滝の先の放牧地の先に倶利伽羅不動と謂う小さなお堂がある。其処に通じた道が今のように気候の良い日には格好の散歩コースとなる。うねうねと続く丘を越えて数十分歩いて行く。今はススキの穂が陽の光りに映えて綺麗である。所々岩場に群生した櫨や楓の紅葉が良いアクセントになる。 道は倶利伽羅不動の駐車場で切れている。お堂は其処から少し丘を登って谷沿いに下った所にある。その先は草原の中の道である。何時も其処で引き返す。すると辺りに異臭が漂っている。丁度獣の屍骸が腐ったような(お食事前の方はゴメンナサイ。皆様は嗅いだことがありますか?)鼻腔に何時までも纏わり着く匂いである。嫌な予感がした。「鼻敏い」(はなざとい・・こんな言い回しがあるかな?)天は既にその汚物の上で転げまわっている。良く見ると人糞のような物体である。けれどもその匂いはそれとは少し違う。矢張り「腐臭」に近い。それは兎も角天の首筋から背中迄その汚物にまみれている。これでは如何に「臭い車」だと妻から非難されている私の車でも乗せるのを躊躇われる。だから滝に寄って体を洗う事にした。滝迄数分距離にして一キロ弱、車の後を天は追い駆けてくる・・・ 滝に下りて天の体を水に浸けて洗ったけれども容易に匂いが取れない。これはシャンプーを使わないと取れない性質のものかも知れない。 天は汚れが取れてサッパリしたどころか一寸不満そうである。天にしてみれば「折角魅惑的な匂いを付けたのになんてことすんのよ!」というところか?・・・(未だ臭う) いずれにしても犬のこのような習性は人間様にとっては甚だ迷惑なものである。特に室内犬として飼っているとなれば・・・おまけに一緒に寝ている。(ただでさえ我が家は来訪者から「犬臭い!」と言われるのに・・・)
追伸:勿論帰って早速シャンプーをした。未だ少し臭うような気がする。 だから暫くの間その「現場」の前で引き返すことにしている。
2006年11月10日 (金) 12時04分
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