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■Voice From おーはし■

ちわっ!みなさん。
このコラムコーナーは、俺が日頃思っていること
…例えば、舞台や映画を観ての感想や音楽を聴いて感じたこと、
小説を読んで思ったこと、道を歩いていて気づいたこと、
ごはんを食べての満腹感、まる半日寝た後の爽快感などなど、
そんな日々のあれこれを、どくだんとへんけんにミチミチて
語ってしまおうというものです。…もちろん、ケトイシのことも!

不定期更新。気が向いたトキが更新日。

━ 2002.11.19 OPEN ━

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voice67■短くてゴメン。その6


    RES 
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[133]おなまえ:おーはし
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脱稿だよ。本日脱稿!
まるでトゥエンティトゥ・トゥエンティーズだぜ!
(今、ステレオから鳴っているから。あはっ!)

とっても役者に任せられている本だと思う。
そして誰もが一翼を担っている台本だと思う。

今日の脱稿分がラスト8ページ。
そこまでの展開で俺の役は終わりかと思っていた。
…ところが終わりは来なかった。

出てんじゃん!カッチョいい台詞もあんじゃん!
…正直、怖い。
…ふあん。

でも、役者の俺が任された事をしっかり、ちゃんと
着実にやればいいのだと思う。それが俺の仕事だ。

全キャストみんなが輝かなければならない芝居だ。
ビッグウェーブに乗っからないとコケるぞ!

…やっぱこの曲、合ってるなぁ。
トゥエンティトゥ・トゥエンティーズ
『シュート・ユア・ガン』

…俺的コスモル「囚」イメージソング。



2004年11月08日 (月) 01時06分





voice66■短くてゴメン。その5


    RES 
-------------------------------------------
[132]おなまえ:おーはし
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そっか!スパスパ切り替えていけばいいんだ!!!

この役は継続的な気持ちの流れの中に身を置いてない。
ブロックごとに気持ちを置いている。
ブロック中の気持ちは濃密なのだがすぐに移り変わる。
スパスパ切断してスイッチしまくっている。

俺は役全体を気持ちの流れで追おうしていたんだ。
流れで捕らえようとし過ぎていた。

ガーン!

…気づかされたぜ、今日の稽古によっ!


2004年11月05日 (金) 23時54分





voice65■短くてゴメン。その4


    RES 
-------------------------------------------
[131]おなまえ:おーはし
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稽古後、家に戻ってぼんやりしていたら携帯がなる。
…共演者からだ。

芝居は仲間と作るもの。…そんなの当然のことだ。
ただ自分の性格的に、気持ちが切迫感に陥った時、
対象が自分へ内へと向かいがちになる。

芝居は仲間と作るものから、芝居は自分と作るものへ。

「協力よりもまず、己を立て直せ!」となってしまう。
…悪いのは自分。敵は我にあり!ってね。

周りが見えていない一人よがりの芝居はいやだ。
それだけは絶対避けたい。
…だからさっきの電話は心にあったかい。

一人じゃ出来なくても、二人三人四人と集まれば
今の俺の悪い状態も何とかなるものだし、ひょっとしたら、
それ以上の何かでかい事が出来る気もする。

絶対一人じゃ出来ない凄い事!
…だよね。


2004年11月04日 (木) 23時56分





voice64■短くてゴメン。その3


    RES 
-------------------------------------------
[130]おなまえ:おーはし
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コスモル稽古場、只今カゼがおーはやり〜!

確かに季節の変わり目だろうけどさ、ケトでも
こんな大人数がメロメロになった事はなかったなぁ。

カゼをひくのは気合が足らん!
…というのはアリ。

これは根性至上主義でも何でもなく、
何かに熱中していたらカゼなんか飛んじゃう。

…でもさ、そんな熱中精神的持続を間断なくやってたら、
ふと気を落ち着けた瞬間にカゼにかかっちゃう事もある。

みんなそんな感じなのかなぁ〜。
…実は、ただの不注意だったりして。…あはっ。

演出は大変だろうな〜。座長も大変だろうな〜。
そうそう、座長さんもカゼひいちゃったの!
熱があるのに無理して稽古場に来ていた。
…でも座長は絶対“気を落ち着けた瞬間”タイプだぜ。

座長はビッシ!としとるもん。
奴はマジ役者だもん。

俺?…違った意味でカゼひかん。バカは何とか的に。


2004年11月02日 (火) 23時49分





voice63■短くてゴメン。その2


    RES 
-------------------------------------------
[129]おなまえ:おーはし
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今日は稽古場での稽古も、その後ちょっとした用事で
芳川と会って話したのも、何となくここまでの
“総括的一日”な感じになった。

役者の佇まいとは何だろう?
役者は演出に向けられるもの?…役者は本に向かうもの?

