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−ZAC2101年−ガイロス帝国軍中佐カール・リヒテン・シュバルツは旧首都・ダークネス、現在はチェピンと呼ばれている都市の病院で窓の外を見つめている……。帝都ヴァルハラで起きたプロイツェンの反乱。…それに伴う帝国首都の壊滅…加えて今回の戦乱で我が国とへリック共和国が被った被害は計り知れない。それがたった一人の男…ガイロス帝国摂政ギュンター・プロイツェン、いや正確にはネオゼネバス初代皇帝、ギュンター・プロイツェン・ムーロアの手に因って起こったものだったとは………(私の責任だ…)…プロイツェンが心の奥底に抱いていた暗い野望に薄々感づいてはいながら止める事が出来なかった……その代償がこの現状…シュバルツは罪の意識に苛まれていた……。だがその中にあってガイロス帝国皇帝、ルドルフ・ツェぺリンが無事だったのは僥倖、としか言いようがない…その事がシュバルツを支えていた…(ルドルフ陛下がおられる限り、帝国は復興出来る…)…そう考え、この戦乱で命を落とした多くの人々に黙祷を捧げる……そして自分の愛機、漆黒のセイバーにも…もう一体の愛機、アイアンコングの方は機体に相当なダメージを受けていたが幸い、ゾイドコアには損傷がなく二週間もあれば完全に修復出来る、との事だった。それを伝えに来た技師に礼を言い、…「?」(こんな状況でも自分のゾイドを心配していたとはな…私も軍人である前に一人のゾイド乗りだった、と言う事か…)そんな自分に。フ、と思わず苦笑が漏れる…。 …コンコン…と、不意に病室のドアが遠慮がちに叩かれた…「シュバルツ。俺だ、起きているか?」「あぁ…ハーマンか。別に構わんぞ。」入ってきたのは共和国の軍服に身を包んだ長身の男。へリック共和国軍中佐ロブ・ハーマン…暗黒大陸に上陸した共和国軍は、現在中央大陸に帰還する為に部隊の再編成等で忙殺されている…今回の戦争で共に痛手を被ったガイロスとへリックは一時的にではあるが休戦条約を締結、ネオゼネバスを倒す為に協力体制をとる事となった。…共和国の将校であるハーマンが帝国の都市に居るのはそういう訳だ。尤も、この病院にも共和国軍の兵士が何人か収容されて治療を受けているのだが。2ヶ月程前の会談の最中に起こった「シュバルツ暗殺事件」あの時からこの男とは奇妙な縁が続いている…。共和国兵士の見舞いがてら、こうして自分の所にも顔を出す様になった。「実は良い酒が手に入ってな、どうだ一杯やらないか?」見るとハーマンの手には酒の瓶が…(一体何処で手に入れたのやら)シュバルツは苦笑しながら「おいおい、ハーマン中佐。ココは一応病院だぞ…とは言うものの、実は私も一杯やりたかった所だ。ありがたく頂くとしようか。」そして二人で酒を酌み交わす…既に中央大陸ではネオゼネバスの侵攻が始まっている様だ。ハーマンも心中穏やかではないだろうに…そんなシュバルツの気持ちを察したのかハーマンが不意に口を開く「なぁシュバルツ、この戦争…一体どうなっていくんだろうな。」既にガイロスは首都を失い壊滅寸前、共和国は主力部隊の半数を失い…ネオゼネバスが中央大陸の覇権を握れば約40年以上も続いたこの惑星の戦乱にも終止符が打たれるのだろうか。…(いや、事はそう簡単ではあるまい)…心の中で嘆息しながら「…難しい所だな、今回の戦争でも多くの者達が命を落とした…それにゼネバスの亡霊が未だのさばっている以上、憎悪の連鎖が止まる事はないだろう……」軍事国家であるガイロスでは今回の戦争で民衆の疲弊が頂点に達しつつある…いや、民衆だけではない。兵士達も戦争に疲れきっている…かつて共和国との徹底抗戦を唱えていた者達もその殆どはプロイツェン派と呼ばれていた連中だ。そのプロイツェン亡き今、議会では共和国との和平を望む声が高まっている。皇帝であるルドルフも共和国との戦争を望んではいない…かくいう自分も和平派の一人だ。「…だが、へリックとガイロスの間で戦争が起こる事はもう無いと思いたいな…。」そう呟くシュバルツの言葉にハーマンも頷く「あぁ…だといいな、俺もお前と敵として戦場で出会う様な事は避けたい…。」……そう言って二人の軍人は酒を飲み干した…それから数ヶ月後…−ZAC2102年 エントランス湾− …キュアアァァァァァァァン…ウルトラザウルスが大気を震わせる様な鳴き声を上げ、ホバーカーゴがその後に続く再編成を終えた共和国軍がエントランス湾から出港して行った……その光景をガイロス帝国皇帝、ルドルフ・ツェペリンと共に見送りながらシュバルツは自分の傍らに控えているアイアンコングを見上げる。技師の言葉通り2週間で完全に修復された愛機は何処か寂しそうだった。…(そうか、アイツがいないからな…)…漆黒のセイバータイガー…シュバルツのもう一体の愛機はもういない…ゼロイクスとの交戦でゾイドコアを撃ち抜かれ、その命を落としたのだ…格納庫の中では互いにいがみ合って整備兵を困らせていたものだが。「やはりお前も寂しいか。」コクピットに乗り込み新しい黒百合の鉢植えを飾ってやると…グゥゥゥゥゥッ…アイアンコングは嬉しそうに唸り声を上げる。…(この戦争、何時かは終わる…いや終わらせねばならない。その為には…)…帽子を目深にかぶりなおしてシュバルツは朝焼けに消えていくウルトラザウルスを、そして彼らが向かった中央大陸の方向を見つめていた………。「黒百合」了え〜これは某所に投稿させて頂いている小説の内容を一部変更、加筆した物です;ホントに駄文で申し訳ないです(滝汗せっかくですから何か書いとこうと思ったのですが…ネタがなくオマケに読み切りにしては長い、という…;
巫鎖姫さん、ご感想有り難うございます。もちろんmyuraさんも有り難うございます。確かに、敬語などはあれですが、一応1話でなぜかは分かるかと、、、効果音ですが、どうしても良い「文字での」表現方法が思い浮かばないんです。ウルトラザウルスの鳴き声の表現気に入りました。(PSゾイド2のあれはないだろ(汗ブラッディーデーモンMK2−Sの登場もありましたし、次は、あれが登場です。(と言ってもまだ先の話、、、
コメント有り難う御座いますm(_ _)m>効果音難しいですよね;いざ「文字」で表現するとなると…鳴き声の方はアニメを参考にしてみたのですがアイアンコングとか…難しい;サソリさんは「キシャアアァァァッ」とかで良いんでしょうが(^^;)