これから食事でもどうですか? いや違う
もしオジャマじゃなければ……ダメだなぁ
どうしよう。もうそろそろアニーさんが来てしまうぞ。
「あら,ジェフさん。こんばんは」
「こ,こんばんは。あの………あ……」
「どうしました?」
「あ……お疲れさまです。」
「ありがとうございます。じゃあ」
「さよーならー。…………今日も失敗か」
1週間前から毎日待ち伏せしているのに,まだ食事に誘えない。
あの天使のような笑顔を見ると何も言えなくなる。
「そろそろ作戦を変えるか」
翌日
「アニーさん!」
「おはようございます。どうしたんですか? こんな時間に」
「あの,今日はお仕事手伝っちゃおうかなー,なんて」
「あら,いいんですか? じゃあお願いします」
「(よし。作戦成功! これで協力していい感じに……)」
「クッ クオォォォ ハッ」
「まぁすごい。さすがは男の人。力がありますね」
「ハッハッハ。このくらい楽勝ですよ」
「じゃあここの荷物,物置に運んでおいてくださいね」
「はい,わかりました」
「私は子供達の面倒を見てますから」
「がんばってくださいねー。…………こんなはずじゃなかったのに」
ドスンッ
「ゼェ ハァ やっと終わった」
「お疲れさま」
「いえいえ,このぐらい。楽勝です………ゼェゼェ」
「うふふ。あ,見てもらいたいものがあるんです」
「え? 何ですか?」
「ついてきてください」
「静かに入ってくださいね」
「おじゃましまーす。あ,お昼寝の時間か」
「子供って眠っている時が一番かわいいですよね」
「ぼくもそう思います(うるさくないから)」
そしてアニーさんは笑っている時が一番かわいい
「アニーさん。お仕事終わったら食事にでも行きませんか?」
「え? お食事ですか?」
「あ,やっぱり僕たちにはまだ早いですね」
「え? え?」
「あ,いや,違うんです。これはなんて言うか……あー………」
「いいですよ」
「ほ,本当ですか?」
「近くにおいしいベーグルのお店があるんですよ」
「わぁ,それは楽しみだな」
やわらかく,丁寧に触れなければ壊してしまいそうな純朴な女性
そんなアニーさんにうまく気持ちを伝える事ができた。
「ジェフさん。友達もつれていっていいですか?」
…………この人に気持ちを伝えるにはまだ時間がかかりそうだ。
【コメント】
この小説は,ポップンノーマルカップリング祭に送ったものです。
キザな男とおっとり女性。大好きです。
おっとりっていうか天然ですけど。まぁ,気にしないで。
ジェフは普段はビシッっとできるけれど,好きな人の前では
アガってしまうキャラ。
最後でしっかりと落とせました。