●房総沖巨大地震モニタリング9/6追記4
新妻地質学研究所
月刊地震予報83)マリアナスラブと伊豆スラブの地震・三陸沖の地震・2016年9月の月刊地震予報
2016年9月7日 発行
(引用開始)
4.2016年9月の月刊地震予報
熊本地域の地震は,2016年8月に初動発震機構解(速報値)が5個・精査後7個・CMT解2個であり,
4月の186個・17個・10個から,
5月の33個・8個・0個,
6月の10個・4個・1個,
7月の7個・11個・1個と
7月からの長期化傾向を保持しており,警戒が必要である(2016年4月・5月・6月・7月・8月西南日本月別IS).
2016年8月のマリアナスラブ・伊豆スラブの地震は,
同心円状屈曲したまま下部マントル上面に達するマリアナスラブと
平面化して下部マントルに突入する伊豆スラブの活動が活発化していることを示している.
この活発化は,太平洋スラブ全体の下部マントルへの崩落の鍵を握っていることから,
両スラブの間に予想されるスラブの裂け目上に位置する西之島の火山活動の動向(速報48),
日本列島全体における応力状態の改編に対応した新たな地震の発生にも注意が必要である.
フィリピン海プレートの沈込域の1994年10以降のプレート運動面積に対する総地震断層面積の比は,
熊本地震が起こり0.484から0.506に増大したが,8月までに0.505と減少しており,西南日本から琉球域の巨大地震への警戒が必要である.
(引用終了)
★★
1、マリアナスラブの同心円状屈曲と伊豆スラブの平面化
上記マリアナスラブの同心円状屈曲と伊豆スラブの平面化の詳しい解説は、
上記月刊地震予報83)の第2項をお読みください。
2、「太平洋スラブ全体の下部マントルへの崩落の鍵」
上記記載の「太平洋スラブ全体の下部マントルへの崩落の鍵」は依然詳しく報告した通りです。
再度記載します。
2015年5月30日の小笠原西方沖地震M8・1、深さ682kmは、
「メガリスの崩落」(太平洋プレート伊豆スラブ南端の下部マントルへの崩落)であったと解析されている
「メガリスの崩落」は
入舩徹男 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター長
新版:地球旅行(3)5マントルをゆく
→こちら
http://www.grc.ehime-u.ac.jp/legacy/titei-1-3.html非常にわかりやすく書かれています。
沈み込むプレート(スラブ)が、マントル半ば660km付近にしばらく滞在後、下部マントル中へ落下するという考えは、
洋式水洗トイレの水を流す (flush)ことに例えてフラッシュモデルと称されています。
ちょうどXXXが便器 の底に吸い込まれるように、プレートの塊は下部マントルへ落ちていくことになります。
2006年「日本沈没」→こちら
https://www.youtube.com/watch?v=HDMa0MAjjFkウインドーの下スライダーを動かしてこの映画の
6分10秒から8分までのところを見てください。メガリスの崩落という現象を説明しています。
3、予想巨大地震との関連
マリアナスラブと伊豆スラブ。活動が活発化しています。
両スラブの間に予想されるスラブの裂け目上に位置する西之島を新妻先生は注目されていますが、
私どもは、この一帯で、巨大地震が発生すると予想しています。
日本で最も大きな地殻変動が現在発生している場所です。