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[1764]The TARO Singers 第13回東京演奏会「神の業・聖母の愛」に行ってまいりました。 投稿者:どくたーT@管理人

投稿日:2011年07月19日 (火) 22時23分

鑑賞日:2011年7月18日
入場料:4000円 全席自由

アカペラ混声合唱団
The TARO Singers
第13回東京演奏会
「神の業・聖母の愛」

会場:津田ホール

指揮:里井宏次
合唱:The TARO Singers

プログラム

G.アレグリ「我を憐れみたまえ」(Miserere mei, Deus)
D.スカルラッティ「スターバト・マーテル」(Starbat.Mater)(上塚憲一(vc)/堀江光一(org))
休憩
F.メンデルスゾーン=バルトレッティ「三つの詩篇 作品78」(Drei Psalmen Op.78)
F.プーランク「悔悟の時のための4つのモテット」(Quatre motetus pour un temps de penitence)
アンコール
F.プーランク「サルベ・レジーナ」
文部省唱歌「故郷」

感想

The TARO Singersは、アカペラ合唱曲を専門に歌う合唱団として、その存在感を示しています。私が彼らを知ったのは、「武満徹 Songs うた」というCDを購入してです。本当にすばらしい合唱で、そのレベルの高さに感動しました。

合唱は子供のときから大好きで、児童合唱団で歌っていたこともあります。それだけに、アカペラで上手に歌える合唱団が、どんなにすごいか、というのは実感としてわかります。逆に申し上げれば、アカペラで難しい合唱曲を歌える合唱団は稀有な存在と申し上げてよいでしょう。

TAROシンガーズは、アカペラ合唱団のプロですから、当然すばらしい演奏を期待されます。それを表現するために、第13回になる東京演奏会では、17世紀、18世紀、19世紀、20世紀の宗教的アカペラ合唱曲を一曲ずつ取り上げるというプログラムでそれに答えました。

ちなみに、私は、今回演奏された作品を一度も聴いたことがありません。でも、みな、宗教的感興の大きな名曲です。このように4世紀にわたるそれぞれの音楽的特徴を示した宗教曲でコンサートを企画できるところが、ヨーロッパの本当の宗教的土壌を感じます。

アレグリのミゼレーレは、地上と天上の相聞の形で書かれた二重合唱曲。天上を受け持った、女声3人と男声一人のアンサンブルが見事。特にソプラノソロの澄んだ高音は実に見事なものでした。

スカルラッティの「スターバト・マーテル」は典型的ポリフォニー音楽。さすがのTAROといえども完璧とはいえませんでしたが、10声の二重合唱と通奏低音のみの伴奏による音楽は、人の声の豊穣さを見事に感じさせるものでした。

メンデルスゾーンの「三つの詩篇」。独唱と二重合唱によるホモホニックな感興。すばらしいものだと思います。

最後がプーランクの宗教音楽。プーランクは自分自身で、「わたし自身の最良の部分、何よりも本来の自分に属するものをそこに注ぎ込んだつもりです。(略)わたしが何か新しいものをもたらしたとするならば、それはまさにこの分野の仕事ではないかと思います」といっているだけのことはあって、不安の中にも神への親愛を感じられる音楽。
音楽としてのまとまりの点では、一番よかったかもしれません。

全体でいえば、細かいミスもあり、必ずしも最良の演奏ではなかったと思いますが、それにしてもこれだけの難曲をよくここまで歌えるものだ、と率直に寒心いたしました。

[1762]祝・11周年! 投稿者:一静庵

投稿日:2011年07月17日 (日) 01時00分

おめでとうございます。
パソコン復活でいらっしゃいましょうか?
「どくたーTの音文協奏曲」11周年おめでとうございます。
着実に進められていらして、素晴らしいです。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

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[1763]ありがとうございます投稿者:どくたーT@管理人
投稿日:2011年07月18日 (月) 11時57分
これもひとえに、一静庵様をはじめとする、ご覧くださっている方のおかげです。

