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[1772]スーパー・コーラス・トーキョー特別公演 投稿者:どくたーT@管理人

投稿日:2011年10月09日 (日) 07時10分

スーパー・コーラス・トーキョー特別公演に行ってまいりました。
10月6日19:00〜、東京オペラシティコンサートホールにて。
プログラム
モーツァルト「レクイエム」二短調 K.626(レヴィン版)
ソロ:澤畑恵美(ソプラノ)、加納悦子(メゾソプラノ)、福井敬(テノール)、牧野正人(バリトン)
ブルックナー「テ・デウム」ハ短調
ソロ:高橋薫子(ソプラノ)、坂本朱(メゾソプラノ)、中鉢聡(テノール)、河野克典(バリトン)

指揮:ヘルムート・ヴィンシャーマン
管弦楽:東京都交響楽団
コンサートマスター:矢部達哉
合唱:スーパー・コーラス・トーキョー
合唱指揮:ロベルト・ガッピアーニ

感想:
「スーパー・コーラス・トーキョー」は、「ミュージック・ウィークス・イン・トーキョー」の開催に向けて結成された一流プロ合唱団、だそうです。フィレンツェ歌劇場、ミラノ・スカラ座、トリノ王立歌劇場、ローマ歌劇場などの合唱指揮者を歴任し、世界の合唱シーンの要職を担ってきた合唱界の巨匠ロベルト・ガッピアーニ氏を指導者に迎え、彼自身がオーディションで選んだ精鋭と、東京のプロの合唱団の選り抜きのメンバーで構成、と書かれています。

確かにメンバー表を見ると、ソプラノ24名、アルト20名、テノール18名、ベース18名のメンバーの中には、新国立劇場合唱団のメンバーや藤原歌劇団、二期会のメンバーが含まれていますし、日本プロ合唱連盟や東京混声合唱団のメンバーもいるのでしょう。

ということで、両曲とも基本的にはレベルの高い合唱を披露していたと思います。

指揮者は、バッハ演奏に定評のある大ベテラン・ヴィンシャーマンです。もう90歳を過ぎているそうで、腕の動きの滑らかさはかなり失われている感じではありましたが、タクトを持たないで指揮をしようとする姿は、それぞれの音楽の持っている宗教性を柔らかく表現したいと言う意思の表れだったのかもしれません。

「レクイエム」と「テ・デウム」とでは、それぞれ違った役割の宗教音楽ですが、それを意識したのか、音色も違った風に仕上げて来ました。

「レクイエム」は一言で申し上げれば「厳しい音楽」です。死者に対する敬虔な思いや祈りがあれば厳しい音楽になるのは頷けます。ソリストは日本を代表する名歌手ですが、自分を前面に強調することはなく、どちらかと言えば、比較的暗めの音色で、オーケストラの中から声が出てくる感じです。

ヴィンシャーマンのオーケストラ・ドライブも比較的抑えたもので、彼がバッハ指揮者であることを否応なく気付かされるものでした。東京都交響楽団の演奏も、低音管楽器(トロンボーン、ファゴットなど)の音色が良く、「レクイエム」という音楽の特徴を良くあらわしていました。

一方合唱は、正直に申し上げれば今一つです。メンバーに一流どころを集めているのは分かりますが、基本的にオペラの合唱メンバーが多いのです。そのせいか分かりませんが、歌唱が、オペラ的な感じがしてしまう、オペラ合唱団の歌い方、と申し上げたらよいのでしょうか。つまり、個々人の個性を完全に殺せていない。

オペラの合唱は、名前はなくても、存在する個々人がそれぞれ声を出す存在です。それぞれが個性を持っていて問題がない。しかし、宗教音楽の合唱は、音色や音程、息遣いなどが揃っていてピュアな感じを出して欲しいのです。残念ながら、寄せ集めの団体にありがちの求心性を感じにくい歌唱になっていたように思いました。

「テ・デウム」は、「レクイエム」よりもずっと世俗的な感じです。ソリストもオーケストラも音色が「レクイエム」とは違います。ブルックナーの音楽も厳しさを前面に出される方が多いようですが、今回のヴィンシャーマンの音楽づくりは、「神に寄り添う心」をロマンティックに表現したかったのか、明るい仕上がりになっていました。

