TONIGHT,KIDNAP ME GENTLY.
I'M SHOWING THE SIGN YOU TAUGHT ME SECRETLY............
「あー,おもしろかった」
街でブームを巻き起こしているステラの小説を,今やっと読み終えた。
読む前は『星の王子様』や『ピーターパン』みたいな話かと思ったけど,
本格的なSF小説でドンドン引き込まれちゃた
「あ,もうこんな時間。早く寝ないと」
もっとステラの事が知りたいな。本当にあんな王子様がいればいいのに・・・
コンッ コンッ
「何かしら?こんな時間に」
トントンッ
「誰かいるのっ?」
「こんばんは。窓から失礼します」
「キャアァッ」
「しっ。驚かないで」
「あ・・・あ・・」
「僕の事,知ってますね」
「ス・・・ステラ?」
「そのとおり」
「本当にいたんだ・・・・」
「夢見るお姫様のもとへ,王子はいつでも参りますよ」
「ねぇ,ステラ。あなたはどこから来たの?」
「どこから・・・空からですが,この場合はアルビレオとお答えするべきですね」
「アルビレオ?」
「ここからだと夏によく見える星です。はくちょう座の星の1つですよ」
「すてきな所?」
「ええ,とても」
「ねぇ,連れていってくれない?」
「そうしたいのですが,今日はあいさつだけで帰らせていただきます」
「そう。残念だわ」
「またいつか僕を呼んでください」
「呼ぶってどうやって?」
「じゃあ・・・この本を見えるところに置いてください」
「それがあなたと私の合図ね」
「じゃあ僕はこれで。おやすみなさい。よい夢を」
「昨日の事・・・・夢だったのかな?」
そうよね。ステラが私の家に来てくれるなんて
「あ,はくちょう座のアルビレオ。たしか図鑑に星座図があったわ」
はくちょう座・・・あった,アルビレオ!
「じゃあ,あれは」
今宵,私をそっとさらって。
あなたが私に教えてくれた合図を送る。
光速を超えてあなたの星まで連れていって。
私は信じてる。あれは子供だましの空想科学物語じゃないって・・・
【コメント】
女の子,というのはステラのフィーバー時などに出ているあの子です。
名前は特に決めていません。
ステラの「窓から失礼します」に笑ってしまう・・・・
最初と最後の文章はコスミックの歌詞です。
ご覧になっていただければ解るとおり,女の子がステラに歌った歌です。