深く感謝します。

パソコンはようやく修理から戻ってきました。3週間かかりました。2年前に購入したマシンですが、今回電源ユニット、マザーボード、光学ドライブが交換でした。

延長保証に入っていたので、無償でしたが、二年でここまで壊れるというのは、如何かなとは思います。
ファイル類が壊れていなかったのは、幸いでした。

[1761]東京オペラプロデュース「ブリーカー街の聖女」を聴いてまいりました。 投稿者:どくたーT@管理人

投稿日:2011年07月09日 (土) 23時49分

2011年7月9日
B席6000円 2F2列29番

平成23年度文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)
主催:東京オペラ・プロデュース
協力:(財)新国立劇場運営財団

東京オペラ・プロデュース 第88回定期公演

メノッティ生誕100年記念

オペラ3幕 字幕付原語(英語)上演
メノッティ作曲「ブリーカー街の聖女」“The Saint of Bleecker Street”
台本:ジャン・カルロ・メノッティ

原語歌唱による日本初演

会場:新国立劇場中劇場

スタッフ
指揮:飯坂 純
オーケストラ:東京オペラ・フィルハーモニック管弦楽団
合唱:東京オペラ・プロデュース合唱団
合唱指揮:伊佐治 邦治/中橋 健太郎左衛門

演出:八木 清市
美術:土屋 茂昭
衣装:清水 崇子
照明:稲垣 良治
ヘア・メイク:星野 安子
舞台監督:佐川 明紀
プロデューサー:竹中 史子

キャスト
アンニーナ:橋爪 ゆか
ミケーレ:羽山 晃生
ドン・マルコ:工藤 博
デジデーリア:田辺いずみ
マリア・コローナ:小野さおり
カルメーラ:鈴木 彩
サルヴァトーレ:藤山 仁志
アッスンタ:丸山奈津美
若い男/修道僧:藤原 海考
若い女/修道女:前坂 美希
バリトン歌手/修道僧:秋本 健
ゲスト:西垣 俊紘
バーテンダー:麻野 玄蔵
コンチェッティーナ:小口 あずさ
マリア・コローナの息子:家入 嘉数馬
スピリッツ:石居 佑月

感想−感情移入のやり方− 東京オペラ・プロデュース「ブリーカー街の聖女」を聴く

恥ずかしながら、メノッティのオペラをこれまで一度も実演で聴いたことがありません。「アマールと夜の訪問者」や「電話」は小さいオペラ団体が時々取り上げるので、それほど珍しいものではないのですが、大掛かりにやられることがないので、なかなか上演の情報を見つけにくいということがあります。また、私のオペラの趣味がいわゆる「ベルカントオペラ」に偏っていて、そんな室内オペラを見に行くぐらいなら、ロッシーニやヴェルディを聴きに行けばいいや、と思っている部分がある。そんなわけで、メノッティとは縁が薄い。

でも、メノッティと縁の薄い日本人オペラ好きは私だけではないようです。

ちなみに、メノッティは生涯26曲のオペラを作曲しているそうですが、そのうち、日本で紹介されているのは、1950年以前に作曲された作品がほとんどで、それ以降に作曲された作品では、「助けて、助けて、宇宙人がやってきた」(1968)ぐらいです。ちなみに、メノッティは1951年以降に19曲のオペラを作曲し、最後のオペラ作品は1993年の「歌う子供」という作品なのだそうですが、私は全く知りませんでした。

今回上演された「ブリーカー街の聖女」は、メノッティの8作目1954年12月に初演されたオペラ作品で、米国では、彼の代表作と目されているそうです。ちなみに、そのことも私は知りませんでした。こういう隠れた名作を上演するのが、東京オペラプロデュースの真骨頂で、大変ありがたいことです。

ちなみに「ブリーカー街」はニューヨークのイタリア人移民街のようです。メノッティ自身がイタリア生まれの移民で、1928年に米国に移住したということが、この作品を作曲した背景にあることは疑いないことです。貧しい移民街で奇跡を期待する貧民たちに対し、期せずして奇跡のようなことを起こしてしまう聖女アンニーナと、その兄で、妹の信心を全否定する唯物論者のミケーレが、対立軸となって動きます。これは、日本とは違って、宗教心の厚い米国では、近代の相克として抜き差しならぬ問題だったことがあると思われます。