ソリストの声が全然違います。特に中鉢聡。まるでオペラアリアを歌うように声を張り上げていました。ただ、その頑張りは分かりますが、フレージングが丁寧ではない。あのような歌い方は、オペラアリアではいいのでしょうが、宗教曲には向かないと思います。如何にも「フォルテシモ」という歌い方より、盛り上がった結果としての「フォルテシモ」の方が「テ・デウム」には似合います。他の3ソリストがそれぞれバランスがとれていて、それでいて明るい音色で良かったので、中鉢の頑張り過ぎには違和感を覚えました。

合唱も「レクイエム」よりもこちらの方が良かったと思います。これはロマンチシズムの表出を優先したからなのでしょう。少し位ばらけていても、この作品ならOK、と言うところでしょうか。勿論、もっと求心性のある合唱の方がよりよいことは申し上げるまでもありません。

[1771]五十嵐喜芳さんの訃報について 投稿者:どくたーT@管理人

投稿日:2011年09月27日 (火) 23時32分

思うことはいろいろあります。
とにかく、日本のオペラ界に関する大功労者であったことだけは間違いありません。
少し時期をおいて、彼の功績をたたえたいと思います。

[1767]N響情報 指揮者変更 投稿者:N響好き

投稿日:2011年09月21日 (水) 20時04分

指揮者変更のお知らせ
2011年11月公演に出演を予定しておりました指揮者のイルジー・
コウト氏は、けがの治療のため来日が不可能となりました。このため、出演者を下記のとおり変更させていただきます。なお、曲目の変更はございません。何とぞご了承くださいますようお願い申しあげます。

○11/3(木・祝):クリストファー・ホグウッド氏
○11/11(金)、12(土):ワシーリ・シナイスキー氏
○11/16(水)、17(木)、20(日):ネーメ・ヤルヴィ氏
○11/26(土)、27(日):準・メルクル氏

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[1770]情報あrがとうございます。投稿者:どくたーT@管理人
投稿日:2011年09月23日 (金) 09時14分
N響のサイトで確認しました。
コウトは悪い指揮者ではないでいので、残念ですが、どの代役がホグウッドやヤルヴィ、メルクル、というのはすごいです。

[1766]新潟メモリアルオーケストラ 第21回定期演奏会 投稿者:新潟人

投稿日:2011年09月19日 (月) 20時41分

新潟メモリアルオーケストラ 第21回定期演奏会

平成23年(西暦2011年) 9月25日(日) 14:00開演予定
りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館コンサートホール

料金:無料(整理券なしでご入場いただけます。)

指揮/山岡重信

曲目/ブルックナー 交響曲第7番ホ長調(ハース版)
    ヒンデミット ウェーバーの主題による交響的変容
    モーツァルト 歌劇「後宮からの誘拐」序曲
    
山岡重信(プロフィール)
読売日本交響楽団ヴィオラ奏者としても活躍。プロ指揮者としては1967年デビュー。同年、第1回民音指揮者コンクールで第2位に入賞。1968年より読売日本交響楽団指揮者を務めた。その後も札幌交響楽団、東京都交響楽団、群馬交響楽団、ニューフィルハーモニーオーケストラ千葉にて、指揮者を歴任した。




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[1769]明後日になりました。投稿者:どくたーT@管理人
投稿日:2011年09月23日 (金) 09時11分
山岡さんという指揮者は私は存じませんが、良い演奏会になるとよいですね。
ご盛会をお祈りします。

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[1779]二人の新しい世界的才能が出会う投稿者:中塚博則
投稿日:2011年11月19日 (土) 00時19分
指揮の三ツ橋敬子とピアノ萩原麻未
<< 二人の新しい世界的才能が出会う >>コンサート

本物の才能を是非一度お聴きになってください。ブラームスの交響曲は三ツ橋がトスカニーニ国際指揮者コンクール(過去に大野和士氏が優勝しています)の決勝で指揮した曲。シューマンは萩原の熱望した曲です。


指揮=三ツ橋敬子(2010年トスカニーニ国際指揮者コンクール準優勝、2008年ペドロッティ国際指揮者コンクール優勝)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E3%83%84%E6%A9%8B%E6%95%AC%E5%AD%90