それとも役者は自分に向かっていくの?
自分がもらった役に向かっていくの?

やっぱ、これだよね。

…そう感じた今日この日。
ちなみに芳川も俺と同時期に公演をやる。

同じ悩みを抱えていた。でも解決の方策はあるんだ。
…俺は俺を生かされるのを望んでやっている。
…自分を生かすために芝居をやっている。
…自分の役を生きるために芝居をやっている。

そのためなら、いろいろやれるよ。


2004年10月30日 (土) 03時56分





voice62■短くてゴメン。


    RES 
-------------------------------------------
[128]おなまえ:おーはし
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稽古きちぃー。

コスモルの稽古、きちぃー!
…いや時間的稽古じゃないんだよ。

俺のところの稽古は、最近はご無沙汰しているんだけど、
その数日前に受けたダメがきちぃー!
…つまり内容的稽古ね。

ほんと、自分の出来なさに痛感つうか、泣くぜ俺。
…自分で気づいていなかった事に気づかされたというか、
気づいていたけど、見て見ぬ振りしていたというか、
そこの所を突き詰めずにあの頃芝居やっていたんだ…。

…だからきちぃー。
言われた瞬間も、今も、ボディーブローみたく。

けど、何とかする。
うん。
おう。
やー!

…待ってな、お客さん。


2004年10月28日 (木) 01時40分





voice61■梯子のはなし?


    RES 
-------------------------------------------
[127]おなまえ:おーはし
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その昔、こういう芝居を観た。
…二人の男女が知り合って恋をして、男の方が
死んでしまう。そして、葬儀を行うことになる。
その時点から、時間を遡って描く物語。
つまり、芝居の幕開きはその男の葬式から始まる。
しかし、回想形式は取っていない。
場面が時間逆流するだけ。

…あれは面白かったな。
…いや、その形式手法じゃない。
…その芝居が。

そんなことを思い出した。この小説を読んで。

「ヨークシャーの荒れ野で農場を営むキャロルのもとに、
奇妙な男が転がりこむ。不運な経緯から彼女は男に
怪我を負わせ、回復までの宿を提供することにしたが、
意識を取り戻した男は、過去の記憶がまるでないと言う。
幻惑的な冒頭から忘れがたい結末まで、圧倒的な筆力で
紡がれる悪夢と戦慄の謎物語。驚嘆のデビュー長編!」

…以上がこの本の内容紹介文。
小説は、ジェレミー・ドロンフィールド『飛蝗の農場』。
※飛蝗はバッタと読むそうな。勉強になるなぁ。

奇妙な男は、スティーブンだったりナイジェルだったり
ミッシェルだったり、そしてアランだったりと名前が
くるくる変わる。…いわゆる逃亡者。

物語には二つの軸があり、ひとつはこのスティーブンと
キャロルのラブストチックな話。…でも男の方が怪し
過ぎるので甘いコイバナにはならない。何だか不気味!

もうひとつは、各所でのスティーブンの逃亡生活の話。
…これが読み解くのに厄介で、何で厄介かというと
事象の時間がバラバラに綴られているのだ。
つまり、A→B→Cと進むところが、B→A→Cと
なっていたりする。それでも書いてある内容は難解でも
何でもないので、読み進めて行くうちに理解は出来る。

…B→A→Cっていうのはあれですな、
梯子に登って作業していたら、その梯子をいきなり
外されて、落下するようなものですな。
…梯子を外される事が分かっていれば、何とか対応
出来ますもんね。…人間、こうしてこうなるという
時間に沿った予測的事象が狂うと慌てるものです。

…でもどうやって対応するんだろ?
…梯子がいきなり外れるんだろ?
…分かっていても落下するな。俺ならきっと。

例えば、次に何が起こるか分からないというドキドキが
ある。その場合、ある程度時間に沿って物語は進行して
いる。もちろんドキドキさせるためには、間違いなく
見ている側を裏切らなきゃいけないので、かなり手の
込んだ次の展開が必要だろう。…予測不可能な事態。

