに涼しげなそよ風が、今日という日の快適さを示してくれている。
「鍵閉めた?」
「うん」
「それじゃ、行こうか」
「……え?」
歩き始めた俺を見て、都古ちゃんが怪訝そうな表情を浮かべる。
「お兄ちゃん……こっち、お兄ちゃんの学校とは逆方向じゃ……」
「でも、都古ちゃんの学校はこっちだろ?」
「……」
俺の言葉に、都古ちゃんが目を丸くする。
だけど、その表情はまた、すぐにいつもの彼女らしいにこやかな笑顔に戻った。
「遅刻しちゃうよ?」
「高校生にもなると、少しくらい遅刻しても良いんだよ」
「いけないお兄ちゃんだね」
「でも、こんなとこでいつまでも立ち止まってたら、都古ちゃんもいけない子になっちゃうよ?」
「あたし、別にお兄ちゃんと一緒なら、少しくらいいけない子になってもいいもん」
「ダメダメ。ほら、行くよ、都古ちゃん」
「うん!」
朝の木漏れ日の下、俺たちは肩を並べて歩き始めた。
どちらからともなく、固く手を繋ぎ合わせて……。

月夜 2010年07月04日 (日) 01時48分(211)
題名:Funny & Sunny Day(あとがき)























妹より姉でしょ















第一声がいきなり月夜(廃オタ)の趣味な叫びでどうもすいません。

でも、皆さん妹より姉の方が良いですよ?
いや、ホント。
リアル妹とか、居ても鬱陶しいだけなんで(´・ω・`)

ってことを、この間とある友人と話してたら、


友:貴様は姉のウザさを知らないんだ。妹の方が良いに決まってる。


なんてことを言われました。
さすがに、これには私も黙っちゃいられない。
姉属性好きの私に対し、姉を侮辱するとは良い度胸しているじゃないか。

よろしい、ならば戦争だ

月:何言ってんだ! 生意気我が儘なだけの妹より、包容力があって優しい姉の方が良いに決まってるだろ!


そう言った俺に向かって、彼は疲弊しきった顔でこう言いました。

友:……お前、ある日いきなり「この人が今日からあんたの義兄さんになる人よ」って言われて

パラグアイ人

連れてこられて納得するか?
















゜ ゜( Д )


姉ナメてすいまえんでした;








さて、今作の反省をば。

今回はリクエストに答え、久しぶりにメルブラ二次の短編を作ってみました。
ほのぼのハートフルストーリーとしては、なかなかのほほんとした作品になったと思ってます。

……え?
都古のキャラ違う?

……気のせいでしょ。
ってか、原作通りのキャラ設定にしちゃ、会話すら成立しないもん。
脳内補完万歳ということでどうか一つ……(´・ω・`)

さて、それでは今回もこの辺で失礼させていただきませう。

この作品に対する感想等は「小説感想アンケート板」または「小説感想掲示板」、「月夜に吠えろ」の方まで、じゃんじゃんドゾー(´・ω・`)b


ここまでは、学校パソのワードの度重なるクラッシュにより、精神病んできてる月夜が、半泣きでレポートを作り上げながらお送りしました。







これでもう三度目なんですが、私は何か機械に恨まれるようなことをしたんでしょうか(´・ω・`)

月夜 2010年07月04日 (日) 01時50分(212)


Number
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