ピアノ=萩原麻未(2010年ジュネーヴ国際音楽コンクール優勝、2000年パルマドーロ国際コンクール優勝)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%90%A9%E5%8E%9F%E9%BA%BB%E6%9C%AA

管弦楽=東京交響楽団(創立65周年、意欲的な企画と演奏が注目されています。)


11月29日(火)19:00  川口リリア・メインホール
(JR京浜東北線川口駅徒歩1分 上野から22分、東京から29分)


モーツァルト:歌劇「劇場支配人」序曲
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調
ブラームス:交響曲第1番 ハ短調


SS席7,000円 S席 6,500円 A席 5,000円 B席4,000円(指定席、税込)


●テレビ埼玉ミュージック 048-827-0086
●リリア・チケットセンター 048-254-9900
●チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:142-770)

[1765]洗足学園音楽大学管弦楽団 チャリティーコンサートシリーズ Vol.2 投稿者:匿名

投稿日:2011年09月19日 (月) 20時36分

洗足学園音楽大学管弦楽団
チャリティーコンサートシリーズ Vol.2
ルト・ブロムシュテット

この度の「東日本大震災」で被災されたすべての方々に対し心より お見舞い申し上げます。本公演はVol.1ウラディーミル・アシュケナージ チャリティーコンサートに続き、急遽開催の運びとなりました。
義援金は全額いわき市に寄附させていただきます。

W.A.モーツァルト/交響曲 第39番 変ホ長調 K.543
Wolfgang Amadeusu Mozart(1765-91)//Symphonie Nr.39 Es-dur, K.543

J.ブラームス/交響曲 第1番 ハ短調 op.68
Johannes Brahms(1833-97)//Symphonie Nr.1 C-moll, op.6

2011年9月26日

前田ホール
開場:18:30 開演:19:00
終演予定:
■無料
一般 :無料
ルフラン会員 :無料
本学学生・学園教職員 :無料

お1人様1000円以上の義援金協力をお願いいたします。
本公演は事前のご予約は受け付けておりません。
満席の場合、入場を制限させていただく可能性がございます。
予めご了承くださいませ。

本学学生・学園関係者には事前に整理券を配布します。
別途、学園内の掲示等でお知らせします。

未就学のお子様のご入場はご遠慮ください。
東日本大震災の影響による電力供給不足に伴い「計画停電」が実施された場合、やむを得ず開場・開演時間を変更したり、演奏会を中止することもございます。
ご理解賜りますようお願い申し上げます。

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[1768]情報ありがとうございます。投稿者:どくたーT@管理人
投稿日:2011年09月23日 (金) 09時09分
どちらも名曲です。
私は伺えませんが、盛会をお祈りします。
「がんばっぺ、いわき」です。

[1764]The TARO Singers 第13回東京演奏会「神の業・聖母の愛」に行ってまいりました。 投稿者:どくたーT@管理人

投稿日:2011年07月19日 (火) 22時23分

鑑賞日:2011年7月18日
入場料:4000円 全席自由

アカペラ混声合唱団
The TARO Singers
第13回東京演奏会
「神の業・聖母の愛」

会場:津田ホール

指揮:里井宏次
合唱:The TARO Singers

プログラム

G.アレグリ「我を憐れみたまえ」(Miserere mei, Deus)
D.スカルラッティ「スターバト・マーテル」(Starbat.Mater)(上塚憲一(vc)/堀江光一(org))
休憩
F.メンデルスゾーン=バルトレッティ「三つの詩篇 作品78」(Drei Psalmen Op.78)
F.プーランク「悔悟の時のための4つのモテット」(Quatre motetus pour un temps de penitence)
アンコール
F.プーランク「サルベ・レジーナ」
文部省唱歌「故郷」

感想

The TARO Singersは、アカペラ合唱曲を専門に歌う合唱団として、その存在感を示しています。私が彼らを知ったのは、「武満徹 Songs うた」というCDを購入してです。本当にすばらしい合唱で、そのレベルの高さに感動しました。

