●23日09時14分:関東東方沖 M6.5 震度1
○概要
関東東方沖で、M7に近い大きな地震が発生した。
しかし、震度は、宮城から静岡までの広範囲であったが、震度1であった。
○予想との関連
9/22、9/23の日報で、
「「首都圏、茨城県南部地震や千葉県東方沖地震を中心に、最大震度5弱(ごく一部地域で、震度5強)の強い地震に警戒」」
千葉県東方沖に近い位置で、大きな地震で予想通りであったが、震度は1で、予想よりかなり小さく、不幸中の幸いだった。
○解析
図2016092301に、今回の震源付近で発生している活発な地震活動とその特異性を示した。
http://www.tochiginokenkyusha.com/ikase8/bousouoki2016923.jpg今回の震源付近では、
9/16:M4.6、9/22:M4.7、9/23:M5.3、9/23:M5.3、
9/23:M6.2(上記記載の有感地震)
9/23:M4.5、M4.9、M4.5、M5.2、M5.1
9/23だけでも、M4.5以上の地震が6回も発生しています。
位置的には、房総半島南東沖の三重会合点の北側です。
今回の震源付近では、2012年に大きな発見が発表されました。
2014/1/14に詳しく報告しましたが、
渡辺満久(東洋大)・中田 高・後藤秀昭(広島大)・鈴木康弘(名古屋大)・隈元 崇(岡山大)・
徳山英一(東京大)・西澤あずさ(海上保安庁)・木戸ゆかり(海洋研究開発機構)
日本海溝とその周辺の活断層と巨大地震
2012年度日本地理学会春季学術大会 日本地理学会発表要旨集100047
(引用開始)
房総沖から三重会合点以南にかけての海溝軸の陸側に、
比高2000m、延長300kmに達する変動崖が連続する。
また、三重会合点より南では、さらに西側に比高 3000mを超える大規模な撓曲崖が発達している。
(引用終了)
2012年学会発表されたように、
房総半島南東の太平洋の海底に、これまで存在が知られていなかった長大な二つの活断層が存在する
長さは160キロと300キロで、一度にそれぞれの断層全体が動けば、いずれもマグニチュード(M)8~9の地震を起こす可能性がある。
上記の渡辺満久・東洋大教授(変動地形学)は
「ノーマークで未調査の活断層。強い揺れや津波が関東南部や東海地方に及ぶ可能性があり、早急に詳しく調査するべきだ」と述べています。
○1950年以降の房総半島南東沖の三重会合点付近のM6以上の地震(USGS:DB検索による)
今回の震源位置の三重会合点の北側のM6以上の地震は、三重会合点の南側に比べて、かなり少ない。
三重会合点の北側の地震で、大きな地震は何といっても、1953年房総沖地震です。
1953年(昭和28年)11月26日2時49分に発生した地震。
震源の位置は、北緯34度9分24秒 東経141度24分12秒、規模はマグニチュード7.4(Mw 7.9)。
銚子付近で2~3mの津波を観測。この地震では初めて津波警報(大津波)が発表された。
今回の震源の凡そ20km北東が1953年房総沖地震の震源だった。
位置的にみると
2012年に発見された上記記載の東側の300Kmの巨大な活断層の一部が、動いたように思われます。
この巨大な活断層では、上記記載のように、東側の300Kmの巨大な活断層全体が動けば、M9に近い巨大地震が発生します。
蛇足ですが、三重会合点の南側の最近のM6以上の地震。
2004/5/30:房総半島南東沖:M6.7:伊豆諸島の三宅島、大島、八丈島等で10cm未満の高さの津波を観測
2005/1/19:房総半島南東沖:M6.8:伊豆諸島の三宅島、大島、八丈島等で30cm以下の高さの津波を観測
(この半年後の2005/7/23:千葉県北西部地震:M6.:震度5強、都心で大きな被害が発生)
今回の9/23:M6.5の地震で、津波の発生もなく、運がよかった。
○今後
当面は、今回の「「房総半島南東沖の三重会合点の北側」」の活発な地震活動がいつまで続くのか。
数種類の観測から推察すると、後続する大きな地震が懸念されます。
揺れや津波防災の確認をお勧めします。
また、報告します。