ところがこの小説の場合、次に何が起こるんだろう?
ではなく、次に何が書いてあるんだろう?となって
しまう。何しろ進行がバラバラなもんで。…すみません。

「あんだよ!面白くねぇんじゃねぇか、この小説!」
…と、お思いのあなた、それは違います。

確かにB→A→C的に進行するストーリー展開だけど、
XYZあたりになると、ビッシッとすべてが結びつく。

「そりゃ最後ぐらいまとめてもらわんと困るがな!」
…と、お怒りのあなた、その通りです。

問題なのは、ラストまで読者を引き付けるそのやり方。

次に何が起こるんだろう?も希望と期待なら、
次に何が書いてあるんだろう?も希望と期待。
…その希望と期待を読む側に持続させるのは、
この小説の場合、全編に漂うあやし〜い空気だ。
そして怖い事に、とっても“血の匂い”がする。
なのに血がない。出て来ない。…匂いだけ。
―だから怖いのだ!

これは引きずられる。この充満する高濃度の圧力を
打破しようと、勢いラストまで読み進めてしまう。
…ま、ラストはやっぱり血だらけなんだけどさ。

時間を遡ったり、時間をバラバラに描く事は
取り立てて珍しい事ではない。そんな手法はありきたり。
…そりゃ時間が順序立っていないので、
その時間の亀裂、断崖、隙間から何かを感じることはある。

梯子を外された途端、人生の全てと生きる真理を
そこに見てしまうのと似たようなものだ。
↑ほんとかよ?

要はそういう手法を使うにしても、いい作品になるか
どうかは、その作り手のセンスと筆力、心の筆圧かな。
…心の筆圧。
…お〜、我ながらいい表現!

そうそう、クドカンの『木更津〜』も裏攻撃とかで、
キュルキュルキュルって巻き戻して、そこまでの話の
裏の出来事を描いていたな。主にうっちー活躍。

あれもただ見ている分には、くだらなくて
可笑しいんだけど、やろうと思えば同じ時間軸で
語れないことはない。「一方こちらでは…」っていう
進行にすればいいんだもん。

でもそうしないところに『木更津〜』の成功の素がある。
「くっだらなくって可っ笑しいぜ!」ってなるのね。

たまには梯子を外す人になってみよう。
…でもそれが相手にミエミエでうまく外せない
場合もある。…ばれていなくても、タイミングがずれて
相手が登り切ったあとに外す場合もある。…間の悪い奴。

あ〜、俺ってそういう所があるんだよね。
―心に筆圧を!



2004年10月09日 (土) 07時24分





voice60■お別れ。


    RES 
-------------------------------------------
[124]おなまえ:おーはし
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増田信之と安藤奈緒子がケトイシを去って行く。
今後は余程の事がない限り、劇団はもちろん、
役者活動もやらないらしい。つまりカタギになるのだ。
…というわけで、お別れ会。

昨年夏にケトイシを抜けた芳川優子が発起人で、
先月末、下北しゅうご〜!
…今でも衣装やWEBを担当しているが、実は秋に
辞めていた天野七海、いつ辞めたか分かんないんだけど、
毎回公演ビデオを撮ってくれている加東トシキ、
ちらしデザイナーの清水裕一郎、で、今でも
ケトイシ現役の浜野隆之と高橋ゆうきが集まる。
…途中からは前説男、実は役者の小野野球氏も登場。

『つぼ八下北沢南口店』に一直線で向かう俺に、清水が
「大橋さんはどうしていつもチェーン店飲み屋なの?
…こんな時ぐらいもっとマシな所に行こうよ」
俺は「金が無いんだからしょうがないだろ」と答える。
事実ほかのみんなは一直線でもな〜んも文句は
言わんもんね。…演劇人はビンボーなのだ。

金が無いとはいえ、二人の飲み代はみんなで持つし、
プレゼントだってしてあげるのさ!太っ腹!でかっ腹!

増田は芳川が選んだその贈り物のパジャマに大喜びで、
いきなり全裸になって着出した。…いや、全裸に
なったのはその場じゃないよ。トイレだよ。←ち!

でも増田っていう奴は、稽古場でも舞台上でも
脱ぎたがりだったよな〜。ちらしやHPの写真も
指定もしていないのに全裸で写ったりして…。
全裸じゃないか。上半身だけか。←ち!