合唱は子供のときから大好きで、児童合唱団で歌っていたこともあります。それだけに、アカペラで上手に歌える合唱団が、どんなにすごいか、というのは実感としてわかります。逆に申し上げれば、アカペラで難しい合唱曲を歌える合唱団は稀有な存在と申し上げてよいでしょう。

TAROシンガーズは、アカペラ合唱団のプロですから、当然すばらしい演奏を期待されます。それを表現するために、第13回になる東京演奏会では、17世紀、18世紀、19世紀、20世紀の宗教的アカペラ合唱曲を一曲ずつ取り上げるというプログラムでそれに答えました。

ちなみに、私は、今回演奏された作品を一度も聴いたことがありません。でも、みな、宗教的感興の大きな名曲です。このように4世紀にわたるそれぞれの音楽的特徴を示した宗教曲でコンサートを企画できるところが、ヨーロッパの本当の宗教的土壌を感じます。

アレグリのミゼレーレは、地上と天上の相聞の形で書かれた二重合唱曲。天上を受け持った、女声3人と男声一人のアンサンブルが見事。特にソプラノソロの澄んだ高音は実に見事なものでした。

スカルラッティの「スターバト・マーテル」は典型的ポリフォニー音楽。さすがのTAROといえども完璧とはいえませんでしたが、10声の二重合唱と通奏低音のみの伴奏による音楽は、人の声の豊穣さを見事に感じさせるものでした。

メンデルスゾーンの「三つの詩篇」。独唱と二重合唱によるホモホニックな感興。すばらしいものだと思います。

最後がプーランクの宗教音楽。プーランクは自分自身で、「わたし自身の最良の部分、何よりも本来の自分に属するものをそこに注ぎ込んだつもりです。(略)わたしが何か新しいものをもたらしたとするならば、それはまさにこの分野の仕事ではないかと思います」といっているだけのことはあって、不安の中にも神への親愛を感じられる音楽。
音楽としてのまとまりの点では、一番よかったかもしれません。

全体でいえば、細かいミスもあり、必ずしも最良の演奏ではなかったと思いますが、それにしてもこれだけの難曲をよくここまで歌えるものだ、と率直に寒心いたしました。

[1762]祝・11周年! 投稿者:一静庵

投稿日:2011年07月17日 (日) 01時00分

おめでとうございます。
パソコン復活でいらっしゃいましょうか?
「どくたーTの音文協奏曲」11周年おめでとうございます。
着実に進められていらして、素晴らしいです。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

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[1763]ありがとうございます投稿者:どくたーT@管理人
投稿日:2011年07月18日 (月) 11時57分
これもひとえに、一静庵様をはじめとする、ご覧くださっている方のおかげです。

深く感謝します。

パソコンはようやく修理から戻ってきました。3週間かかりました。2年前に購入したマシンですが、今回電源ユニット、マザーボード、光学ドライブが交換でした。

延長保証に入っていたので、無償でしたが、二年でここまで壊れるというのは、如何かなとは思います。
ファイル類が壊れていなかったのは、幸いでした。

[1761]東京オペラプロデュース「ブリーカー街の聖女」を聴いてまいりました。 投稿者:どくたーT@管理人

投稿日:2011年07月09日 (土) 23時49分

2011年7月9日
B席6000円 2F2列29番

平成23年度文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)
主催:東京オペラ・プロデュース
協力:(財)新国立劇場運営財団

東京オペラ・プロデュース 第88回定期公演

メノッティ生誕100年記念

オペラ3幕 字幕付原語(英語)上演
メノッティ作曲「ブリーカー街の聖女」“The Saint of Bleecker Street”
台本:ジャン・カルロ・メノッティ

原語歌唱による日本初演

会場:新国立劇場中劇場

スタッフ
指揮:飯坂 純
オーケストラ:東京オペラ・フィルハーモニック管弦楽団
合唱:東京オペラ・プロデュース合唱団
合唱指揮:伊佐治 邦治/中橋 健太郎左衛門

演出:八木 清市
美術:土屋 茂昭
衣装:清水 崇子
照明:稲垣 良治
ヘア・メイク:星野 安子
舞台監督:佐川 明紀
プロデューサー:竹中 史子

キャスト
アンニーナ:橋爪 ゆか
ミケーレ:羽山 晃生
ドン・マルコ:工藤 博
デジデーリア:田辺いずみ
マリア・コローナ:小野さおり
カルメーラ:鈴木 彩
サルヴァトーレ:藤山 仁志
アッスンタ:丸山奈津美
若い男/修道僧:藤原 海考
若い女/修道女:前坂 美希
バリトン歌手/修道僧:秋本 健
ゲスト:西垣 俊紘
バーテンダー:麻野 玄蔵
コンチェッティーナ:小口 あずさ
マリア・コローナの息子:家入 嘉数馬
スピリッツ:石居 佑月

