ビリケンさん、どーかウチの願い事叶えたってや。
「ん、5円玉落ちとる。そーか、この5円で神社にお参り行って来いっちゅう事やな」
神さん、神さん。どーかウチの願い事叶えたってや。
ウチはこの年までタコヤキ屋でバリバリ働いて、皆から愛されとる女です。
どーか、どーかウチに婿さんをください。
そう、若くてピチピチの子なんて頼まへん。
欲言うたら罰が当たるさかいな。
せやけど、せめて背は高い婿さんです。
白髪でもええからハゲは嫌や。
ウチのやることに文句言わん、真面目な婿さん。
働かんでもええから、せめて買い物くらいは行ってくれる。
朝は早よ起きて、夜は早よ寝る。
いびきも静かで口臭も臭くない。ウチが作った料理みんな食ってくれる。
ついで言うと吉本に笑うセンスは欲しいな。
むっちゃ遠慮してこんな感じの婿さんに会わせてください。
「チャリーン、っと」
ドサッ!
「な、なんや?」
「・・・・?」
「あんた、どっから来たん?」
「・・・(天を指さす)」
「あんた何しとる人?」
「・・・天界の住人じゃ」
「神様なん?」
「神様とはちと違う」
「あんた名前は?」
「翁。皆からはそう呼ばれておる」
「ウチはスミコ。そや、こん人は天からの授かりモンや」
「は?何の事じゃ?」
「あんたお腹空いとるやろ。タコヤキ食べさせたるわ」
「さ、さっきから何のことやらさっぱり・・・・」
「ええから来いや」
「こら、袖を引っ張るな」
天から降りて初めて会ったこの人間。名前はスミコ。
・・・・わしは天界では年老いた方とはいえ,まだまだ生きる。
でも、こいつはわしより長生きしそうで不安になる。
いや、本当に長生きするに違いない。
【コメント】
今までショートストーリーで2回書いてきたオキスミの出会い編です。
この作品もSSになる予定でしたが、なりませんでした。スミコの願い事が長すぎて(笑)
最後の言葉はオキナの本心です。絵に付ける言葉みたいな短い文章です。
・・・・・絵の構図は思いついても、書けません。(泣)
関西弁が間違っていると思いますが、見ないでください。