放浪戦記
第1話「蒼き狼」
―レッドラスト―
「ちい!帝国軍め!大軍を派遣しやがって!味方全然いねえ!」
ZAC2098.西方大陸における帝国軍と共和国軍との戦いが始まった。
ここレッドラストでは今日も死闘が繰り返されていた。しかし共和国軍は主力部隊が壊滅。
取り残された残存部隊が拠点を防衛していた。
『こちらゴドス12号機!敵はこちらの拠点に進入!至急援軍を・・・』
『こちら基地防衛隊!敵の数が多すぎ・・・・』
時間がたつに連れ共和国軍のゾイドはしだいにその数を減らしていった。
―基地防衛用陣地―
「はやくしろ!砲弾を運べ!」
「このやろお!」
一般兵が重砲や対ゾイド砲といった武器をならべ応戦していたが恐るべきモルガとレッドホーンの数に圧倒されていた。
「くそ!ゾイド部隊は何をやっているんだ!」
砲塔がミサイルで撃破されている。遠く離れた丘で一人の男が見ていた。
「あーあ。ひどくやられてるなあ。」
白いTシャツにジーパン。共和国軍兵士のベストを羽織っている。袖には「烈」という文字が刻まれていた。傭兵らしい。愛機に乗ると最高速度で戦場にむかった。
一方迎撃にでた共和国軍ゾイド部隊は壊滅。生き残ったゾイドも引き上げる状況だった。そこへ1機のコマンドウルフが現れた。正規軍使用ではない、青いコマンド。
突如敵モルガに攻撃を加える。いきなりの新手に戸惑う帝国軍。
『なにをしている!1機のコマンド相手に!』
「それが・・・友軍に攻撃が当たってしまい・・・うわあ!」
バイトファングの煌きを目の前に沈黙するモルガ。
モルガもバルカンで応戦するがなにぶんノーマルと違い反射速度が全然違う。
逆にビームをくらい、四散する。
「控えていろ!」
司令官のレッドホ―ンが突撃する。
「やっとボスが出てきたか。」
男は愛機を近づける。砲撃がくるが鮮やかにかわす。
「なんだと!」
愕く司令官。彼はそのレッドホーンでゴルドス1個中隊を全滅させた事がある。小隊でだ。
しかし男はその腕をすら上回るテクニックを持っていた。
「くたばれ!」
ビームを撃つ。レッドホーンの装甲には効かない。しかし土煙があがる。視界が曇った。
「どこ・・・・」
次の刹那目の前にバイトファングが見えた。
「うわあああああ!」
断絶魔とともに打ち倒されるレッドホーン。司令官の死とともに引き上げる帝国軍だった・・・