今年の関東地方は空梅雨気味です。昨日午後降り始めた雨もすでにあがっています。今週末は「中休み(?)」だそうです。それでも湿度だけは高く、ジメジメとしてさわやかさがありません。あまり好きではありません。
アンポンタン達の暑さ対策にすでに扇風機二台と冷風扇一台が大活躍しています。ユウヘイには大理石の板(二枚)も買ってあげました。初日はやや警戒していましたが、すぐに慣れて大理石の上で体を冷やしながら過ごしています。レオは玄関のタイルの上で冷風扇かぶりつきですから大理石は与えていません。いや、奴の大きな体を収める大理石だと、それなりのお値段になるのです。頭皮マッサージ器をネット購入し、お小遣いは底をつきました。レオよ、許せ!
本日から腹部の異常を取り上げます。外から見ての異常です。4回に分けて、腹水、鼓腸、肝腫大、脾腫を紹介します。腹水、鼓腸は飼主さんも気づきそうですが、肝腫大、脾腫となるとそう簡単にはわかりません。動物病院の先生から「肝臓(あるいは脾臓)が腫れていますね」と言われたときに思い出す程度で結構です。それぞれに種々の原因を書きます。あまり簡単に考えてもよくありませんが、最悪のケースばかりを想定するのもよくありません。
3-4 腹部 3-4-1 腹水 体液が腹腔内に溜まった状態が腹水です。元気・食欲がなくなり、腹部が腫れぼったく、腹部を触ると嫌がります。嘔吐や体重増加が見られることもあります。伏せをするときに「うっ、う〜ん」とうなることもあります。 腹水の原因は、循環器障害、腎臓病、胃腸病、腫瘍、腹膜炎、電解質のアンバランス、肝硬変、出血などです。臓器肥大症、腹部腫瘍、妊娠、膀胱膨満、肥満、胃拡張でも腹部が腫れますので、これらとの区別は必要です。まあ腹部を触るとポッチャンポッチャンした感じがあるなら腹水の可能性大です。
腹水で思い出されるのはフィラリア感染末期の腹水症です。循環器障害からの腹水貯留です。フィラリア予防薬が普及していなかった昔のことですが、まだまだ若い成犬に見られ、死亡に至ることが多かったようにも記憶しています。 腹水は通院での加療が一般的です。塩分制限が主ですが、治療法は原因により様々です。腹水の吸引が必要な場合もあります。ただ、急激な吸引は腹圧の異常変化でよけいにおかしくなることもありますので要注意です。腹水にもいろんな種類があります。それを紹介しておきます。といっても、動物病院で腹水を採取して観察しないとその性状はわかりません。
●漏出液:一般的に無色(場合によりややピンク色)で透明です。蛋白質濃度は2.5g/dL以下で、顕微鏡観察でも細胞はそれほど多くありません。
●滲出液(非化膿性):ピンク色か白色で濁っています。蛋白質濃度は2.5〜5.0g/dLで、それなりの数の細胞が観察されます。
●滲出液(化膿性):赤色、白色、黄色で濁っています。蛋白質濃度は4.0g/dL以上で、観察される細胞がとても多くなります。
●血液:出血による腹水では血液が主たる成分です。上澄み液は透明ですが、沈殿物は赤色です。
●乳び:乳びとは腸管から吸収された脂肪の小粒のために乳白色なったリンパ液です。リンパ管に異常があり漏れ出すことがあります。ピンク色、白色で、冷蔵庫に置くとクリーム層が分離してきます。
●尿:やや黄色で透明です。膀胱破裂のときに見られます。
●胆汁:黄色でやや濁っています。ビリルビンが検出されます。肝臓疾患で見られます。
2007年06月30日 (土) 09時14分
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