その内、それぞれが二人に対する思い出話をしたりして。

増田と仲の良かった高橋は、増田がいたから
今の自分はケトイシにいるんだみたいな事を言ってた。
実は高橋が入団してから、随分メンバーが抜けた。
お前のせいだ!という冗談も言えなくなって来たな〜。
…高橋が悪いんじゃないんだけど、あいつもへこむよな。

何事も無難にまとめる浜野は、やはりここでも無難に
まとめていた。でも二人が辞めると知った時、
一番ショックを受けていたのも浜野なんだよな。
いつも稽古場でやってた安藤とのケンカは面白かった。
…もちろん仲のいいケンカなんだけど。

加東は小川直哉の試合を見た後らしく、いつも話の
途中で固まってしまうのに、珍しく淀みなく語っていた。
…これも会場で買ったハッスルタオルのおかげか?
あいつは増田と同期入団だったのだ。5人ぐらいの男が
入った時期だ。ついにその頃のメンバーもいなくなった。
…感慨もヒトシオだろうな。

清水はメンバーとはあまり接する機会がないのだが、
公演だけは毎回観ている。…いい事言ってたよ。
「芝居をやる事ってとっても大変でしょ?だから
これから先、どんなに大変だと思える事があっても
やっていけるよ。…人ってかなりのものをやったら、
それ以下ものは何とか出来るもんね」

天野は聞きたがっていた。…どうして辞めるのかを。
自分が辞めた後に、またすぐ二人が辞めるのが
寂しかったのかもしれない。悔しいのかも。
あと、この二人って、劇団で本当によくやってたから
信じられないという気持ちもあったのかもな。

芳川は何を言っていたのか覚えていない。何かいろいろ
ごちゃごちゃ言ってたな。…でも最後には泣いてたな。
…芳川はこのケトイシでは、見かけは全然違うけど
“お母さん的存在”だったから尚更だよな。

野球さんはいい人だ。ケトイシとはまだ付き合いが
浅いんだけど、何かの集まりには必ず参加する。
…野球さんは安藤の前回公演イカマン役が大好きなのだ。
イカマンがくるくる回るアイディアをくれたのもこの人。
…あ、芳川も。
「増田君?…増田君は増田君でしょ」という彼の発言は
増田のすべてをあらわしている。

俺は何言ったか忘れた。というより何も言えんかった。
…何か言おうと思ってもうまく言葉に出来ない。
あれ?おかしいな?いつもなら適当にうまくごまかして
べらべら語るのに。…どう言っていいのか分からん!

お別れ会だから、別に楽しいものじゃない。
メンバーが抜けるのだから、喜べるものじゃない。
…そこには抜ける側、抜けられる側の思いがある。

でも思うんだ。…自分の人生、自分で決めな。
自分の好きにすればいい。それが生きてる意味じゃん。
でも責任は持てよ。それからウソはつくなよ。

…これって結構大変なことだけどさ。
…全然簡単じゃないけどさ。
…俺もかなり闘ってるんだけどさ。

責任を取るのは他人に対してじゃない。自分にだ。
ウソをつかないのは他人に対してじゃない。自分にだ。
他人なんてどうでもいい。

…そして日々は流れる。
先日は浜野と高橋と俺とで、次回1月公演に向けて
誘った役者さんと面談。そのあとは出演者募集情報に
ついて三人で頭をひねる。ハマの責任重大。いえ〜い!
11月には俺の十年ぶりの舞台もある。怖っ!

…日々は流れているのだ。



2004年10月01日 (金) 12時30分




そうですか・・・


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[125]おなまえ:とも
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増田クンと安藤サンが・・・寂しいですねェ、いや、なにがって、その集まりに声もかけてもらえなかったのが・・・(笑)
 ま、冗談はさておき、誰が選んだわけでもなくご自分たちでお決めになったことなんでしょうから、どんな道をお進みになるにしても、明るく楽しく歩んでいただきたいと思います。
 オーハシさんのおっしゃるように、ご自分たちの人生に責任取れるのはご自分たちだけなんですものね !


2004年10月03日 (日) 12時16分




ともさん


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[126]おなまえ:おーはし
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ありがとう!


