「仲良くしましょう」とか、その為にも「相手の気持ちを考えましょう」とか言う作品は多いですよね。
でも、そればかりをいくら連呼されても、実際問題としてはなかなか納得はできない。「私がいくら頑張っても、ちっとも通じないんだから・・・」とか、反発しちゃうだけじゃないのかな。
ところがそれを、直截的な言い回しだけでなく、何気ないひとことや、さりげない仕草で表現してくれるのが、上原ワールドじゃないかと思ってます。
だから、好きなんです。
先月号「フォアミセス」で、せっかく先生やのんこさんのご好意でHNを扉絵に書き込んで頂きながら気付かなかった理由のひとつは、作中のセリフを、じっくりとかみしめていたからです。
それは、まさし君の「(ソバを)家族7人みな打てます。」というものでした。
聞いてた人が「ソバ屋さんか?」と思うのが常識ですよね。素人にそんな簡単に打てるものじゃない。それを誰かが覚え、そして教え、一方で皆が学ばなければならない。家全体にそういう雰囲気があって、しかも皆の心が繋がってなければ「みな打てる」ようにはならないはず。
・・・この家族はどういう家族なのか、そこにある「家族の絆」が、どれほど強いものなのか、ということが、この何気ないまさし君のひとことで、心の底まで響いてきませんか?
こういう表現が随所にある。まだ気付かないシーンもたくさんあるはず。
ソバ打ちにしたって、突然出た話じゃない。大昔の第24話で、既に大会で晃さんとうーこが優勝してますよね。ちゃんと伏線が引かれ、お話が連続してる。
これらがあるからこそ、どんな事件があっても、楽しんで読みつつ、素直に感動できるんじゃないかと思ってます。
だから、もんもが自分の出生の秘密を知ったらどうなるかなどと、心配することはなかったんですよね。
こんなに素晴らしい家に育ったもんもが、そんなに弱いはずがない。それに絶対家族が守るはず。
・・・実際、そうでした。
ただ、これがもんもにとって「試練」だったのは間違いない。そしてもんもが、これを乗り越えたことによって、ひとつ成長したのも間違いない・・・うーこがそうだったように。とも思ってます。
ここからはネタバレです(汗)。
のんこさんのブログに、思わせ振りに書いちゃったので、みゆあさんやあかねさんを始め、皆様に不快な思いをさせてしまったかもしれないことを、ここでお詫びします。
ただ、僕としては感激の余り筆が(じゃなくて、キイボードが)止まらなかったのです。
だから、もう少し書きます。
・・・せっかくキレイなお花がありながら、「お団子!」と、文字通り「花より団子」にしてしまうのは、確かにいつも通りのもんもかもしれない。
だけど、本当にいつも通りなら「うーこ、お団子買って!」と言うんじゃないでしょうか。
それが「おごったげる」「召しあがれ」なんですよね。
多分今回だけでしょう。次回からはいつものもんもに戻ると思う。
だけど、今回だけは・・・
と、もんものこころの中を、いろいろ想像してしまったのですよ。
いい子ですねぇ、もんもも、うーこも、まさし君も、穂高君も。
そして、いい家庭です、有吉家は。