感想−感情移入のやり方− 東京オペラ・プロデュース「ブリーカー街の聖女」を聴く

恥ずかしながら、メノッティのオペラをこれまで一度も実演で聴いたことがありません。「アマールと夜の訪問者」や「電話」は小さいオペラ団体が時々取り上げるので、それほど珍しいものではないのですが、大掛かりにやられることがないので、なかなか上演の情報を見つけにくいということがあります。また、私のオペラの趣味がいわゆる「ベルカントオペラ」に偏っていて、そんな室内オペラを見に行くぐらいなら、ロッシーニやヴェルディを聴きに行けばいいや、と思っている部分がある。そんなわけで、メノッティとは縁が薄い。

でも、メノッティと縁の薄い日本人オペラ好きは私だけではないようです。

ちなみに、メノッティは生涯26曲のオペラを作曲しているそうですが、そのうち、日本で紹介されているのは、1950年以前に作曲された作品がほとんどで、それ以降に作曲された作品では、「助けて、助けて、宇宙人がやってきた」(1968)ぐらいです。ちなみに、メノッティは1951年以降に19曲のオペラを作曲し、最後のオペラ作品は1993年の「歌う子供」という作品なのだそうですが、私は全く知りませんでした。

今回上演された「ブリーカー街の聖女」は、メノッティの8作目1954年12月に初演されたオペラ作品で、米国では、彼の代表作と目されているそうです。ちなみに、そのことも私は知りませんでした。こういう隠れた名作を上演するのが、東京オペラプロデュースの真骨頂で、大変ありがたいことです。

ちなみに「ブリーカー街」はニューヨークのイタリア人移民街のようです。メノッティ自身がイタリア生まれの移民で、1928年に米国に移住したということが、この作品を作曲した背景にあることは疑いないことです。貧しい移民街で奇跡を期待する貧民たちに対し、期せずして奇跡のようなことを起こしてしまう聖女アンニーナと、その兄で、妹の信心を全否定する唯物論者のミケーレが、対立軸となって動きます。これは、日本とは違って、宗教心の厚い米国では、近代の相克として抜き差しならぬ問題だったことがあると思われます。

導かれる音は、ブロードウェイ・ミュージカルのようなサウンドもありますが、そこまでアメリカっぽくはなく、プッチーニ風のイタリアオペラっぽいところもありますが、そこも徹底していない。そういうどっちつかずのようなところが、メノッティらしいということかも知れません。

メノッティは、最終的には宗教心に思いを寄せて、アンニーナは死によって神のそばに向かうことを許したのに対し、神を否定したミケーレに対して孤独を当てるという形で解決策を示しています。そういう宗教性の強い作品だけあって、賛美歌の合唱がまず魅力的です。合唱は、東京オペラ・プロデュース合唱団の23人の男女および一部のソリストが参画していましたが、アカペラの合唱の美しさ、特に倍音の響きが素晴らしかったと思います。

歌手陣では、まず主役の「アンニーナ」を歌った橋爪ゆかが素晴らしい。ほとんど出ずっぱりの役柄ですが、最後まできっちりした歌唱が魅力的でした。特に第一幕の長大なアリア「ああ、イエス様、この苦痛から私を救いたまえ」が秀逸。一幕二場のカルメーラとの二重唱や一幕ラストのミケーレとの二重唱もよかったです。役柄をよく考えた歌唱で、全体に落ち着いた密度のある歌唱でした。高音の伸びも低音の広がりも素敵で、大変感心いたしました。