2004年10月04日 (月) 01時55分





voice59■今夜はジャージー


    RES 
-------------------------------------------
[123]おなまえ:おーはし
------------------------------------------------
アマゾンから届いた郵送物を開封する。
この際、ある注意が必要だ。

ハサミを使うな!手でやぶけ!
ビリビリビリビリ手でやぶけ!
…そうしないとあの内側にある波型の接着剤の罠に
はまってしまう。ハサミでやぶくと永遠に開封が
出来ないのだ。だってハサミちょきんで、
その部分にまたまた接着剤が浸透するんだもん。
…厄介だぜ、アマゾン。

もう三回以上は注文した実績があるのに、またもや
そのトラップ・オブ・アマゾンにはまってしまった俺は、
両手を使いようやく目的のオーダーCDに巡り合えた。

カーティス・フラー『ブルース・エット』
…モダンジャズの名盤中の名盤。

聴いた感想は「い〜ねっ!」(←CKBの横山ケンさん)

ジャズなんてほとんど聴いた事がない俺は、正直最初は
「ありゃ!?」と思った。もちろん注文した以上、
このCDから流れ出て来る音楽はJAZZという
ジャンルの音だと分かっていた。
…だってそれを頼んだんだもん。当たり前だ。

だが実際聴いたら、何かピンと来ない。変なの。
…俺んちにジャズが流れているなんて。

ショットバーに流れている音楽だよね、
モダンジャズって。…あとはなぜか焼き鳥屋でも
耳にする。…思い出すのは下北のあそことあそこと…。

そんなジャズの流れているショットバーで、遥か昔に、
知り合って間もない野郎とバーボン片手に口論に
なった事があったな。俺も野郎もかなり酔っていた。
そしてかなり言い争った。思い出そうとしても
思い出せないほど、くっだらない事で。

…その野郎とはお互い店を別々に出たな、確か。
…そして、今では別々の人生を歩んでいるって訳か。
…これもジャズな一夜の出来事か?
…クックックックックッ…。

馴染まない俺の部屋にこの音楽を馴染ませるために、
試しに酒を飲みながら聴いてみる。
…ウイスキーがなかったので、ウォッカなんだけどさ。
…ウォッカって言ってるけど、実は焼酎なんだけどさ。

…いいじゃん、ウォッカは日本の焼酎っていう解釈でも。
…悪い?…悪いかよ〜。ぷんぷん!

【解釈は無限であり、解釈は規定されず、また解釈は
極々個人的領域に帰すべきものである】
〜おーはし名言集より〜

「い〜ねっ!」(←ケンだよ、ケン!)
お酒にぴったり。粋だね。粋に飲めるね、この音楽!

そりゃ、酒に合う音楽っていろいろあったよ。
…去年の後半はエミネムだったな。今年前半は
ヤーヤーヤーズだった。…ずっと前は山下達郎で一晩
明かした事もあった。達郎で飲むと泣いちゃうんだよね。
…憂歌団は永遠の“酒のつまみバンド”だよなぁ〜。

でもこれ全部、ロック/ポップスの範疇なんだよね。
ノリが違うんだよな、ジャズは。

横に揺れて行く、ジャズはね。ちょっと憂歌団に
近いものもあるけど、やつらは演歌的ブルースじゃん。
ジャズはもっと横揺れ。…あ、今飲みながら書いている
俺の体が横に揺れてるわけじゃないから。心はタテよん。

でもさ、ただ単に横に流れるだけじゃ、へたすりゃ、
パーシーフェイスだよね。人畜無害、脳味噌カラカラ。
…パーファン、ごめん。

聴いていると必ずやって来るのが心に響く絶頂期。
「いよっ!カーティス!」と、声を掛けたくなる瞬間。
これって歌舞伎と似ている。―いよっ!○○屋!
それまで横揺れしている分、そんな瞬間が効くんだよね。

横ノリが縦ノリに“ぐにゅ〜ん”と変わる瞬間が
たまらない。…大切なのは、すぱっ!と変わるんじゃ
ないって事。あくまでもそれまでのグルーブを
引きずるように、ぐにゅ〜ん!だもん。
またそれが、意外とファンキーなんだなぁ〜。

「い〜ねっ!」(←横山タイカン。…だれそれ?)

そしてもうひとつ。…空間が絶対変わる。
聴き慣れないジャズを流す事で間違いなく
この家の空気が変わる。つまり、ジャズは完璧に
風景を伴った音楽だということ。

こんな体験っていいよね。たかだか1800円ぐらいで
日常とは違う風景をゲット出来るんだもん。これぞ、
旅行要らず!…この夏はどこにも行ってない人にお勧め。

でもさ、言っとくけど聴き慣れない音楽なら何でも
いいって訳じゃないんだなぁ、これが。
あわよくば、空間が変わったとしても、自分の心までは
変えられない。…精神も変えてしまうのが本当のいい音楽!

