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鎖鎌 |
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From:ヒトシ
ここで皆様にお願いがあります。
昨日一寸堂にてコタロー殿と鎖鎌を久しぶりに稽古致しました。
玉(分銅のかわりね)は自分にあたるやら、紐(鎖のかわりね)は自分に巻き付くやら、こんな使いずらい武器がどこにあるクァワアアアッ!!ビタ一文納得いかん!!
という結論に達し、しばらく武器としての鎖鎌の成立について調べてみようなどと思いいたったのでございます。(イコール武術としての鎖鎌術なんでしょうが。それ以外に使い道ないと思うし)
さて、ものぐさな私と致しましては恥も外聞もなく、皆様のご存じのところをお聞かせ願えませんか?などと考えております。 以下の点について、ご存じの方は是非ご教授下さい。メールでも掲示板でも。(ここに書いてもらって師匠に怒られたらメールにしてもらいます。)
@鎖鎌という武器はいつごろからあったのか? A「鎌」が武器として使用されていた歴史上の記録はあるのか? B日本において「鎖」はいつ頃から存在していたのか。また、いつごろから武器の一部、又はそのものとして使用されるようになったのか。 Cなんで、鎖と鎌をくっつけるのよ!?(この質問は我ながら終わってるね) D「二天記」の宍戸なんたら以外に、それ以前でも以後でも鎖鎌を実際に武器として使った方はいらっしゃるの?
ご一門の諸兄、先生方をはじめこの掲示板をご覧になっている方々、どうぞよろしく。
尚、大変世知辛い性格なのでお礼はありえません。 先にお詫びして失礼致します。
2005年08月08日 (月) 15時57分
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鎌と鎖 |
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From:木蘭
一昨夜、その話題が出た時に 「んなもの知らない。だって歩兵の兵器じゃないもん」 と発言いたしましたが、戦場で使われた事が『太閤記』などに記されているそうです。 でも『太閤記』は小瀬甫庵のヤツだとしたら、史実的には怪しいのですが・・・。
2005年08月09日 (火) 11時03分
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鎖とその他 |
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From:鬼武者
Cに関して考えると、「隠し武器総覧」などを見ると鎖分銅に始まり、鎖と十手みたいのや、鎖と乳切木とか、更には振り出し版のような当時のハイテク兵器みたいなものまであってとりあえず何でもくっつけて使ってみたという感がありますね。当時の新開発の兵器群でしょうか。
鎖系の武具は中国系の武器から来たものが多いみたいですね。鎖鎌はその手の輸入武器をローカライズして室町時代あたりに比較的定着したのではないでしょうか。勝手な想像で申し訳ないですが。
2005年08月09日 (火) 11時23分
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続・鎖と鎌 |
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From:木蘭
で、本題。 困った時の笹間良彦博士という訳で、手元にあった氏の『図説日本武道辞典』『図録日本の合戦武具事典』を参考に記してみます。
>@鎖鎌という武器はいつごろからあったのか?
室町時代の末頃から姿を現したようです。 すなわち戦国時代頃からといえるでしょう。
>A「鎌」が武器として使用されていた歴史上の記録はあるのか?
短い物から長柄の先に付けた物まで、戦陣で鎌が使用される事は良く在る様です。 しかしながら、通常は馬の飼料を刈る、現地調達の食料を刈るなどの行為や、 障害物を破壊して進撃する際に使用するなど、工兵/突撃工兵的な役割として、 武士の下部に持たせた道具の様です。 もっとも、そういった物を武具として利用する事も考えられます。 また『文正記』に「鎌熊手」、『奥羽永慶軍記』に「一尺計の両刃の大鎌」という記述がある様です。 これが一般軍装品としての陣鎌なのか、武器としての鎌なのかは不明です。 (原典にあたってみないとニュアンスが分からないですね)
>B日本において「鎖」はいつ頃から存在していたのか。また、いつごろから武器の一部、又はそのものとして使用されるようになったのか。
鎖の初出は分かりませんが(調べるのが面倒という意味) 鎖が兵器として登場するのは鎌倉時代の様です。 ただこれは鎖単体で用いられたのではなく、 相手を引っかけて落馬させたり、船から引き落とす為に用いられた 長柄の熊手に付けられた鎖としてです。 熊手に付けた鎖を長柄に巻き付けた物で、 もし長柄を切断されても、鎖が熊手に付いていれば相手を放さないという物です。 (平安時代頃までの熊手には鎖が付いていなかった様です)
>Cなんで、鎖と鎌をくっつけるのよ!?
パス。
>D「二天記」の宍戸なんたら以外に、それ以前でも以後でも鎖鎌を実際に武器として使った方はいらっしゃるの?
前述。
ってな感じでしょうか。 『古事類苑』の「武技部」辺りを検索すれば何かもっと出てくるかも知れません。 うちには「服飾部」と「兵事部」は在るんですが、「武技部」は無いのです。
2005年08月09日 (火) 11時35分
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From:ヒトシ
さっそくありがとうございます。 昨日師匠より、初段ごときが扱える武器ではないとお叱りを賜りました。 そりゃそうだ。
ちなみに師匠の興味は、神道夢想流その他の流派において初めから鎖鎌術があったのか(つまり権之助が始めたのか)、あとから組み入れられたのかという点だそうです。
>鬼武者殿
確かにどの時代にも新しい武器という発想はあるでしょうね。その時代において「鎖」を組み合わせた武器は、ハイテク兵器だったのかもしれません。 鎖自体が量産化されるにはそれなりの技術の進歩が必要だったはずで、今度はそれがいつ頃なのか調べてみたいと思います。 中国系からの影響というお話しは、興味深いです。
>木蘭殿
興味の対象外と言っていた割には詳しいですな。 その変態的、もとい驚異的情報量には驚かされるばかりです。
いわゆる鎌状のものが使用された記録は、いろいろとあるようですね。 鉄製の鎌自体は奈良時代以前から存在したようですから、鎖鎌の成立は「鎖」の歴史を調べたほうがよいのかもしれません。 そのへんを調べてみようと思います。
個人的にはCが一番興味があるんですけどね
その「古事類苑」の武技部ですか? 購入出来るようなら教えて下さい。
2005年08月09日 (火) 18時26分
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ありゃぁ枕にも高いんだぁ。 |
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From:木蘭
>「古事類苑」の武技部
ジュンク堂の池袋店には揃いで並んでいるはずです。 一冊一万円くらいで買える様ですね。 アマゾンでも扱っている様です。 でも個人的には図書館で借りる事をおすすめします。
値段はともかく、でっかいんですよ・・・。 (しかも私はネットで手に入れたら、普及版の前に出た限定版で、 これがまた一回り大きくて殺意を覚えます・・・。)
それに武技部は弓術と相撲関係の記述が多くて、余り好みの内容ではなかったと記憶しております。
2005年08月10日 (水) 10時22分
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