[66] アメノムラクモ 第一話「ニニギ」 |
- 新手のスタンド使い - 2005年01月11日 (火) 18時38分
荒野――― 科学は進歩し、鋼鉄の島が空に浮かび、人が新たなる命を作り出す―――、しかし、それでいて漫然とした欺瞞だらけの荒廃した世界。その世界の中に浮かぶ、海に囲まれた小さな島国。 そしてそこに立つ、大きな荷物を抱えた1人の少年。 こんな荒廃した世界で、そしてこんな荒野の真ん中で、少年は輝くばかりの希望を湛えた目を、古ぼけた鉄製の大きな看板に向けていた。 葦原中国。看板にはそう書かれており、少し向こうのほうに見えるこれもまた鉄製の門の方を指していた。 看板の下のほうには、こんな落書きが書かれていた。 『真の夢追い人と人生を捨てた者達の国』 少年はそれを読むと、笑みを浮かべて門のほうへと向かった。 ふと見ると、門の脇に薄汚い老人が座っていた。 「爺さん、何してるんだい?」 少年はその老人に声をかけてみた。老人はゆっくりと首を少年の方へと曲げると、 「お前は、何者じゃ。ここへは何をしにきた…?その若さでもう人生を捨てたか…それとも、愚かな詐欺師どもに踊らされて一山当てようとして来たのか…?」 「へへっ、おいらの名はニニギってんだ。ここへは…そうだな〜 …うーん、『黄金の未来』ってやつを手に入れに、かな。」 はははははッ!と、少年の答えに、老人は高笑いをした。 「この世界の奴らの大半は、ここがその『黄金の未来』とやらに一番遠い所だと分かっておる…。この荒れ果てた地に、何が得られるというのじゃ…。おおそうじゃ、おぬしに名乗らせたのじゃ、わしも名乗るのが礼儀じゃ、わしの名はカミムスヒじゃ…」 「皆が思ってる一番遠い所に、未来への一番の近道が眠ってるんだ。それを見つけて、おいらは未来を手に入れる。間違ってなんか無いって、だってここへ来る途中、こいつがずっとこっちのほうを向いて光ってたからな、間違いないよ!」 ニニギの言葉をうつむいて聞いていたカミムスヒは、最後の『こいつ』と言う言葉を聞いて、急に顔を上げた。 「おお…そうか…おぬしも『力』を持つ者…それならあるいは… 手に入れられるかも…」 それを聞いて、ニニギは身を乗り出した。 「ホント!?本当なんだな!ヘヘッ、がぜん希望が沸いてきたッ、あ、そうだ。ねえねえ、こいつ今度は北北西向いて光ってるんだけど、そっちの方角においらの未来を手に入れられそうな物、無いかい?」 するとカミムスヒはまた笑って、こう言った。 「くくく…そんな事まで見抜いておったか…たいした小僧じゃ… その方角なら、月夜街がその方角じゃ。まっすぐ行けば大きな穴の様な物が見えてくる。そこが月夜街じゃ。着いたら、そこの階段を降りた所におる男に、これを渡すがいい。」 言うが早いかカミムスヒは薄っぺらい紙を取り出して、サラサラッと何か書くと、ニニギに渡した。 「ありがとな、カミムスヒの爺ちゃん。」 「お前が人生を捨てた者の1人にならんようにと、祈っておる。」 会話を交わすと、ニニギは真っ直ぐ走り出した。北北東へと。 ニニギが去った後、カミムスヒはこう呟いた。 「ああは言ったものの、あの小僧どうなるのかのう…。月夜街を支配しておるのは、あの『ツクヨミ』じゃからのう…。」 続く
心象体名:ゴールデン・フューチャー 本体:ニニギ 破壊力:不明 スピード:不明 射程距離:D(約5メートル) 持続力:B 精密動作性:B 成長性:A 能力:@本体の『黄金の未来』の方向を察知し輝く まだ他にも能力が…?
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