本日は、大きな変化もないので、
スーパー巨大地震である東日本大震災の前兆の出現を順に整理します。
(主として20120922報告の再掲)
現在、モニタリング中の房総沖巨大地震の発生時期予想を的確に見極めるためです。
1,東日本大震災前の地下水及び大気中ラドン濃度変動の概要
2011年日本地震学会;秋季大会;;A32‒09
東北地方太平洋沖地震(Mw = 9.0) 前の大気中ラドン濃度変動について
長濱裕幸(東北大)・安岡由美(神戸薬大)・鈴木俊幸・本間 好(福島県医大)
東北地方太平洋沖地震の震央;三陸沖震央の凡そ南西150kmの福島市で、
2010年6月~2010年12月初旬まで、大気中ラドン濃度が増加した。
それに同期して、
本州中部地方の福井県大野市地下水中ラドン濃度が、
6/14、7/14、10/4、10/9に、極めて大きな変動を示した。
福井県大野市から約100km南南東の愛知県西部のレモン愛知さんの大気中ラドン濃度は、
福井県大野市で最後にウルトラ異常値を観測した10/9の8日後にあたる
10/17頃から顕著に上昇し、
11/15に91ベクレルを観測し、その後急降下し、12/29には、20ベクレルとなった。
その後、概して、上記三者は停滞期間;静穏期にはいり、
東北地方太平洋沖地震発生までの約3カ月間、静穏期間だった。
2,東日本大震災前の衛星画像解析;本サイト2012/01/10報告
1)大気重力波やさざ波雲の発生回数
2011/2/1以降地震発生までの41日の間に、東日本に、21回発生しています。
西は福井、東は、北海道までです
大気重力波やさざ波雲は、地表面の振動(微振動)で発生すると考えられています。
本サイト;地震予想の基礎その2→こちら。
http://www.tochiginokenkyusha.com/ikase7/ikase7kiso2.html2)東北地方から関東の大気重力波とさざ波雲
東北全域に広がるような広範囲な大気重力波又はさざ波雲は、
2/3,2/16,2/19,2/27,3/2,3/4,3/9の合計7回発生しています。
特に、2/27が鮮明なさざ波雲が、東北全域に発生しています。
3)福島周辺
41日間の前兆で、特に目立つのが、福島周辺です。
(上記の大気中ラドン濃度の変動報告も、福島市観測です。)
2月7日;;福島周辺にはさざ波雲。
2月10日;;朝から夕方まで、福島から沖まで大気重力波。
2月14日;;福島の周辺で狼煙雲。
2月27日;;福島には、鮮明なさざ波雲が並んでいます。
3月4日;;新潟・長野北部・群馬・栃木・福島のエリアに、さざ波雲崩れのような大気重力波。
4)誘発大地震もきちんと前兆が現れていた。
3/12;長野県北部;M6.7;最大震度6強、
3/12;秋田県沖;M6.2;最大震度4、
3/15;静岡県東部地震;M6.4;最大震度6強;富士宮市
これら誘発地震とされた、大地震もきちんと衛星画像に前兆が出現していました。
3/12;長野県北部地震;M6.7→2/17、2/25、3/4、3/6
3/12;秋田県沖;M6.2→2/6、3/5
3/15;静岡県東部地震;M6.4→2/19、3/5
3,上空の電離層全電子数:GPS/TEC:2012/6/26、2012/8/19報告
Diminitar ouzounov et al(2011)
Atmosphere-Ionosphere Response to the M9 Tohoku Earthquake Revealed
by Joined Satellite and Ground Observations.
Preliminary results
Earth Sci (2011)24: 557-564
この文献の図20120819_2のBの図からわかるように、
3・11の13日前の2/26から徐々に、TEC値の異変が始まり、
3/8に最大になっていることがわかります。
★★
上記の大きな3つの地震前兆をまとめますと、
まず、
◯大気中ラドン濃度→大きく上昇、下降、次いで停滞期間(静穏期)
◯ラドン濃度が、停滞期間にはいる前後(東日本大震災では、停滞期間突入40日後)から
衛星写真で、大気重力波が頻繁に出現→地表面の微振動が頻発していることがわかる。
◯大気重力波がさざ波雲に変わる頃から、
上空の電離層全電子数:GPS/TECに変化が生じ始める。
2/26-2/27です。
空の掲示板9088//2月27日;;
午後16時頃からさざ波雲が顕著に現れ始めてきた。福島には、鮮明なさざ波雲。
◯前兆現象のクライマックス→3/8-3/9です。
上空の電離層全電子数:GPS/TEC値の増大が最大値となる→3/8
空の掲示板9143//3月9日;;
やはり東北沖に広範囲に大気重力波が発生しています。
ノイズもみられ海岸沿いに沸立つ雲が見られました。
また、房総半島周辺にも小規模の波状雲と無数の帯状雲が見られます。
遙か東方沖には整列雲が見られます。
まとめますと、
同じスーパー巨大地震である東日本大震災の前兆の出現を順に整理した。
◎大気中ラドン濃度→大きく上昇、下降、次いで停滞期間(静穏期)
◎ラドン濃度が、停滞期間にはいる前後(東日本大震災では、停滞期間突入40日後)から
衛星写真で、大気重力波が頻繁に出現
◎大気重力波がさざ波雲に変わる頃から、
上空の電離層全電子数:GPS/TECに変化が生じ始める。
2/26-2/27です(凡そ地震発生2週間前)
◎前兆現象のクライマックス(凡そ地震発生3-4日前)
上空の電離層全電子数:GPS/TEC値の増大が最大値となり、震源域に広範囲に
大気重力波が発生。
衛星画像ノイズ(地震電磁気現象)。海岸沿いに沸立つ雲(地温上昇を表す)。
ラドン濃度のモニタリングで、減衰収束
↓
衛星写真での現象雲
↓
上空の電離層全電子数:GPS/TECの変動(大気重力波がさざ波雲に変わる頃)
この流れを基礎にして、
超難しいスーパー巨大地震発生時期の予想をしていきたいと思います。
よく言われるのが、
被害地震は、その前兆の痕跡を残す。
でも、その次の被害地震では、姿を変えて、カモフラージュする。
前の前兆と全く同じことはない。
再度、心に刻んで、判断を間違えないようにしたいと思います。