導かれる音は、ブロードウェイ・ミュージカルのようなサウンドもありますが、そこまでアメリカっぽくはなく、プッチーニ風のイタリアオペラっぽいところもありますが、そこも徹底していない。そういうどっちつかずのようなところが、メノッティらしいということかも知れません。

メノッティは、最終的には宗教心に思いを寄せて、アンニーナは死によって神のそばに向かうことを許したのに対し、神を否定したミケーレに対して孤独を当てるという形で解決策を示しています。そういう宗教性の強い作品だけあって、賛美歌の合唱がまず魅力的です。合唱は、東京オペラ・プロデュース合唱団の23人の男女および一部のソリストが参画していましたが、アカペラの合唱の美しさ、特に倍音の響きが素晴らしかったと思います。

歌手陣では、まず主役の「アンニーナ」を歌った橋爪ゆかが素晴らしい。ほとんど出ずっぱりの役柄ですが、最後まできっちりした歌唱が魅力的でした。特に第一幕の長大なアリア「ああ、イエス様、この苦痛から私を救いたまえ」が秀逸。一幕二場のカルメーラとの二重唱や一幕ラストのミケーレとの二重唱もよかったです。役柄をよく考えた歌唱で、全体に落ち着いた密度のある歌唱でした。高音の伸びも低音の広がりも素敵で、大変感心いたしました。

ミケーレの羽山晃生も立派。美声テノールではない方ですが、それだけに表現が多彩で魅力的です。声の持つ基本的な力量が高い方で、その点に関しては、今回の出演者随一と申し上げてよいでしょう。演技の基本的な緊迫感もよかったと思います。ただ、惜しむらくは、演出の指示だったのか、妙なオーバーアクションがいくつも見られて、そこは、そんな演技をする場所じゃないだろうと申し上げたくなる部分がいくつもありました。

ドン・マルコの工藤博。さすがにベテランの魅力です。ただ、前半は声のつやが今ひとつ乏しい感じでした。後半はかなり持ち直していました。

デジデーリアの田辺いずみ。よかったです。今回の上演の歌唱・演技を総合して、私は田辺に一番共感を覚えました。第二幕のミケーレに殺されるまでの緊迫した歌唱は、大変立派だったと思います。

そのほかの歌手では、アンスッタ役の丸山奈津美がよく、カルメーラ役の鈴木彩もがんばっていました。

ひとつ難を申し上げれば、英語がよく聞こえなかった方が多かったこと。メノッティは英語のイントネーションにあわせて作曲していると思うのですが、語尾が聞こえなかったり、アクセントのつけ方がおかしくて何を言っているのか理解できなかったりした部分がいくつもありました。

オーケストラの演奏は、金管にミスが目立った感じでしたが、指揮の飯坂純はがんばっていたと思います。

八木清一の演出は、回り舞台をうまく使って、合唱などの群集の取り扱いも見事で、スタイリッシュなもの。ただ、惜しむらくは、ミケーレにやらせた妙なオーバーアクション。そこをもう少し抑制して見せれば、本当に素敵な舞台になったと思います。

[1759]東京二期会オペラ劇場公演「トゥーランドット」を聴いてまいりました。 投稿者:どくたーT@管理人

投稿日:2011年07月07日 (木) 22時29分

2011年7月6日
5階R2列11番 D席 5000円
平成23年度文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)
主催:公益財団法人東京二期会/財団法人読売日本交響楽団

東京二期会オペラ劇場
オペラ3幕 字幕付原語(イタリア語)上演
プッチーニ「トゥーランドット」(Turandot)
台本:ジュゼッペ・アダーミ/レナート・シモーニ
原作:カルゴ・ゴッツィ
フィナーレ補作:フランコ・アルファーノ
会場:東京文化会館大ホール

指揮:ジャンルイジ・ジェルメッティ
管弦楽:読売日本交響楽団
合唱:二期会合唱団
合唱指揮:佐藤 宏
児童合唱:NHK東京児童合唱団
児童合唱指導:金田典子

演出:粟國 淳
装置:横田あつみ
衣裳:合田瀧秀
照明:笠原俊幸
振付:松原佐紀子
舞台監督:大仁田雅彦
公演監督:大島幾雄

キャスト
トゥーランドット姫 横山 恵子
カラフ(王子) 福井 敬
リュウ(ティムールに仕える奴隷) 日比野 幸
皇帝アルトゥム 田口 興輔
ティムール(退位したタタール王) 佐藤 泰弘
ピン(大臣) 萩原 潤
パン(大臣) 大川 信之
ポン(大臣) 村上 公太
役人 小林 昭裕