ま、このCDなら当然かな?
だってモダンジャズの中でも名盤中の名盤だから。
時代を超えて愛されている作品なのだ!
…そういうものって何らかの【価値】があると思う。

この『ブルース・エット』のトラック1は
「ファイブ・スポット・アフターダーク」という曲。
…村上春樹『アフターダーク』に出て来たナンバー。

聴いた事があった曲。作品イメージとは違いライトな曲。
…これで『アフターダーク』に新しい風景が加わった。



2004年09月15日 (水) 01時37分





voice58■アフターダーク


    RES 
-------------------------------------------
[122]おなまえ:おーはし
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この全編に漂う緊張感は何だ?
この爆発寸前のジリジリとした濃密な空気は一体何だ?

ぼんやりとJ−WAVEを流していたら、突然のCM。
“村上春樹最新刊『アフターダーク』発売”

…ゲッ!最新刊?…聞いてないぞ、そんな事!
…もう発売かよ?…前作はいつだったっけ?
…二年前かな?…この人にしちゃ新作発表が
早いんじゃない?…とにかく読まなきゃ!
まずは読まなきゃ!今すぐ読まなきゃ〜〜〜!!!

手にした本の表紙は、闇を意味する青味がかった黒。
そして、箱のようなものに座った女性の彫刻。
帯には“『風の歌を聴け』から25年、
さらに新しい小説世界に向かう村上春樹”とある。

本の中には、よくある読者アンケートの葉書と
この本の宣伝チラシが差し込んである。
“書き下ろし最新作アフターダーク”
そして一行のコピー。たぶん作品本文の中の言葉だろう。
“ゆっくり歩け、たくさん水を飲め”

チラシのバックには表紙と同じ色合いの闇夜。
下の方には光瞬く都会のビル群がある。

ページをめくるとその都会の事が綴られている。
…真夜中の都市の姿。
その語り手はいつもの「僕」ではない。
村上春樹特有の「僕」という一人称ではない。
「私たち」という複数人称。

そしてその都市を語る文体も硬質な感じ。
そしてそれは、ドキドキするような緊張感に溢れている。
…違う。いつもと違うぞ、村上春樹!

可笑し味を含んだ男女の会話もある。
観念的な記述もある。
こちらと向こう側という世界観もいつも通りだ。
…しかしこれまでの作品群と明らかに違うものがある。

何も起こらないのだ。

作品冒頭のテンションがずっと続いている。
序盤も中盤も、そして、終盤も。
そして残り50ページ。…俺は不安になる。
「このままこれで終わるのか?」
「でもラストにはドカンとありそうだ」
「今までの示唆的な物事の数々を一括りにする何かが」
「…けど…」
「この段階でこの物語に結末が来るのか?」
「終止符が打てるのか?」

結果は何も起こらなかった。…と【俺には】思えた。

いや、起こっている。全編物事は起きている。
とっても面白く引き付ける物事は起きている。
…だが結末が…。

強引に言葉としてこの作品の結末らしきもの、
またはそのテーマ性みたいなものを
自分なりに導こうとすると出来ない事はない。
「明日への希望」

…でも違う。
…言った途端に逃げて行く。
…こんな言葉じゃダメだ!この括りは間違っている!

括りを拒否する作品。読者へ投げ捨てられた作品。
だが今の俺には、投げ捨てられても拾えない作品。

ひょっとして、この『アフターダーク』の続編が
そのうち発表されるのかもしれない。そんな気もする。
…でも、されなくてもいい。このままでもいい。
…俺はそう思う。

全編に充満する緊張感がもの凄いから。
次に何が起こるのか?次に何が来るのか?
これは一体どうなるのか?―じんわりと近づく何か!

…そんなハイテンションが凄い。
素晴らしい作品だと俺は思う。

この小説を解くキーワードはあちらこちらに
散りばめられている。もちろんこれもそのひとつ。
“ゆっくり歩け、たくさん水を飲め”
…読む前も読んだ後もヒリヒリする言葉だ。


この『アフターダーク』をはさんで噂の『24』を
見ている。今は始まりから7時間が経過した。
あと17時間。…評判通りの傑作。想像以上の怪作。

本でもドラマでもいい作品はやっぱりいい。
…幸せな時間。



2004年09月08日 (水) 19時15分








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