[71] アイジ・ホルステ 第一章 「謎の少女」 |
- ayumi★ - 2007年11月17日 (土) 13時03分
《プロローグ》 活気あふれる国、ホルステ。 去年の末、新しい王が決まり、着々と新芽を伸ばしつつある国。 緑豊かな国土には、数え切れないほどたくさんの果実が実った。 牛や羊は、美味しい草を毎日食べ、やがて人々の食料になった。 国民は、どこにでもあるような平凡な人生を過ごした。 皆がそれで良いと思っていた。そのままの一生で良いと思った。 それなのに・・・それなのに・・・・ _____________________________ 連合国家セアシテは、ゼクサ、カトリア、ミスリルの三国の連合によって成り立っている。その中の一国、カトリアでは一つの陰謀が幕をあけようとしていた。
「チチッチチッ」 スズメだろうか・・・外から鳴き声が聞こえる・・・ 俺がまた一眠りしようとしていた時だった。 「ガゼルッ!早く起きなさい。」 母さんだ、ドアを乱暴に叩く音が嫌なくらい耳に響く。 「ガゼルッ!起きてるの!ガゼルッ!」 「そんなに言わなくても起きてるよっ。」 仕方なく俺は起きた。こんなうるさい中、眠れるはずないし。 「ほら、顔洗って、早く着替えて。」 「へいへい。」 逆らうわけにもいかないので、顔を洗って、さっさと着替えた。 朝食を食べながら、俺は母さんに質問した。 「で、何で今日はこんなに朝が早いわけ?」 「ああ、それはねえ〜。お城のお偉方からお前に頼み事があるんだと。」 あ〜そう、・・・って、 「い、今何つった!」 「おや、聞こえなかったかい?お・え・ら・が・た、だよ。」 「えぇ〜!」 「ほら、うちは冒険者の家じゃないかい。お前に名にか
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