感想
スペクタクル!・・・・東京二期会オペラ劇場「トゥーランドット」を聴く。

 今回の上演は、2009年の神奈川県民ホールで上演した「びわ湖ホール/神奈川県民ホール」共催の「トゥーランドット」の焼き直しです。粟國淳のこの舞台は、2009年に見たとき、大変感心したのですが、今回2年ぶりで見て、やはり見ごたえのある舞台であると思いました。なんといっても現代を意識しながらも、そこに永遠、あるいは普遍なものを見ようとする姿勢が面白く思いました。

 一昨年の沼尻竜典の音楽作りは、デュナーミクをしっかりとった幅の大きな音楽で、しゃっきりした音作りは、このプッチーニの名作の現代性をよく示して秀逸だったと思いますが、今回のジェルメッティ/読響の演奏は、沼尻の演奏よりも、ずっと重厚なものになっていたように思います。もともと読売日響は、厚みのあるドイツ的な音響を得意とする楽団ですが、ジェルメッティというイタリアオペラの手だれが指揮することによって、イタリアオペラらしいイディオムを注入することにより、ドイツ的重厚さとイタリア的声の魅力が交じり合って、このオペラの持つスペクタクル的魅力が前面に押し出された演奏になりました。その重厚な迫力が魅力です。

 この重厚な迫力に全く負けることがなく対応したのが、外題役の横山恵子。細かいことを申し上げれば、音を外したと思しきところが一箇所あったのですが、それ以外は、実に素晴らしいドラマティックな歌唱でした。日本人歌手がトゥーランドットを歌う
と、どうしても声が限界に達して無理が出ることが多いのですが、さすがに日本人ドラマティック・ソプラノの第一人者。どこまで行っても、声に余裕があるのではないかと思わせる歌唱には脱帽です。

 また、横山だけが、オーケストラがフルに鳴らしたときでも、声をその上に乗せることができていました。文句なしにBravaです。

 福井敬のカラフは、手馴れた感じがして、さすが福井節といったところです。しかし、第一幕は、喉が十分に開いていない印象で、硬い感じがしました。一方、一番の聴かせどころである「だれも寝てはならぬ」は、さすが福井の歌唱、とでも言うべき名唱でしたが、正確さに一部欠けるところがあって、画竜点睛に欠く、感じでした。

 日比野幸のリュウは、とても美しい声なのですが、やや軽い声で、リュウに期待される強くて深い声は出せない感じです。フォルテシモでヴィヴラートがかかるところがこの方の限界なのでしょう。リュウの死「氷のような姫君の心も」ではオーケストラに負けておりました。ここで、オーケストラをねじ伏せて、リュウの愛と意志の強さを示すことができれば最高だったのですが。

 田口興輔のアルテゥムは、2年前の神奈川公演よりは響かない感じでした。会場の理由なのか、田口自身の衰えなのかはわかりませんが、もう少し、声が伸びてほしいと思いました。

 佐藤泰弘のティムールは良好。佐藤はいつもよい、というタイプの歌手ではないのですが、たまにとても魅力的な歌を聴かせます。今回は素敵なほうの歌唱でした。

 ピン、ポン、パンの三大臣は魅力的。ただ、テノールの一人が途中で声のバランスが悪くなったのが残念でした。

 小林昭裕の役人は声量不足。冷酷な役柄で、この方の一声がトゥーランドット姫の冷酷さをさらにアピールするので、もう一声強い声がほしいところです。

 以上、歌手陣には若干の弱さが認められたものの、指揮者、オーケストラ、主役が文句なく素晴らしく、カラフ、リュウにもそれなりの人を得たことが成功の秘訣だろうと思います。Bravaを申し上げるべきだろうと思います。

[1758]オペラミーチ 公開練習のご案内 投稿者:yutapon

投稿日:2011年07月05日 (火) 19時22分

2011年7月30日(土)10:30〜12:00頃
杉並区 永福和泉地域区民センター 地下1階 第1音楽室
〒168-0063 杉並区和泉3丁目8番18号
(京王井の頭線「永福町」駅から徒歩5分)