ミケーレの羽山晃生も立派。美声テノールではない方ですが、それだけに表現が多彩で魅力的です。声の持つ基本的な力量が高い方で、その点に関しては、今回の出演者随一と申し上げてよいでしょう。演技の基本的な緊迫感もよかったと思います。ただ、惜しむらくは、演出の指示だったのか、妙なオーバーアクションがいくつも見られて、そこは、そんな演技をする場所じゃないだろうと申し上げたくなる部分がいくつもありました。

ドン・マルコの工藤博。さすがにベテランの魅力です。ただ、前半は声のつやが今ひとつ乏しい感じでした。後半はかなり持ち直していました。

デジデーリアの田辺いずみ。よかったです。今回の上演の歌唱・演技を総合して、私は田辺に一番共感を覚えました。第二幕のミケーレに殺されるまでの緊迫した歌唱は、大変立派だったと思います。

そのほかの歌手では、アンスッタ役の丸山奈津美がよく、カルメーラ役の鈴木彩もがんばっていました。

ひとつ難を申し上げれば、英語がよく聞こえなかった方が多かったこと。メノッティは英語のイントネーションにあわせて作曲していると思うのですが、語尾が聞こえなかったり、アクセントのつけ方がおかしくて何を言っているのか理解できなかったりした部分がいくつもありました。

オーケストラの演奏は、金管にミスが目立った感じでしたが、指揮の飯坂純はがんばっていたと思います。

八木清一の演出は、回り舞台をうまく使って、合唱などの群集の取り扱いも見事で、スタイリッシュなもの。ただ、惜しむらくは、ミケーレにやらせた妙なオーバーアクション。そこをもう少し抑制して見せれば、本当に素敵な舞台になったと思います。

[1759]東京二期会オペラ劇場公演「トゥーランドット」を聴いてまいりました。 投稿者:どくたーT@管理人

投稿日:2011年07月07日 (木) 22時29分

2011年7月6日
5階R2列11番 D席 5000円
平成23年度文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)
主催:公益財団法人東京二期会/財団法人読売日本交響楽団

東京二期会オペラ劇場
オペラ3幕 字幕付原語(イタリア語)上演
プッチーニ「トゥーランドット」(Turandot)
台本:ジュゼッペ・アダーミ/レナート・シモーニ
原作:カルゴ・ゴッツィ
フィナーレ補作:フランコ・アルファーノ
会場:東京文化会館大ホール

指揮:ジャンルイジ・ジェルメッティ
管弦楽:読売日本交響楽団
合唱:二期会合唱団
合唱指揮:佐藤 宏
児童合唱:NHK東京児童合唱団
児童合唱指導:金田典子

演出:粟國 淳
装置:横田あつみ
衣裳:合田瀧秀
照明:笠原俊幸
振付:松原佐紀子
舞台監督:大仁田雅彦
公演監督:大島幾雄

キャスト
トゥーランドット姫 横山 恵子
カラフ(王子) 福井 敬
リュウ(ティムールに仕える奴隷) 日比野 幸
皇帝アルトゥム 田口 興輔
ティムール(退位したタタール王) 佐藤 泰弘
ピン(大臣) 萩原 潤
パン(大臣) 大川 信之
ポン(大臣) 村上 公太
役人 小林 昭裕

感想
スペクタクル!・・・・東京二期会オペラ劇場「トゥーランドット」を聴く。

 今回の上演は、2009年の神奈川県民ホールで上演した「びわ湖ホール/神奈川県民ホール」共催の「トゥーランドット」の焼き直しです。粟國淳のこの舞台は、2009年に見たとき、大変感心したのですが、今回2年ぶりで見て、やはり見ごたえのある舞台であると思いました。なんといっても現代を意識しながらも、そこに永遠、あるいは普遍なものを見ようとする姿勢が面白く思いました。

 一昨年の沼尻竜典の音楽作りは、デュナーミクをしっかりとった幅の大きな音楽で、しゃっきりした音作りは、このプッチーニの名作の現代性をよく示して秀逸だったと思いますが、今回のジェルメッティ/読響の演奏は、沼尻の演奏よりも、ずっと重厚なものになっていたように思います。もともと読売日響は、厚みのあるドイツ的な音響を得意とする楽団ですが、ジェルメッティというイタリアオペラの手だれが指揮することによって、イタリアオペラらしいイディオムを注入することにより、ドイツ的重厚さとイタリア的声の魅力が交じり合って、このオペラの持つスペクタクル的魅力が前面に押し出された演奏になりました。その重厚な迫力が魅力です。

