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こんにちわ ボリュームたっぷりのお返事ありがとうございます レスが遅くなってすみません 自分もちょっと時間をかけて考えていたもので
一番違和感を感じた回『敵、新たなり』 それについての筋道だった論議ができるのが とてもうれしいです なるほどそういう解釈が、と感心することしきりです でもそこはどうだろうか、と感じたところもあるので わたしなりの持論を述べ、返答にかえさせていただきます ?Tホメオスタシス?Uとか?Tプラグマティック?Uとかなんか わー、とか言って辞書引いてるような無教養者ですが おつきあいいただければ幸いです
?Tアグリッパにいいように誘導されて杜撰な〜?Uのあたりは 実際のところ、どうなんでしょう 状況から判断するに、地球帰還の計画そのものに アグリッパの工作が介入して杜撰なものになってしまった その可能性は大きいというか、多分そうですね アグリッパは表立っては反対派としての立場をとりながら あえて帰還を止めることはせず、地球へ追放および暗殺をしようとした その行動原理を知っていれば ディアナ自身の未熟さももちろんあるけど やはり帰還の杜撰さはアグリッパの工作による そう考えるのが自然だと思えますね でもやっぱりそこは推測でしかなく アニメを見ているかぎりでは そのへんの具体的な碓証を読み取るのは難しいので 論拠としては、少し弱いかと思います フィルやミランには?T粉をかけておいた程度?Uというのも 疑問が残るところです 私の感想(第三十一話『追撃!泣き虫ポゥ』)でも書きましたけど 私の見解では、ミランは最初からアグリッパと内通しており フィルはディアナへの信頼がぐらついたところを ミランにそそのかされたのだろう、というものです
フィルとミランがディアナをどうしようとしていたのかは やっぱり解釈が難しいですね 捕らえながら殺そうとはしなかったのは 私はディアナや上層部への忠誠というより 軍部のほとんどを占めるディアナ派への方便だったと考えています その後ミリシャがキエルをディアナとして立てて対抗してきちゃったので 結局ディアナはミリシャにさらわれたという事にせざるをえなかったですが ディアナがミリシャにいるにしてもソレイユにいるにしても 軍部にはディアナ存命(少なくとも自分達の手では殺していない)を強調している それに加えて注目すべきは、どちらがキエルでディアナかという事に それほど頓着していないところです どちらであろうと、ディアナの姿形をした者を月に送ろうとしていた このあたりから判断するに、?T指揮系統を一本化してこい?Uという ディアナへの期待という論は、首肯しがたいであります ディアナに統治者としての義務の遂行を期待しているのであれば キエルかどうかは厳重に調査するはずですから それどころか ミラン「月では、アグリッパ・メンテナーでもソレル家の力を排除できなかった」 フィル「本物のディアナが戻ってきたら?」 ミラン「キエル・ハイムとして処理すればよいだけの事」 という会話があるので、ディアナへの忠誠や期待は この時点では殆どないとみていいと思います 私のみたところ、フィルとミランが私利私欲ではなく ムーンレィスの民のために強行手段に出た点は間違いないところですが ディアナに対しては、利用しよう、という姿勢だったと思います キエルであろうと、ディアナの姿形でさえあれば利用することはできた ミドガルドが表立って動き、ジャンダルムも招聘している点で アグリッパの差し金であろうと思えるのですが そのアグリッパは、なんか、登場してから、ディアナがどうなったかって点には 無頓着ですねえ ハリーが連れてきて、初めて「ディアナ様をお連れしたのか」って驚いてるし 暗殺しようとしたのもアグリッパなら、連れ戻そうとしたのもアグリッパ 状況証拠から判断すればそう考えるのが順当だと思うんですが 殺そうとして連れ戻そうとするって、やっぱり矛盾してますよね アグリッパ自身の態度もディアナ暗殺もろもろに関しては不鮮明だし このへんは、途中で気が変わってやっぱりディアナは利用することにした そう思ってます 具体的にどう気が変わったかってのは語られてませんけど このあたりまでくると、まあ細かいことはいいやと思ってます それとも見落としてるところがまだあるのかしら