オペラミーチは、イタリアオペラを学ぶアマチュアグループです。
アンサンブルを中心に原語で歌う練習をしています。

主に土曜の午前中、杉並区内で活動中。

メンバー募集中のため、練習光景を一般公開することにしました。

年齢、性別、経験の有無を問いません。

私達がどんな練習をしているか見学にいらっしゃいませんか?
(見学はもちろん無料です。)


当日の練習予定曲:
◆プッチーニ作「ラ・ボエーム」第1幕 ミミ登場の場面

◆ドニゼッティ作「愛の妙薬」第1幕 「ちょっとだけ、ねえ アディーナ」

◆モーツァルト作「ドン・ジョヴァンニ」第1幕「あそこで手に手をとりあい」

◆ロッシーニ作「セヴィリャの理髪師」第1幕「それじゃ、私ね」

◆ヴェルディ作「椿姫」第1幕「乾杯」など。


*区民センターへの問い合わせはご遠慮ください。

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[1760]たくさん集まるといいですね投稿者:どくたーT@管理人
投稿日:2011年07月07日 (木) 22時30分
私はその日所用があって伺えないのですが、
多くの方が集まるとよろしいですね。

[1757]MMC「ポッペアの戴冠」を聴いてまいりました。 投稿者:どくたーT@管理人

投稿日:2011年07月03日 (日) 06時09分

2011年7月2日
自由席 3600円

主催:maekawa.mania.company(MMC)

音演出Vol.2

オペラ プロローグ付3幕を2幕に再構成(字幕つき原語(イタリア語)上演)
モンテヴェルディ作曲「ポッペアの戴冠」(L'Incoronazione di Poppea)
台本:ジョヴァンニ・フランチェスコ・ブセネッロ

会場:日本橋劇場(中央区立日本橋公会堂ホール)

スタッフ
音演出:前川 久仁子
ピアノ:吉田 貴至
照 明:石川 紀子
舞台監督:池田正宣

キャスト
ポッペア:宮本 彩音
ネローネ:今尾 滋
オットーネ:鶴川 勝也
オッターヴィア:諸 静子
ドゥルジッラ:竹村 明子
アモーレ:堀江 真鯉男

感想:前川スタイルの徹底という点ではよかったが、、、。MMC「ポッペアの戴冠」を聴く

 「ポッペアの戴冠」がどのようなオペラであるかを知らない方が聴いたのであれば、かなり高い評価を与えたのではないでしょうか。お話の中身はそれなりにすっきりとまとまっていましたし、歌も劇的な表現を、皆、それなりにしっかりとやられていて、なかなかよくまとまった舞台であったことは間違いないところです。

 前川久仁子は、このオペラの完全譜が無いことを踏まえてか、それ以外の理由もあったのでしょうが、休憩を含めれば、4時間は優にかかるこの作品を、15分の休憩を含めて、2時間10分強にまとめてしまいました。ほぼ半分の楽譜は演奏されなかったわけです。登場人物も大幅にカットされていて、重要なバス役の『セネカ』がまったく出てこないなど、存在それ自身まで切られた役がたくさんあります。

 そこまでしても前川はこの作品のドラマツルギーを徹底して集密化して、ひとつの音空間を作りたかったのでしょう。それはある意味成功したと思います。結構複雑でわかりにくい作品を、すっきりと見えやすくしましたし、構図はっきりさせたとは思います。

 ただ、それがよいことか、と申し上げれば、私は否定的な意見を述べないわけには参りません。私は、オペラのストーリーに比較的関係しないアリアをカットすることを必ずしもいけないことだとは思わないのですが、ここまで短くしてしまうと、もう、モンテヴェルディの目指していたものと、似て非なるものになってしまっています。

 たとえば、外題役のポッペアは、本来はもっと野心満々の悪女ですが、この前川バージョンを聴いていても、さほど悪女には見えないし、その悪のアピール力も強くありません。これは、ポッペアを歌った宮本彩音の技量に問題があるというよりは、前川のカットのやり方が、ポッペアの持つぎらぎらした側面を削いでしまった、というところがあるのではないかと思います。
 