 この重厚な迫力に全く負けることがなく対応したのが、外題役の横山恵子。細かいことを申し上げれば、音を外したと思しきところが一箇所あったのですが、それ以外は、実に素晴らしいドラマティックな歌唱でした。日本人歌手がトゥーランドットを歌う
と、どうしても声が限界に達して無理が出ることが多いのですが、さすがに日本人ドラマティック・ソプラノの第一人者。どこまで行っても、声に余裕があるのではないかと思わせる歌唱には脱帽です。

 また、横山だけが、オーケストラがフルに鳴らしたときでも、声をその上に乗せることができていました。文句なしにBravaです。

 福井敬のカラフは、手馴れた感じがして、さすが福井節といったところです。しかし、第一幕は、喉が十分に開いていない印象で、硬い感じがしました。一方、一番の聴かせどころである「だれも寝てはならぬ」は、さすが福井の歌唱、とでも言うべき名唱でしたが、正確さに一部欠けるところがあって、画竜点睛に欠く、感じでした。

 日比野幸のリュウは、とても美しい声なのですが、やや軽い声で、リュウに期待される強くて深い声は出せない感じです。フォルテシモでヴィヴラートがかかるところがこの方の限界なのでしょう。リュウの死「氷のような姫君の心も」ではオーケストラに負けておりました。ここで、オーケストラをねじ伏せて、リュウの愛と意志の強さを示すことができれば最高だったのですが。

 田口興輔のアルテゥムは、2年前の神奈川公演よりは響かない感じでした。会場の理由なのか、田口自身の衰えなのかはわかりませんが、もう少し、声が伸びてほしいと思いました。

 佐藤泰弘のティムールは良好。佐藤はいつもよい、というタイプの歌手ではないのですが、たまにとても魅力的な歌を聴かせます。今回は素敵なほうの歌唱でした。

 ピン、ポン、パンの三大臣は魅力的。ただ、テノールの一人が途中で声のバランスが悪くなったのが残念でした。

 小林昭裕の役人は声量不足。冷酷な役柄で、この方の一声がトゥーランドット姫の冷酷さをさらにアピールするので、もう一声強い声がほしいところです。

 以上、歌手陣には若干の弱さが認められたものの、指揮者、オーケストラ、主役が文句なく素晴らしく、カラフ、リュウにもそれなりの人を得たことが成功の秘訣だろうと思います。Bravaを申し上げるべきだろうと思います。

[1758]オペラミーチ 公開練習のご案内 投稿者:yutapon

投稿日:2011年07月05日 (火) 19時22分

2011年7月30日(土)10:30〜12:00頃
杉並区 永福和泉地域区民センター 地下1階 第1音楽室
〒168-0063 杉並区和泉3丁目8番18号
(京王井の頭線「永福町」駅から徒歩5分)


オペラミーチは、イタリアオペラを学ぶアマチュアグループです。
アンサンブルを中心に原語で歌う練習をしています。

主に土曜の午前中、杉並区内で活動中。

メンバー募集中のため、練習光景を一般公開することにしました。

年齢、性別、経験の有無を問いません。

私達がどんな練習をしているか見学にいらっしゃいませんか?
(見学はもちろん無料です。)


当日の練習予定曲:
◆プッチーニ作「ラ・ボエーム」第1幕 ミミ登場の場面

◆ドニゼッティ作「愛の妙薬」第1幕 「ちょっとだけ、ねえ アディーナ」

◆モーツァルト作「ドン・ジョヴァンニ」第1幕「あそこで手に手をとりあい」

◆ロッシーニ作「セヴィリャの理髪師」第1幕「それじゃ、私ね」

◆ヴェルディ作「椿姫」第1幕「乾杯」など。


*区民センターへの問い合わせはご遠慮ください。

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[1760]たくさん集まるといいですね投稿者:どくたーT@管理人
投稿日:2011年07月07日 (木) 22時30分
私はその日所用があって伺えないのですが、
多くの方が集まるとよろしいですね。




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