今回の台風は凄かったですね。色々な形で被害に
遭われた方もいるでしょう。御苦労様ですとしか
言えないのですが、僕はお店が中止になったので、
予期せぬ形で３連休になりました。ということで
早起きの子供の妨害にあいながら、この雑文を綴
っています。

まぁ、台風のことは置いといて、先週に続いて９
月末に行ってきたタイ旅行のことについて、書い
ていきましょう。先週も書いたのですが身重の彼
女と行ったので、あまり遠出は出来なくて、まぁ
わざわざタイに、そんな状態で行かなくても…と
は、言われたものの、それはそれとて、結構新た
な発見もあったわけで。我々は生活の１／３はホ
テルのＴＶを観ていました。そこに、発見はあっ
たわけです。

ホテルのＴＶですから、もちろんローカルの局に
混じって、BBCとか日本のNHKとか多彩なチャンネ
ルがあったわけですが、その中にMTVのアジア版
がオンエアされてたので、それを興味深く観てい
ました。アジアなわけですから、タイはもちろん
中国や、韓国などの音楽も流れるし、日本のヒッ
ト・チューンも流れる訳です。そこで知ったのは
DAY AFTER TOMORROWがアジア読みすると「近未来」
であるとか、そういうことではなく、なんか日本
のビデオ・クリップって実は、そんなにレベルの
高いものではないんだなということでした。
国の経済状況とかが、いくら上でもこういう文化
的なものは、あまり変わらないなら何が先進国な
のか、よくわからないものだなと感じた訳ですが、
その中で一際異彩を放っていたのが、今回のテー
マである東京事変のデビュー曲である『群青日和』
だったわけです。

東京事変、そう、つまりは椎名林檎の第２ステー
ジの華々しいスタートを飾る曲なのですが、既に
音は購入していたので、何度か聴いていたのです
が、映像と共にフルで見ると、やっぱカッコイイ
わけですよ。林檎ちゃんは。クリップ自体は何の
ことはない、パート毎にピンスポットが照らされ、
それのくり返しだったりするわけで、そこに映る
椎名林檎の瑞々しいこと。それは、決して迸る汗
だけのせいではないでしょう。彼女のやりたかっ
たことは基本的に変わってはいないものの、そこ
にバンドという一蓮托生の仲間達との一体感。こ
れが椎名林檎に新たな生命を授け、大袈裟でなく
大型新人バンド・東京事変のクーデターが幕を切
ったといっても過言ではないわけで、この躍動感
はきっと、初めて目にする他のアジア諸国のリス
ナーの目をも奪う内容となっているような気がし
ました。

一度、昇りつめるだけ昇りつめた椎名林檎という
システムをリセットしてまで始めた初期衝動は、
見事に成功したといってよいでしょう。ある意味、
リスナーを裏切る次なるクーデターの成功に期待
をしたいと思っています。迸る汗は、きっと嘘は
つかないでしょう。しかし、MTVアジアの画面に
は中国語（？）による訳詞が流れてましたが、こ
れって通じるのかな…と少し思ってしまったわけ
ですがね。