 もっと申し上げれば、今、この時点で、前川がここまでカットして「ポッペアの戴冠」という作品を上演しなければならない必然性が見えません。ご本人は「違う」とおっしゃるのでしょうが、今回のやり方は、モンテヴェルディへの尊敬の念がないように見えます。また、モンテヴェルディ研究成果や、17世紀の歌唱スタイルは全て無しにして、前川風に完全に変えることが、本当によいことなのか、という自己批判も見えない。

 以上、評価しがたい舞台ではありました。

 しかし、この舞台はあくまでもモンテヴェルディの名を借りた前川の舞台だと割り切ってしまえば、それなりに楽しめる舞台でした。特に今尾滋、鶴川勝也の二人の男声が魅力的です。今尾は本来バリトンですが、今回はテノール役に挑戦して、まずまずの高音の響きを聴かせてくれて存在感がありましたし、鶴川のオットーネも本来歌われる声部とは異なっておりますが、声の力に魅了されました。

 外題役の宮本彩音は、悪女の表現の淡白さに今後の課題を残したとは思いますが、歌唱そのものは、軽くよく伸びる高音が魅力的で結構だったと思います。

 諸静子の表現も淡白。本来のバロックオペラのオーセンティックな表現を目指すのであれば、諸の表現は悪くないと思うのですが、今回の前川演出の目指すところが、ヴェリズモの表現のようなところにあったように思うので、そうであれば、もっと踏み込んだ表現があってもよいのではないか、と思いました。

 竹村明子のドゥルジッラは、二幕後半の愛のアリアがよかったです。堀江真鯉男はカウンター・テノールの声を出してきてよかったのですが、もし、本当にカウンター・テナーで歌うのであれば、もっと歌の細かい精度を上げてほしいと思いました。

[1756]パソコン修理中 投稿者:どくたーT@管理人

投稿日:2011年07月03日 (日) 06時03分

このサイトの更新に用いているパソコンが不調になり、修理に出しました。戻ってくるまで、本文の更新はできません。
その間の、速報的な記載は、この掲示板にて行うことにします。
よろしくお願いします。

[1754]N響Music Tomorrow 2011  投稿者:一静庵

投稿日:2011年06月29日 (水) 22時18分

N響Music Tomorrow 2011 を聴いて参りました。今回はかなり「見る」部分もありましたが。

N響 Music Tomorrow 2011
指揮:パブロ・ヘラス・カサド
Fl:神田寛明 *
S:バーバラ・ハンニガン **
舞楽:天王子楽所 雅亮会 ***
管弦楽:NHK交響楽団
コンサートマスター:篠崎史紀
尾高尚忠:フルート小協奏曲op.30a *
アンリ・デュティユー:コレスポンダンス(2002/04)[日本初演] **
西村朗:オーケストラのための「蘇莫者」(2009)[第59回「尾高賞」受賞作品]***