闘争本能、というのがアニメ中でのディアナやアグリッパの 議論の中心的な論拠となっていますが 論拠とするにはあまりに大雑把で漠然としていると思います 個人個人の、戦う理由というものにほとんど思考が回っていない 戦争の当事者にしてみれば、自分がやっていることが 本能の一言で片付けられてしまってはたまんないと思いますよ 戦うか否か、という最表層のレベルで延々議論が交わされていた、という印象です ?T弾力性のあるシステム?Uを構想した、というのは システムの構想自体は納得のいくものですが ディアナにそれが思い付ける器量があったかどうかは、私としては疑問です ほら、ディアナってけっこうトンチキだし キエルと服を変えて市民になりすましたり、呑気に洗濯とかしてたり 例えば曽我篤士版漫画のディアナならわかるけど アニメ版では、単に黒歴史に対するセンチメンタリズムで動いている気がしてしまいます 感情以上の思考ができていたものかどうか、怪しいなあ
でも指揮系統の一本化を期して あえて手を汚すことを選んだ、という御主張は 非常に、なるほどと思えます 自分も、その行動力の点ではディアナを評価できます 正しい事を言うのはたやすいし、その正しさというのもいくつもパターンがある パターンの違う正論がいくつも集まって 指揮系統が一本化できないまま内紛しながら統治するよりは ある程度間違っていようと、確固たる骨子の通った指揮系統で 計算された国政を為すほうがずっとマシだと私も思います アグリッパは気の毒ですが 事態の早期解決を第一義として、自分が手を汚したディアナの決断は (結果的に、ではあるにしろ)施政者として高く評価したいですね ?T手段の良し悪しではなく、その後の政治の良し悪しで計られなければならないと言える?U との御主張は、諸手を上げて賛同するところです アグリッパが間違っているかどうかというのは そもそも月のシステムやアグリッパの施政がどういうものかについて 正確な説明的描写が少なすぎるので、判断できない、というのが正直なところです 例えば福井晴敏版の小説であればアグリッパを論評できますが これはアニメ版の話ですから
ミドガルドに関しても、なるほどと思いました 月世界では緊急処刑が許されるほどの罪ですね、確かに そこまで考えは回ってなかった ディアナを排除すれば自分は罪に問われない、というのも キエルに対する「それでは自分が裁きを受けることになる」発言から 確かにそういう計算をしていただろうと考えられますね とはいえ、自己の保身があったとはいっても(それ自体は自然なことだし) 少なくとも表面上は月のために努力していたミドガルドが あそこまで一方的なコミュニケーションで片付けられてしまったのが やっぱり可哀想だなあ、と思うわけです
ディアナがあっさり受け入れられたのは 単に、利害が一致したからだと思います ミリシャではなくギンガナム隊という相手の違いがあるとはいえ 強攻策に出ることができるという面を初めて見せたディアナを ミランもフィルも見直して、とりあえず再びの忠誠を誓った というか、つまんない結論ですけど あそこにはディアナカウンター軍がずらりと並んでいた、てのが 一番大きいと思いますよ あそこでフィルやミランがことさら反抗しても 命令ひとつで軍はディアナにつき、フィル達が孤立するのは明らかですから 現実的に考えれば、あの場では従いつつ(実際見直してもいるし) もし後からまた食い違いが生まれれば前にやったように あらためて処理を講じればいい、そのような感覚だったのだろうと思いますね なんであれ、あのあたりは 解釈次第でどのようにも納得することはできるシーンです でもあまりに読者の解釈まかせな感じがして もう少しばかりディアナとフィル達のやりとりを描写して 具体的に、ある程度は確執の決着を描いてほしかったなと思ってます
私の持論はこんなところです また御返事があれば、改めて返答させていただきます ああしかし、楽しいです、こういうのって
それでは失礼いたします
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