「ロスト・イン・トランスレーション」の笑いと哀愁さを感じさせるビル・マーレイさんの演技でした。
その映画が好きな人はこの映画も向いているかも。
旅のお供のエチオピア音楽、ジャズなのですがメロディがわざとバラけるような所なんてカッコ良い。主人公にピッタリ。
大好きなマーヴィン・ゲイの歌も出てきてニンマリしました。
・「ブロークン・フラワーズ」OST ←おすすめ
<原題>「BROKEN FLOWERS」
<公開時コピー>「人生は思いがけない驚きを運んでくる」
2005年カンヌ映画祭審査員特別大賞(グランプリ)受賞作。
監督・脚本はジム・ジャームッシュ。
“コーヒー”と“タバコ”をめぐる11のエピソードを綴った「コーヒー&シガレッツ」を私は観ていないのですが、その中の「幻覚」にもビル・マーレイさんが出演しています。
<あらすじ> コンピューターでひと財産を築き生活には困らないドン・ジョンストン。
人生の半ばを過ぎ、かつて多くの女たちと恋をしたけれど一つも実ることのなかったドンにとって、勝手気ままな独身生活は習性になっていた。
恋人シェリーは、結婚や子供について真面目に考えられないドンに愛想をつかし出て行った。
そこへ、差出人不明のピンクの手紙が届く。
ピンク色の便箋にタイプライターで赤い印字で書かれていた内容は、
“あなたと別れて20年、あなたの息子はもうすぐ19歳になります。
彼は急に旅に出ました。きっと父親を探すつもりでしょう。。。”
というものだった。
それを聞いた親友のウィンストンは、お節介にもドンが当時付き合っていた女性たちを訪ねて回る旅を段取りしてしまう。
そして、気乗りのしないドンを強引に息子探しの旅へと送り出すのだった。。。
ビル・マーレイ Bill Murray ・・・・・・・・・・・ドン・ジョンストン
ジェフリー・ライト Jeffrey Wright ・・・・・・ウィンストン
シャロン・ストーン Sharon Stone ・・・・・・ローラ
フランセス・コンロイ Frances Conroy ・・・ドーラ
ジェシカ・ラング Jessica Lange ・・・・・・・カルメン
ティルダ・スウィントン Tilda Swinton ・・・ペニー
ジュリー・デルピー Julie Delpy ・・・・・・・シェリー
クロエ・セヴィニー Chloe Sevigny
アレクシス・ジーナ Alexis Dziena
マーク・ウェバー Mark Webber
□HP http://www.brokenflowers.jp/
(↓注 以下ネタバレあり)☆☆★★★ ビル・マーレイに☆1つw
隣に住むウィンストン一家は子だくさんで、ドンとの人生の明と暗、動と静の対比がありました。
エチオピアが好きでコーヒーや音楽や、そのキャラクターがとても良くて二人のやり取りを見ているだけでも滑稽だから、旅の計画ももっと面白おかしくひっぱっても良かったかもしれません。
演じるジェフリー・ライトさんは最近、ジョージ・クルーニー主演の「シリアナ」にも出演していました。
あの人気刑事ドラマ「マイアミ・バイス」「ナッシュ」のドン・ジョンソンと“T”一字違いという主人公。
ITで設けたのに始終ジャージ姿というのも、成り行きまかせな人生を物語っているよう。
露出狂の娘ロリータを持つ一人目の女との再会が一番マシで、どんどん気まずく空しくなっていくドン。
「自分が今どこで何をやっているかわからなくなってきた」
とウィンストンに電話をかけれうけれど、そういう人生をずっと送ってきたことにも気付いたのではないだろうか。
熟女たちの演技もとても良かった。
シェリーはピンクのスーツ。
ローラはピンクのバスローブ。
ドーラはピンクの名刺。
カルメンはピンクのパンツ。
ペニーはピンクのタイプライター。
ドンも負けじにピンクの花束を持ってゆく。ピンク似合わない(苦笑)
飛行機内で隣の少女が人形の馬の鳴き声でドンを驚かせたり、クスリとさせられるシーンも多い。
ロードムービーはテンポが良くないと眠気を誘うので注意。彼は寝てました。フフフ
結局息子はどーなのよ?というところで終わり。
個人的には最後の車内からジッとドンを見ていた青年かな、と思うのですが。。。(実生活では親子のようです)
旅を終えたドンは、(息子かも?という気持ちもあってか)初対面の青年におごってやるという、前向きな態度を見せてくれました。
過去でも未来でもなく“現在(いま)”を大切に。
現在=Presentという呼び方がけっこう好き。
ビル・マーレイさんは「恋はデジャ・ブ」が大好きだったのですが、ああいうラブコメはもう演じないのかしら。。。
2006年5月7日(日)MOVIX三郷