-------------------------------------------
[285]おなまえ:おーはし
------------------------------------------------
終わり良ければ全て良し って言葉があるけど正にその通りで。。。
どんなに厳しく辛い人生でも、 死ぬ時に笑顔でいられたら最高だと思えるかも。
仕事だって切羽詰って行き詰っても、 うまく達成出来たら気持ちのいいの仕事になるし。
恋人同士のデートだって、 例え一日中ケンカばかりでも別れ際に 仲直りのキスが待ってたらハッピーハッピー☆
それほどラストは大切なものだろう。 終わりは最高がいいに決まってる。
第一印象で全てが決定? それもアリ。 しかし“最終印象”はそれを凌駕するかもしれない。
劇団本谷有希子公演 『遭難、』 作・演出/本谷有希子 青山円形劇場
上演開始からみょーな胸騒ぎ。 「この芝居やばぃかもな…」 「乗れねぇぞ、これ」 第一印象悪し。
台詞も演出もピリッとしてる。 笑い所もきっちり笑える。 役者も達者で違和感ない。
だが、このやばさは何だ? この、つまんない芝居に共通の “向こう側でやっていらっしゃる感”は何だ?
中盤以降、 そのやばぃやばぃが的中する。 そして原因が分かる。 「あぁ、これ、台詞で押し過ぎてるんだ」
もの凄く心理描写が細かいんだよ。 それが手に取るように分かるんだよ。 ホント、 みんながみんな、 ドンドンドンドン追い詰められていってさ… 自分で自分を追い詰めたりしてさ…
いいんだよ。 分かるんだよ。 でも、、、 分かり過ぎ。
なんかこぅ… 芝居観てるってより、 作者の意見を聞いてるって感覚になるんだ。 論文までは行かないけど、 メッセージ性の強い小説読んでる気分。
メッセージ自体はいいんだよ。 とっても共感するし、 なるほど〜と思わせる。
ただ… 芝居になってない。 (ごめんなさい)
そしてラストがやって来る… そして、 そんな芝居の終わりがやって来た…
自分を追い詰めて、 他人に追い詰められて、 ぼろぼろになった人物。
窓辺に立つ。 ゆっくりと… ゆっくりとしたスクロールで 照明が夕日に変わる。 その中で泣き続ける人物。
ここまではなんてコトない(笑) 無難なラストかもしれない。 ところが…
次のアクション。
あ〜 あ〜!あ〜!あ〜!
ニンマリだよ♪ニンマリ♪♪ 自分の顔がほころぶのが分かる。
これだよ、これ! これを観たかったんだよ、本谷さん♪ 終わり良ければ全て良し!
しかし…
どんなに台詞過剰とは思われつつも、 作り手が観ている側を惹きつけてないと ラストには目が向かない。 意識は切れる。 俺は意識が切れていなかった。
最終印象で全体像が変わってしまった芝居。
2006年10月17日 (火) 00時01分
|