「そこの者!」
「え?私ですか?」
「ああそうだ。お主,名は?」
「一京ですが」
「一京か。良い名だ。私は千代子だ。お主見たところ旅の者のようだが」
「はい,琵琶をかついで日本中を行脚しています」
「泊まるところはあるのか?うちでよければ泊めてやるぞ」
「しかし,若い女性のお家に・・・・」
「気にするな」
「そうですか。では」
「夕食にしよう。何が好きだ?」
「・・・・・ゴーヤーチャンプルーが食べたいです」
「ゴーヤーチャンプルーか。しばし待たれよ」
トントントントン
「あの,千代子さん」
「他人行儀な言い方はやめろ。呼び捨てでかまわない」
「千代子・・・・・千代子って変わった人ですよね」
トンッ!
「・・・・・・ウッ ウウゥ」
「な,泣かないでください。そんなつもりじゃなくて・・・・
その・・・・・・そんな千代子が魅力的だと・・・・・・・・」
「ふっ,そうか。ふふっ,フッフッフッ」
(な,何なんだろう)
「うまいか?」
「はい。特に豚肉が」
「沖縄の気候のおかげだ。肉だけでなく,野菜や調味料もうまくなる」
「沖縄っていいところですね」
「ずっと沖縄に住んでみないか?」
「けれども旅が・・・・」
「ならば私が一京の旅についていこう」
「ど,どうしてそんな・・・」
「私は一京と一緒にいられればそれでいいのだ」
「私と・・・・一緒に?」
「一京,私のような女は嫌いか?」
「・・・・・・・・・・」
「嫌いではないのだな」
「はい」
「それでよい。今日は早く寝るぞ」
「私は千代子みたいな女性に弱いからなぁ。好きなんですけどね」
「フフッ,フフフフッ」
「おっ,起きていたんですか」
「寝てるぞ」
「はいはい」
【コメント】
チヨコは古風なしゃべり方で。2人とも名前は漢字表記です。
途中,ユンマユが出たりしましたが,話がまとまんないので消しました。
やっぱり登場人物は2,3人が限度です。