(244) 胡散臭さとドキュメント◆◆スピッツ--色色衣◆◆ |
投稿者:nabes
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仕事上、どうしても連休というのは月曜日に限って しまう。あんまり、TVを観ない僕は、そういう時 に限っては、何かを観ようとするのだが、不思議と TV運に恵まれない。最近はTV朝日の『TVのチ カラ』(表記が合っていなかったら御容赦ください) にハマっている。未解決の事件を外国から超能力者 とか呼んで、解決に向かわせるドキュメントと胡散 臭さの同居した感じの往年の水曜スペシャルに近い 作りとなっていて、予定調和の感がある『HEY HEY HEY』を見のがしたとしても、それはそれで良しと している。
そんな中で不思議と観てしまう番組がある。もう、 長寿番組と化した『あいのり』である。きっと、こ のメルマガを御覧になっている方でも観ている方は 多いと思われる。マジととる方もいるし、やらせと 取る方もいるし、見方は多種多様でいいと思う。前 述の『TVのチカラ』同様、ドキュメントと胡散臭 さのラインを綱渡りしている感じが、僕からしたら 見始めると目が離せなくなってしまう。まぁ、テレ ビ局の思うつぼですな。
ただ、連続ドラマなんかと一緒で一回観ないと、全 く事態が把握できないという難点がある。先程いっ たように、僕がこれを観れるのは、連休とかのお休 みに限り。かといって、別にわざわざ録画するほど のものでもない。なら、何故観てしまうのか?きっ と、その一因には主題歌がスピッツの『スターゲイ ザー』だからだと思われる。
王道というか、一般大衆の誰もが想像するスピッツ というバンドのイメージに従った甘酸っぱくて、切 なくて、強いナンバーである。きっと、この作品は 番組の意図に従った楽曲だということが、斜めな視 点からすると、想像できるわけだが、こういう仕事 を請け負ったスピッツというバンドに敬意もあるし、 この楽曲を通して一段階上のレベルに到達したと思 われる。
スピッツを好きな方なら御存知の通り、スピッツの バンド・サウンドはアルバム毎に強化の一途を辿り、 この段階の音は、既に消化し尽くした感がある。そ れでもそれを求める層に則って作られたこの曲は仕 事師の織り成す見事なガチンコのラブ・ソングだと 思う。まぁ、それでもスピッツらしいなぁとニンマ リとしてしまうのは、こんな素敵な曲をアッサリと B面ベストの続編である『色色衣』に収録してしま うシニカルなところなのかもしれない。あくまでジ ・アザー・サイドですよという主張なのだろう。
とはいえ、前のB面ベスト『花鳥風月』同様、この バンドには捨て曲というものがない。それでいて、 多少の実験精神も入っていて、スピッツを現在進行 形で愛する人にはたまらない作品に仕上がっている。 もちろん、昔から好きだった人のためにラストには アルバムに未収録だった『僕はジェット』も入って、 裏メニューなのに幕の内弁当以上のものに仕上がっ ている。
近く、シングル『正夢』を発売、冬にはアルバムも 予定されている彼等。熟練の業を手に入れながら、 それでも切なさを失わないというポーズを保ってい る彼等のドキュメントは、その胡散臭ささえも味と なり、まだまだ聴衆の心を離さないだろう。『あい のり』は見のがしてもスピッツだけは、ずっと聴き 逃せないことだろう。
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2004年10月24日 (日) 17時47分 |
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