神田さんがソリストの尾高尚忠:フルート唱協奏曲は、全体に美しく明るい曲で、ソロ・フルートの高度なテクニックを要する奏法の連続、異国情緒ある旋律など、楽しく聴きました。よく演奏される2管編成版ではなく、御子息の惇忠氏が校訂された初版の独奏フルート、ホルン2、ハープ、弦楽5部という本来の形で演奏されたということです。神田さんの素晴らしい演奏に対して、客席は勿論のことオーケストラの方々もたいへんな拍手を送っておられました。
デュティユー:コレスポンダンスのソリスト、ソプラノのバーバラ・ハンニガンさんは長身のたいへん美しい方で、声も清涼感のある美しく、聴く者の魂に深く入り込むように歌われました。5曲からなる書簡ですが、歌詞対訳は演奏中は読めませんでしたので、意味は解りませんでした。翻訳を見ると、第2曲はソルジェニーツィンがロストロポーヴィチ夫妻にあてたもので一番普通の手紙文のようでした。第1曲は池田さんの長いテューバ・ソロにおどろき、第2曲はアコーディオンとチェロのやりとりが素敵でした。後藤ミホコさんのアコーディオンは オーケストラの前、指揮者とソリストの間に配されていたためか、よく聞こえました。第5曲は管楽器やヴィブラフォンの響きがたいへん美しく、天上の響きに誘われるようでした。
休憩時間中に、ステージには緑色の敷物が敷かれた舞台が作られていました。オーケストラは、その舞台を囲むように配され、第1ヴァイオリンは中央付近の奥、上手側のホルンやトロンボーンなどは、殆ど後ろを向いている状態です。西村朗:オーケストラのための「蘇莫者」、第1楽章は前奏曲でオーケストラのみです。高音のチェロ、弦全体が揃って同じ旋律を弾くところなどがありました。非常に大きな音で何かを威嚇するような感じでもありました。第2楽章「乱声(らんじょう)」では、管楽器が能の舞台がはじまる時のヒシギのような甲高い音を奏で、竹島さんが2つの大太鼓を両手後ろ手で強く叩くなどの珍しい光景を見ていると、蘇利古(そりこ)という舞人が登場し、弦楽器の低音のピッティカートに合わせて舞ったりします。そのうちに黒い面の蘇莫者が登場してきて舞い、つぎに綾切(あやぎり)が登場して舞います。それぞれ舞が済むと、舞台の隅にくつろぐように座っています。ガムラン・ゴングの音に合わせて蘇莫者が舞うところもありました。第5楽章の「破」では、フルート・ソロで原曲の雅楽の旋律が奏でられますが、今回フルート1番のエキストラは高木綾子さん、殆どソリストのような活躍ぶりでした。岡本さんだったと思いますが、とても高い音のファゴット・ソロの部分もありました。第6楽章の後奏曲もフルート、アルト・フルート、ピッコロなどが活躍し、そのうちに弦の静かな響きになり、これまで繰り広げられた宇宙的なものが閉じられたようでありました。人数の多いオーケストラで、広大な世界、宇宙ですか、を現わしているかのような音楽はなかなか聴きものだったと思います。ただ、舞楽が実際に共に演ずる必要があるかどうかは、少し疑問に思いました。ともあれ、複雑な音楽、大人数のオーケストラをきびきびとした動きでさばいていく、といった感のある指揮者カサドさんには感心致しました。

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[1755]詳細なご感想、ありがとうございました。投稿者:どくたーT@管理人
投稿日:2011年07月01日 (金) 22時03分
一静庵さま

詳細なレポートをご投稿いただき、ありがとうございました。
N響のMUSIC TOMORROWは、現代音楽紹介のイベントとして、非常に重要だとは思うのですが、私はご存知のとおり一度も行ったことがありません。

しかし、今回の一静庵様のご投稿を拝見すると、ぜひ聴きたかったな、という気がします。今回は、フルートの1番がゲストの高木さんで、フルートのソリストが神田さんということで、とても豪華なラインナップだった訳ですね。

この二人の揃い踏みだけでも聴く価値があったかもという気がいたします。

N響は放送でやりますので、ミュージックトモローもそのときは拝見しようと思いました。

[1752] 投稿者:匿名

投稿日:2011年06月04日 (土) 07時09分

店村眞積 特任首席ヴィオラ奏者に就任 2011年6月1日より

 東京都交響楽団は、6月から新たに店村眞積氏を特任首席ヴィオラ奏者として迎えました。
 フィレンツェ市立歌劇場管弦楽団の首席ヴィオラ奏者として活躍し、帰国後は主要楽団でソロ首席奏者を歴任、日本を代表するヴィオラ奏者として第一線で活躍する店村眞積氏を迎えることにより、より充実した音楽創りを目指します。


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[1753]ありがとうございます。投稿者:どくたーT@管理人
投稿日:2011年06月05日 (日) 22時09分
匿名様

東京都交響楽団のサイトからの転載ですね。
ありがとうございます。

店村さんが5月いっぱいでNHK響を辞められることは、5月末の時点で存じておりましたが、6/1付で都響に移られたとは知りませんでした。

事情通の情報によると、空白期間があると、色々な手続き(保険とか年金か)が面倒なので、1日も空けずに移籍なさったのだろう。

ということでした。

[1751] 投稿者:♪(´ε` )

投稿日:2011年04月22日 (金) 01時48分

遅くなってしまったけれど,お誕生日おめでとうございます☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆




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